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GIS 基礎解説

航空写真と衛星画像

 

航空写真と衛星画像とは

“上空から撮影した”という点では共通している航空写真と衛星画像ですが、データの取得方法や解像度が異なります。

航空写真

航空写真は航空機に搭載したカメラを使って地上を撮影した写真のことを指し、空中写真と呼ばれることもあります。また、人工衛星よりも低い高度から撮影を行うため、比較的高解像度の画像を取得できます。航空機で該当エリアに短時間で到着し撮影することができるので、災害時などの迅速な対応に役立つという利点があります。

衛星画像

衛星画像は人工衛星に搭載されたセンサーで取得されたデジタル データです。厳密に波長を区切って取得されるため、可視光線や近赤外線といった波長帯に分けて解析することが可能です。また、航空機が通過できない場所の画像も取得することができます。

航空写真と衛星画像の違い

主な人工衛星と画像

人工衛星の軌道高度によって、取得できる画像の特性は変わります。高度が高い衛星の場合、一度にデータを得ることのできる走査幅が広く、特定の範囲を観測する観測周期は短くてすみますが、解像度は低くなるという特性があります。たとえば、気象衛星である「ひまわり 8 号」は、高度約 36,000 km の静止軌道にあり地球の観測者からは、常に衛星が静止しているように見えます。分解能は 0.5 ~ 2 km で、1,000 km × 1,000 km の範囲を撮影することができます。一方で、地球観測衛星である「だいち2号」は高度約628km の太陽同期準回帰軌道を通っています。回帰日数は 14 日間であるため、2 週間毎に同じ位置に戻ってきます。また、分解能は 1 m ~ 100 m で、観測幅は 25 km ~ 350 km です。

ALOS-2(だいち2号)

地図作成、地域観測、災害状況把握、資源調査などへの貢献を目的とした地球観測衛星です。観測センサーは合成開口レーダー(SAR)を搭載しており、詳細な地表面の変動を知ることができます。

□分解能・観測幅:

  • 分解能:1×3 m、観測幅:25 km(スポットライト モード)
  • 分解能:3 m~10 m、観測幅:50 km、70 km(高分解能モード)
  • 分解能:100 m、観測幅:350 km(広域観測モード)

□画像の入手:

以下のページをご覧ください。サンプル画像も公開されています。
ALOS-2 / PALSAR-2サンプルプロダクト(校正済み)(宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター)

参考:合成開口レーダー(SAR)の特徴

  • マイクロ波レーダーによる能動的探査
  • 昼夜・天候の区別なくデータを取得
  • 水域とそれ以外の区別がつきやすい
  • 差分干渉技術により、微小な地形の変化を抽出

Landsat 8

米国地質調査所(USGS)が運用している人工衛星で、地球全体の中分解能マルチスペクトル画像ならびに熱赤外画像を取得することができます。可視光線領域のデータを 5 種類取得でき、近赤外線および熱赤外線領域のデータを含めると、計 11 種類の観測データを取得できます。

□分解能・観測幅:

  • 解像度:30 m、15 m(パンクロマティック)、観測幅:185 km

□画像の入手:

以下のページから無償でダウンロードすることができます。
日本上空:
・以下の産業技術総合研究所のページで表示した範囲に含まれる画像を無償でダウンロードすることができます。
 LandBrowser
 ※入手方法については「LandBrowser ユーザガイド」をご覧ください。
全世界:
・以下の米国地質調査所のページから無償でダウンロードすることができます。
 LandsatLook Viewer
 ※入手方法については ArcGISブログの記事「Landsat 8 画像を使ってみよう!」をご覧ください。

WorldView-4

デジタルグローブ社が保有する、高解像度データが取得できる商業衛星です。補正用のセンサーである CAVIS も併設されており、雲だけでなく、大気中の粗分子や水分量、雪や氷に関する情報を抽出することができるため、それらの影響を排除した画像を取得することが可能です。

□分解能・観測幅:

  • 分解能(直下):0.31 m(パンクロマティック)、1.24 m(8バンドマルチスペクトル)、30.0 m(12バンドCAVIS)
  • 観測幅(直下):13.1 km

GeoEye-1

商業地球観測衛星で、可視 3 バンド、近赤外 1 バンドの一般的な波長の可視・赤外光マルチスペクトルセンサーと、高解像度撮影用のパンクロマティックセンサーを搭載しています。

□分解能・観測幅:

  • 分解能:0.41 m(パンクロマティック)、1.64 m(マルチスペクトル)
  • 観測幅:15.2 km

SPOT-6

フランスの AIRBUS Defense & Space が運用する人工衛星で、高解像度で広範囲の画像を得ることができます。4 時間ごとに予定軌道を変更可能なため緊急時の画像取得にも対応できます。

□分解能・観測幅:

  • 分解能:1.5 m(パンクロマティック)、6 m(マルチスペクトル)
  • 観測幅:60 km

TerraSAR-X

DLR(ドイツ航空宇宙センター)が運用に関わる人工衛星で、X バンドのマイクロ波を利用した合成開口レーダー(SAR)を搭載しています。雲や霧の影響をあまり受けることなく画像を取得することができます。

□分解能・観測幅:

  • 分解能:1×2 m、観測幅:5×10 km(Spotlight SL モード)
  • 分解能:16×16 m、観測幅:1500×100 km(ScanSAR モード)

Sentinel-2

ESA(欧州宇宙機関)などが開発する人工衛星で、土地被覆変化の把握や環境モニタリングをはじめ、自然災害、農作物の生育状況の把握など、リモートセンシングの幅広い用途で活用されています。

□分解能・観測幅:

  • 分解能:10 m(マルチスペクトル)
  • 観測幅:290 km

□画像の入手:

以下のページから無償でダウンロードすることができます。
 Image Browser
 ※入手方法については ArcGISブログの記事「衛星画像もオープンな時代に? ― Sentinel-2 on AWS から無償で衛星画像データをダウンロードできます!」をご覧ください。

GIS における用途

航空写真や衛星画像は作成するマップの背景として使用することができます。他の GIS データと重ね合わせることで、新しい発見があるかもしれません。
また、マルチスペクトルセンサーで取得された画像の赤(R)バンドと近赤外(IR)バンドから植生の活性度を表す正規化植生指標(NDVI)を計算することができます。以下の図の緑の部分は NDVI の値が高いところ、赤の部分は低いところを表しています。

マルチスペクトル画像と高解像度のパンクロマティック画像を合成(パンシャープン処理)することで、より高解像度のマルチスペクトル画像を作成することも可能です。
マルチスペクトル画像を分光特性により画像分類を行い、主題画像を作成することができます。以下の図では、水域や植生などの土地利用特性によって画像のピクセルを分類しています。

ArcGIS で使える航空写真と衛星画像

ArcGIS で利用できる航空写真や衛星画像は多数ありますが、上記で記載した以外で、すぐにご利用いただける画像をご紹介します。

ArcGIS Online ベースマップ(Esri社)
ArcGIS Online から配信される世界の衛星画像と多数の地域の高解像度航空写真を含む背景地図を無償で利用できます。
地理院地図(国土地理院)で配信されている画像
国土画像情報(航空写真)、災害関連画像、航空機 SAR 画像など
GEOSPACE CDS(NTT空間情報株式会社)

 

参考:

  1. 衛星総覧(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)
  2. 衛星画像データサービス(宇宙技術開発株式会社)
  3. 宇宙技術開発機構(JAXA)
  4. 地理院地図(国土地理院)
  5. GEOSPACE CDS(NTT空間情報)
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