ジオデザインは「ジオ(地理)」と「デザイン(設計)」を合わせた造語で、デザインの過程に地理的な分析を含めることを意味します。
自然または人工物の環境デザインは、概念空間などとは異なり、位置情報を必要とする地理空間で行われます。環境デザインの過程で作成、更新される要素はすべて地理空間内の他の情報と相互に関連しています。
ジオデザインは、科学的(物理や生物学)および数値的(社会や経済学)なデザイン活動どちらにも適用でき、さらに、各分野の情報を繋ぎ合わせることで現実世界の統合的なデザインを実行することができます。
グローバル化、人口増加、気候変動、資源需要の増大などの重要な課題はジオデザインを通して解決策を見出すことができます。
立命館大学 歴史都市防災研究所
ホノルル市
ジオデザインをデジタル環境で実行することのメリットは、理解しやすく操作しやすいという点にあります。ジオデザインのフレームワークの中で GIS はデータ モデルの構築、地物データの作成および更新、新しいデザインが及ぼす影響評価、結果の視覚化および共有ツールとして使用されます。これらについて、ArcGIS での利用を交えて説明します。
データ モデルは、要素の図形、属性、関連性を説明するために使用されます。河川や湖沼のような多くの要素はデータベース内に標準のフィーチャ タイプ(ポイント、ライン、ポリゴン、ラスター)として存在し、ArcGIS で管理することができます。GIS データの多くは 2D で記述されていますが、都市環境など 3D で表現したり分析したりする場合は 3D 情報が必要になります。
地物データの作成および更新ツールには次の 3 種類があります。
ArcGIS にはこれらのツールが含まれ、簡単に使用できるように設計されています。また、ArcGIS CityEngine を使用すると、3D 都市や建物モデルを効率的に作成することができます。
ArcGIS のさまざまな分析ツールを使用して、対象地域の持続可能性、脆弱性、土地利用管理戦略などの地理空間的な状況を評価することができます。また、計画による変更が与える影響を評価するための影響評価モデルを設計することもできます。
視覚化ツールはジオデザインの中で最も重要な構成要素のひとつです。地理空間データ、設計の過程、影響評価、計画、結果を視覚化できないことはジオデザインの有用性を大きく減少させることになります。ArcGIS や CityEngine を使用すると、これらの情報を地図上で視覚化して共有することができます。ArcGIS Online 上で結果を共有すると、プロジェクト メンバーはブラウザーから情報を確認できるようになり、意見交換の場としても活用することができます。
ArcGIS Online 上で検討結果を共有し、レビュー結果をコメントとしてマップ上に表示