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GIS 基礎解説

日本で使用される座標系

 

背景地図の上に所有している地図データを表示させようとしても正しい位置に表示されないといった経験はないでしょうか?これは、地図データの座標系がそれぞれ異なることが主な原因として考えられます。地図の座標系はデータが作成された地域や時期、利用目的などによって異なり、ArcGIS で利用可能な定義済みの座標系だけでも約 6.4000 個あります。測量法で定められている日本固有の座標系も時代によって変遷しています。ここでは、日本で採用されている日本固有の座標系と、その他日本でよく使用される座標系について地理座標系と投影座標系に分けて紹介します(地理座標系と投影座標系の違いについては、こちらをご参照ください)。

日本固有の地理座標系

日本測地系

明治時代に日本全国の地形図を作成するために整備された測量の基準点網をもとに構築された測地系で、2002 年 3 月まで日本の測地系として採用されていました。準拠楕円体としてベッセル楕円体を採用しています。

日本測地系 2000

測量技術の向上やこれまでの地殻変動の歪みなどを考慮し構築された日本の測地系で、2002 年 4 月から採用されました。世界測地系とも呼ばれ、世界的に多くの国で使用されている GRS 80 を準拠楕円体として採用しています。準拠楕円体の違いや地殻変動による歪みなどから日本測地系と日本測地系 2000 では座標値のずれがあります。距離でいえば東京付近で約 450m のずれがあります。冒頭に記述した所有データと背景図と重ならない際のずれの距離がこの程度であれば、日本測地系と世界測地系の違いによるずれが原因かもしれません。


日本測地系と世界測地系の違い(出典:国土地理院)

日本測地系 2011

「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」による大きな地殻変動が観測された東日本(北海道を除く)や北陸地方の測量成果に基づいて構築された日本の測地系で、2011 年 10 月から採用されています。

その他日本でよく使用される地理座標系

WGS 84

米国で採用されている世界測地系で、 GPS の運用に使用されています。

日本固有の投影座標系

平面直角座標系

日本の公共測量で採用されている座標系で、国土地理院刊行の「1/2,500 国土基本図」や「1/5,000 国土基本図」、「1/10,000 地形図」など、大縮尺地図で利用されています。投影法はガウス クリューゲル図法(「横メルカトル図法」とも呼ばれる)を採用し、楕円体面を平面に投影することによる歪みを小さくするために、日本全国を 19 の地域に分割してそれぞれに座標原点を設けています。座標原点から東西 130km が各座標系の適用範囲です。
投影座標系は地理座標系の定義を包含していますが、平面直角座標系で定義される地理座標系には、日本測地系、日本測地系 2000、日本測地系 2011 があります。

その他日本でよく使用される投影座標系

UTM 座標系

全世界を経度 6 度ごとのゾーンに分けて東回りに番号を付けて規格化したもので、世界的にも大・中縮尺の図法として採用され、日本では国土地理院の地形図や地勢図で採用されています。UTM は Universal Transverse Mercator(ユニバーサル横メルカトル)の略称で、その名前のとおり投影法はユニバーサル横メルカトル図法を採用しています。
日本で主に使用される UTM 座標系で定義されている地理座標系には、日本の測地系以外に WGS 84 があります。


平面直角座標系と UTM 座標系の対象地域

Web メルカトル座標系

主要な Web マップ サービスで使用されている座標系です。投影法はメルカトル図法を採用していますが、地球の形状を楕円体ではなく球体と定義して投影をします。球体の半径は、WGS 1984 楕円体の長半径の長さと同じです。

座標系に関する注意点

ここまで紹介してきたようにさまざまな座標系が存在しますが、異なる座標系のデータを同じ地図上に表示させようとすると、冒頭にあるような所有データと背景地図が重ならないといった場面に出くわす場合があります。ArcGIS では、異なる座標系のデータであっても、リアルタイムで投影変換することで同じ座標系に統合して地図上に重ね合わせて表示することができます。ただし、データの座標系の定義が設定されていなかったり誤っていたりすると正しく表示できない場合があります。このようなことがないように、ダウンロードしてきたデータやご自身が所有するデータがどのような座標系で作成されているかきちんと把握し、正しい座標系を定義するようにしましょう。

 

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