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GIS 基礎解説

リサンプリング

 

リサンプリングとは

サンプリングという言葉はさまざまな分野で使われています。画像の世界では、デジタル画像を生成する際に用いられます。絵や写真などのアナログ画像から一定間隔で色を取り出すことをサンプリング (標本化) と呼び、これを隙間なく並べることによりデジタル画像ができあがります。

左から「元のアナログ画像」、「一定間隔で切り分け」、「格子の色を統一」

この一定間隔の格子のことをピクセルまたは画素と呼びます。この小さな色の集合がデジタル画像です。
必要に応じてこのサンプリングをし直すことを、一般的に「リサンプリング」と呼びます。

GIS におけるリサンプリング

GIS にはラスター データというデータ モデルがありますが、こちらもデジタル画像を扱うことができます。GIS 上のラスター データはセルという単位で管理され、セルは元となるデジタル画像から色情報を取得して表現されます。このセルに色情報を格納する際にも、リサンプリングが用いられています。
GIS ではラスター データのリサンプリングは表示や解析において利用されています。たとえば、先のデジタル画像の山頂付近を拡大した場合、下の左図のように画素サイズも拡大されてしまい綺麗に見ることができません。

これを解消するためにリサンプリングを行います。擬似的に連続した色を発生させるよう、再度、一定間隔で色を取り直すことになります。上図のリサンプリング後の画像のように、より滑らかに表現することが可能です。
このとき、空いた画素の色を決定するのですが、この決定方法がリサンプリング手法です。

リサンプリング手法

ここでは、一般的なリサンプリング手法について紹介します。わかりやすいよう、GIS 上でラスター データを45°回転することを例とします。各図では、演算によって45° 回転した元ラスター データのセルの中心をグレーのポイントで表現し、リサンプリングしたい結果ラスター データのセルを薄い緑の格子で表しています。

最近隣内挿法 (NEAREST NEIGHBOR)

最近隣内挿法では、最も近いセルの値を採用します。
左図では黄色のセルの色は、そのセルの中心である赤いポイントから最も近い入力値であるオレンジ色の元データのセル中心点の色が採用されます。
最近隣内挿法は他の手法と違い、必ず入力セルの値をそのまま採用します。このことから、色そのものに意味があるような土地利用図や、数値標高モデル ( DEM ) のリサンプリングにも適用することが可能です。

共一次内挿法 (BI-LINEAR INTERPOLATION)

共一次内挿法では、最も近い 4 つのセルの中心値を採用します。中心値は 4 つの値の加重平均によって求められますが、各セルの中心値と求めたいセルの中心値の距離で補正されます。
左図では求めたい黄色のセルの中心である赤いポイントから最も近いオレンジ色の入力セルの中心点 4 つが採用され、その色は 4 つのオレンジ色の点が持つ色の加重平均となります。
この手法は最近隣内挿法よりも滑らかな結果が得られます。また、周囲のセルとの相対的な位置と値から計算されるため、航空写真などのリサンプリングに適しています

三次たたみ込み内挿法 (CUBIC CONVOLUTION)

三次たたみ込み内挿法は共一次内挿法と似ていますが、最も近い 16 個の入力セルの中心位置と値から計算された加重平均の値を採用します。左図では 16 個のオレンジ色の点から赤い点までの距離を加味した値の平均が、黄色のセルの色に採用されます。
三次たたみ込み内挿法の場合は、共一次内挿法に比べてデータの境界が鮮明になるという傾向があります。

GIS 上のラスター表示におけるリサンプリング手法の比較

実際に各リサンプリング手法が、GIS 上での拡大表示にどのように影響するかを確認してみます。
下の 3 画像は同一の航空写真を GIS 上で表現し、拡大表示したものです。それぞれ表示の際のリサンプリング手法が異なっています。

最近隣内挿法では忠実に最も近いセル値を採用しているため、元画像のピクセルがはっきり再現されています。これに対して他の内挿法では、連続データとして予測される色を採用しているため、拡大しても滑らかな見た目を保持しています。
このようにラスター データの表示においては、その使用目的に応じて最適なリサンプリング手法を選択することで、適切な地図表現が可能になります。

ArcGIS では上記のリサンプリング手法をすべてサポートしており、簡単に切り替えて画面上で確認することができます。もちろん表示に限らず、ラスター データにおける各種解析やデータ変換においても、リサンプリング手法が指定可能です。

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