GIS 基礎解説 > 画像関連 > 画像強調

GIS 基礎解説

画像強調

 

画像強調とは

デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真をもっと見やすくきれいにしたいと思ったことはありませんか?さまざまなアプリケーションが提供するツールを使い、明るさを調整したり、フィルタリング効果を適用したりして、見やすく雰囲気のある写真へと誰でも簡単に編集できるようになりました。

写真を編集するのと同じように、GIS でも画像やラスター データに対して、画質や視認性を向上させるためにさまざまな処理を行うことが可能です。このような処理のことを画像強調と呼びます。

画像強調の例

以下では画像強調の代表例を示します。

コントラスト

画像において最も明るい色と最も暗い色の差のことをコントラストと呼びます。コントラストが高い画像では、さまざまな地物をはっきりと識別できます。


低コントラスト

高コントラスト
 

ストレッチ

ストレッチは画像の明るさの分布を表したヒストグラムをもとに、分布を均等にする処理のことです。ある範囲に分布が偏っている画像に対して、使用するレンジ幅全体に分布を調整することで、画像の輝度やコントラストの補正が可能です。


偏った分布

均等に分布
 

フィルタリング

画像内のピクセル値に対してその周囲のピクセル値を使用した演算を実行することで、画像を鮮明にしたり、ぼかしたりする処理を行います。画像に含まれるエラーを除去したり、地物を強調したりするなど画像の品質を改善することができます。

  • スムージング
    スムージングは画像をぼかす処理を行い、局所的に高いまたは低いピクセル値などのノイズを除去することができます。
 
  • シャープニング
    シャープニングは画像を鮮明にする処理を行います。地物の輪郭が強調され、境界を判別しやすくなります。
 

ArcGIS Desktop では、コントラストの調整やフィルタリング機能など画像強調を行うための専用ウィンドウを提供しており、画像やラスター データを視覚的に改善することができるため、よりわかりやすい表示や、高度な解析に役立てることが可能です。