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我が国においてビジネスを継続させるためには、災害リスクに対して事前に対策を練っておくことが不可欠です。GISを活用して自社が有する位置情報と災害シミュレーションデータとを重ねることで、どこでどの規模の災害が起きたらどんな影響(被害)を受けるかシミュレーションすることができ、ビジネス継続のための事前プランニングに大きく役立ちます。
拠点情報や従業員情報、サプライヤ情報等の自社データ、災害に関するオープンデータ等をそれぞれ単独で取り扱っていても、得られる情報は限られています。そこで、それぞれの「位置情報」をキーにしてこれらのデータを統合し、特定の災害が発生した際に自社が受ける被害を想定することができます。
例えば下の図では、自社拠点と首都直下型地震が起きた際の液状化被害想定とを重ねています。さらに地図には、各拠点に勤務している従業員の人数や通勤経路、部品や納品物の運搬経路、工場の生産能力等のデータを落とすこともできます。これらも含めて分析すれば、運搬経路の変更に伴う部品の調達や製品流通の遅れ、部品不足や設備不良により生じる生産数の減少具合、管理職の被災から起こり得る意思決定の遅れなど、より具体的に自社の被害をシミュレーションすることができます。
首都直下地震の被害想定(液状化/都心南部)と自社拠点を重ねているまた生産能力に限らず、販売店舗が被災することによって受ける影響を量ることも重要です。被害を受ける店舗を抽出し各店舗の売り上げ予想値を集計することで、業績に直結するダメージを算出することができます。
台風の進路予測から、暴風域に含まれる営業所や店舗、売上合計値等を抽出このように、「位置情報」に基づいて様々なデータを統合することで、単純に想定震度や想定浸水域のデータを見ただけでは分からなかった「自社が受ける被害想定」を可視化することができます。