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総描(そうびょう)とは地図表現の一種で、建物を省いて街区のみにしたり、複数車線を持つ道路を単線にしたりといったように、地図に表示する情報を簡略化することを言います。
GIS に限らず、インタラクティブな操作ができる地図においては、ユーザーが自由にズーム操作によって縮尺を変更できます。その際に、比較的小さい縮尺にすると背景の地図が簡略化されていくのを見たことがあるかと思います。ArcGIS の背景地図においても同様の表現が施されています。下の画像は左から右で縮尺が小さくなっています。小さい縮尺の地図では建物の表示が消え、道路線の表現も幅を持たない単線になっているのがわかります。
冒頭でも例に挙げた、建物を省略して街区のみを表示するというのは代表的な総描の手法です。また、GIS では地図データを表示する際に、縮尺ごとに表現を変えたり、データの表示/非表示を制御したりすることが一般的に行われています。
たとえば、上図のような背景地図の場合、地図を見る人が位置を容易に特定できるよう、現実世界に存在する多様な情報を表示する必要があります。地図表示を上手に簡易化することで、小縮尺でも必要な情報を無駄なく伝えるための地図デザインが可能になります。
また、データ自体を簡易化することも総描における一般的なテクニックです。建物が複雑な形状の場合は、これを単純化することで、地図全体の見通しがよくなります。先に紹介したような表示/非表示による間引きの例と組み合わせて採用することで、縮尺の変化に合わせた表現が可能になります。
ジェネラライズとは総描のことです。ArcGIS にはここまで紹介してきた簡易化のための地図表現を行うためのツールとしてジェネラライズ ツールセットを提供しています。これらの機能は先に挙げた小縮尺用データの表現に適した簡易化をデータに対して施します。