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多くの衛星画像や航空写真は異なる波長帯の情報を複数の「バンド」として保持しています。この複数のバンドから得られる情報に対して統計的な手法を用いてラスター画像から特徴を抽出する処理を画像分類と呼びます。
画像分類の手法には「教師付き分類」と「教師なし分類」があります。
教師付き分類では、解析を実行するユーザーがあらかじめ分類するクラスを表すピクセルをラスター画像からサンプルとして抽出します(トレーニング サンプル)。
ソフトウェアはこのトレーニング サンプルから画像をどのように分類すればよいかを学習し、残りのピクセルを分類します。
教師なし分類は、解析を実行するユーザーの操作を必要とせず、各バンドのピクセル値の分布からソフトウェアが自動的に分類を行います。
Landsat 8 の画像を用いて、教師付き分類を用いて土地利用の分類を行う例を紹介します。まず、衛星画像の前処理(1)を行い、次にトレーニング サンプルの抽出(2)を行います。そして抽出したトレーニング サンプルの評価(3)を行い、分類を実行します(4)。そして最後に後処理を行います(5)。
各バンドのデータ分布の確認や、使用するバンドの選定などを行います。
また、画像に対して主成分分析を行うことで各バンドが持つ情報をより少ない数のバンドに集約することもできます。
水域や植生など分類したい土地利用を表す領域を抽出します。ArcGIS では、ArcGIS Spatial Analyst エクステンションの [画像分類] ツールバーと [トレーニング サンプル マネージャー] を使用してトレーニング サンプルとなる領域を抽出し、管理します。
分類した画像には誤って分類された微小なピクセルが含まれる場合があります。このような誤分類されたピクセルを抽出し、除去します。ArcGIS では [大多数フィルター] ツールや [境界のスムージング] ツールを使用することで、分類した画像から誤分類されたピクセルなどのノイズを除去することができます。
このように、衛星画像に対して画像分類を行うことで、広範囲にわたる土地被覆図や土地利用図を作成することができ、主題図の作成や GIS を用いた解析に活用することができます。