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GIS 基礎解説

標準化と相互運用性

 

標準化とは

標準化とは、「標準を決めて資材・製品などの規格や種類を統一すること」[出典 1]と定義されています。標準化が進むことで得られる恩恵はたくさんあります。たとえば、日本製の家電製品のプラグは、国内であればどの地域の電源コンセントにも差し込むことができます。これはプラグとコンセントの形状の規格が標準化されていることによるものです。

GIS においても、標準化が進展することによって多くの恩恵をもたらします。GIS は 1960 年代から本格的な開発が始まり、現在に至っています。創成期に開発された GIS は、それぞれのシステムが固有の仕様で作られており、システムが入れ替わると情報の引き継ぎさえも困難でした。こうした事情を反映し、1980 年代以降、GIS が取り扱う地理情報 (Geographic Information) の規格を標準化し、ユーザーの利便性と相互運用性を高める努力が国際的に活発になりました。以下は、地理情報の標準規格を策定している代表的な団体であり、これらが密接に連携することで、国や地域を超えた GIS の構築と利用が可能となっています。

ISO/TC211 (Geographic information/Geomatics)

工業分野の国際的な標準を定めている ISO (国際標準化機構) のうち、特に地理情報の標準規格について検討する専門委員会です。この専門委員会 によって策定される ISO 19000 シリーズは、地理情報規格の国際標準となっています。

OGC (Open Geospatial Consortium)

国際的な GIS 業界の協議会として始まり、GIS の標準化に取り組んでいる非営利団体です。
ISO/TC211 とは、特に密接な連携が行われており、OGC が作成した標準規格が、ISO/TC211 を通して国際標準化されるケースも数多くあります。

国土地理院

日本国内の地理情報標準を官民一体で策定しています。ISO/TC211 とも連携し、国際標準に準拠した規格になっています。また膨大な地理情報標準の一部から実運用に即した規格 (地理情報標準プロファイル) も策定しています。

このような地理情報の標準規格を各システムが採用することで、相互運用性が高まり、GIS を利用するユーザーの利便性を向上させることができます。データ形式の標準規格の代表的な例として、ディジュール スタンダード (標準化団体によって定められた標準規格) である GML(Geography Markup Language)、KML(Keyhole Markup Language) や、デファクト スタンダード (事実上の標準規格) であるシェープファイル (Shapefile) などがあり、こうした標準規格を各システムが採用することで、GIS データの共有が容易になりました。最も単純な例を挙げれば「別々のソフトウェアで作成された GIS データをコピーして読み込み、1 つの GIS データにまとめた上で利用する」といった今日では当たり前のように行われているワークフローも標準化によって実現されたと言えます。

初期の GIS は一つのハードウエアで完結する「スタンドアロン環境」で動作していました。しかし GIS の利用が進むようになると、GIS のデータや機能をサーバーマシンで集中管理し、ネットワークを介して外部からのアクセスを可能にする GIS が構築されるようになりました。地理情報の標準規格はデータ形式に留まらず、クライアント/サーバー システムや Web システム への適応が求められるようなりました。

複雑で大規模な GIS の構築には、GIS の 2 次元地理データの標準規格である Simple Feature Access や、GIS データの Web 配信に関する標準規格の WMS(Web Map Service) やWFS(Web Feature Service) などを代表例とする、数多くの標準規格が必要になります。こうした標準規格に GIS が準拠することで、データやソフトウェアを持ち合わせていないユーザーでも Web ブラウザーから手軽に GIS を利用できるようなシステムを構築することも可能となりました。

Esri では、標準化の推進を重要な事業として捉えており、ISO/TC211 や OGC のメンバーとして積極的に標準規格の作成に携わると共に、ArcGIS の開発には徹底して標準規格を採用しています。

また、ESRIジャパンでは、ArcGIS の拡張機能という形で 「国内対応パック」を公開するなど、国内で広く使われる規格をサポートし、あらゆるシステムやデータとの高い親和性を実現しています。

出典 1. 「大辞林 第三版」(c)2006-2014 発行者:株式会社三省堂

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