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第14回 GISコミュニティフォーラム

開催レポート

第 14 回 GISコミュニティフォーラムは、2018 年(平成 30 年) 5 月 24 日(木)~ 25 日(金)に、東京ミッドタウン(東京都港区・六本木)にて開催されました。前日の 23 日(水)には同会場でプレフォーラム・セミナーも開催されました。期間中は、2,500 名を超える皆様にご来場いただきました。ご来場いただいた皆様、ご出展やご発表等で開催にご協力いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。 第 14 回 GISコミュニティフォーラムの各プログラムを、写真とともに振り返ります。

基調講演

基調講演は、5 月 24 日(木)及び 25 日(金)の両日開催されました。5 月 24 日(木)は、冒頭で弊社社長正木及び ESRIジャパンユーザ会会長の福井 弘道 教授が挨拶し、続いて、米国 Esri 社 ユーティリティー担当ディレクター Bill Meehan (ビル ミーハン) 氏が講演されました。最後に、東京大学 名誉教授 月尾 嘉男 氏が講演いたしました。5 月 25 日(金)は、北海道大学 大学院 農学研究院 教授 中村 太士 氏、公立はこだて未来大学 副理事長 松原 仁 氏が講演されました。

『ArcGIS プラットフォームとデジタルトランスフォーメーション』
Esri 社 ユーティリティー担当ディレクター
Bill Meehan (ビル・ミーハン) 氏

『ArcGIS プラットフォームとデジタルトランスフォーメーション』米国 Esri 社 ユーティリティー担当ディレクター Bill Meehan (ビル・ミーハン)まず初めに、米国 Esri 社 社長ジャック・デジャモンドがビデオレターを通じて来場者への謝辞や、GIS を取り巻く環境の変化、ArcGIS のプラットフォームとしての発展について述べました。
 次に Esri 社 ユーティリティー担当ディレクター ビル・ミーハンが標題「 ArcGIS プラットフォームとデジタルトランスフォーメーション」について講演を行いました。
 冒頭で、デジタルトランジションとデジタルトランスフォーメーションの違いについて説明しています。例えば、カセットから CD への移行は、扱うメディアは変わっているが人々の行動は変わっていないため、「デジタルトランジション」です。一方で、近年主流となってきている、メディアを購入せずストリーミングで音楽を聴くことができる音楽配信サービスは、人々の行動までも変えた「デジタルトランスフォーメーション」です。すなわち、デジタルトランスフォーメーションは新しいテクノロジーを伴い、人の行動を変え、ビジネスやマーケットの在り方を変えてしまうことを指します。
 組織におけるデジタルトランスフォーメーションには、次の 3 つのことが必要です。
 1 つ目は適切なテクノロジーを採用すること。2 つ目はワークフロー及びプロセスを徹底的に再考すること。3 つ目はビジネスモデルを見直し、必要であれば創造的破壊を行うこと。組織におけるデジタルトランスフォーメーションを容易にする主要技術の 1 つは、GIS、特に ArcGIS プラットフォームです。
 具体例として電力会社を例にあげています。電力会社では多くの最新の技術が使われており、GIS も使われているにもかかわらず、情報共有は印刷した紙を壁に貼るという非効率的な方法がとられていました。そこで、ArcGIS プラットフォームを用いることで、電力会社の旧態依然とした状況を変え、情報共有の効率化や今まで気づかなかった新しい洞察・発見をすることが可能になることを説明しています。
 本講演を通じてビル・ミーハンは、ビジネスにおける GIS の活用パターンを概説し、業務におけるワークフロー再考のための基盤を GIS を用いてどのように形成するか、ビジネスモデルを刷新する際に GIS がどのように役立つのかを示しました。

 


『ビッグデータ時代のカラクリ』
東京大学 名誉教授
月尾 嘉男 氏

『ビッグデータ時代のカラクリ』東京大学 名誉教授 月尾 嘉男 氏月尾氏の講演では、ビッグデータや IoT、AI 等の技術の急速な発達により、私たちがこれから体験するであろう新しい世界とその裏返しである危険性について、さまざまな実例をあげて説明がされました。
 例えば町中に設置された膨大な数の監視カメラの映像と、携帯端末の GPS 情報、そして Web での検索記録を組み合せれば、ある人が今どこにいて、これまでどこにいて、そして何を考えているのがわかってしまうという世界が始まっています。またロボットや人工知能の発達により、人間不要社会、機械支配社会が徐々に進んでいます。また 2045 年に起こると言われている人間の知能を人工知能が追い越すというシンギュラリティーの問題も取り上げ、少しずつ見えてきた「嫌な未来」の例を挙げました。
 そんな未来が来てしまった要因を月尾氏は 5 つ挙げました。
・通信手段の革命:インターネットの急成長
・処理技術の飛躍:量子コンピューター登場による演算速度の飛躍的増加
・センサーの浸透:安価な超小型センサーの登場
・人工知能の躍進:人間の能力を超えた情報処理能力
・ロボットの発達:ロボットによる人間との代替
 IoT やビッグデータの背景として、人と人との通信よりもモノとモノの通信量が膨大に増えてきており、2020 年にはゼッタ( 10 の 21 乗)バイトの情報量の世界がやってくると言われています。そしてこれだけの量の情報を人間が扱うことは不可能なため、情報システムや AI を使うという方向に進んでいると説明しました。
 講演の後半でも、IT スピーカーによる盗聴やクレジットカード行動記録によるプロファイリングなど、技術革新の裏面のさまざまな例が紹介されました。
 最後に、ディズニー映画の短編で、まだ未熟な魔法使いの弟子が、楽をするために魔法でほうきに水汲みをさせたが、やめさせる魔法を知らなかったためほうきの暴走を止めることができず、水が溢れて手に負えなくなってしまったという逸話に触れ、ビッグデータや IoT などの技術革新は役に立つけれど、裏の面も考えて気を付けて使ってくださいという言葉で講演を締めくくりました。

 


『人口減少・気候変動をどう乗り切るか:グリーンインフラ』
北海道大学 大学院
農学研究院 教授
中村 太士 氏

『人口減少・気候変動をどう乗り切るか:グリーンインフラ』北海道大学 大学院 農学研究院 教授 中村 太士 氏冒頭、グリーンインフラは自然環境が元々持つ生物多様性や防災・減災などの多面的な機能を生活や産業などに活用していくものだと説明し、これからは対立的に考えられがちなダムや公園といった人工的な施設であるグレーインフラと融合していくことが求められていると述べました。また、グリーンインフラは、SDGs のような世界が直面している課題にも深く関係しており、温暖化や資源といった直接的な問題から、間接的には社会や経済の問題にも繋がっていると説明しました。
 日本におけるグリーンインフラの変化を見てみると、半世紀以上前に人口増加や工業化の影響で失われかけた山林や海岸線などの自然環境は、ダムを始めとするグレーインフラを頼ることで近年回復していると説明しました。しかし、適切な維持管理がなされないグリーンインフラは、本来持つ減災機能が弱まり、土砂崩れにより大量の木々が河川へ流れ込むなど、被害を拡大させる状況を新たに生んでいると述べました。このような状況を考慮し、今後の防災計画には、グリーンインフラとグレーインフラを融合させ、防災機能を高めることで、災害時の被害を最小限に抑える取り組みが必要であると強調しました。
 最後に、公共性が高いグリーンインフラの機能を維持するには、適切な管理のためのコストが必要となるが、税金を使わずに実現することが可能だと述べました。その事例として、米国サクラメント市の Yolo Bypass Wildlife Area では、洪水時の緩衝用として区画した土地を、平時には家畜の放牧や水鳥のハンティング地区に指定することで新たな産業を生む土台となっていると紹介しました。このように自然環境が持つ機能や魅力を地域の生活や産業に結び付けていくことが、これからのグリーンインフラの姿であると結びました。

 


『人工知能はわたしたちの生活をどう変えるのか』
公立はこだて未来大学
副理事長
松原 仁 氏

『人工知能はわたしたちの生活をどう変えるのか』 公立はこだて未来大学 副理事長 松原 仁 氏冒頭で、近年話題になっている人工知能は 1956 年頃から研究分野として確立されているが、人工知能の定義は研究者によって異るので明確な定義が存在しないと述べました。また、人工知能は人間の様な知能を持つことを目標として研究が進められているが、人間の知能には言葉を喋る・耳から聞いた話を理解するなど沢山の要素があり、人工知能にとってどの要素が最も大事かは研究者によって考え方が異なると述べました。
 世の中で使われている人工知能の例として、災害の被害想定シミュレーションを紹介しました。GIS データを使用して災害の被害想定シミュレーションを何万回、何十万回と繰り返し、被害状況の数値を統計的に算出することで、精度の高い結果を自治体の都市計画などに役立てることができると説明しました。
 次に、今後の人工知能と人間のかかわりについて将棋や囲碁の分野を例として取り上げました。ルールが明確で解の範囲が限定されている将棋や囲碁の分野は、人工知能が名人を超えるほど強くなりましたが、一方ルールが不明確で解の範囲が非限定的な実問題は人間の方が得意としており、人工知能はまだ追いついていないと述べました。また、人工知能は算出した結果の裏付けを人間が理解できるように説明する能力が伴っていないことが、人工知能の欠点の一つであると述べました。
 まとめでは、人工知能に対する懸念と今後について言及しました。松原氏は人工知能が人間の仕事を奪っていく、人間を滅ぼすといった懸念は実際には起こらないと考えており、むしろ人間と人工知能はそれぞれ得意な分野で発展していくのではないかと述べました。また、人間が賢くなった人工知能を仲間として認識するのにはある程度の時間が必要であると結びました。

 

各種発表

『ArcGIS で広がる新たな地理空間情報活用の可能性』
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
衛星利用運用センター
主幹研究開発員 宮崎 景太 氏
研究開発員 井上 一宇 氏
ESRIジャパン スタッフ

GIS を取り巻く技術の進化への対応した ArcGIS による地理空間情報の活用について「 IoT/ ビッグデータ」、「 3D 」、「画像」の 3 つのテーマでデモンストレーションを交えて紹介しました。
 IoT/ ビッグデータのテーマでは、IoT データのリアルタイム処理やビッグデータ分析の活用例について、3D のテーマでは、点群データを利用したデータ作成・解析と AR を利用したモバイルアプリなどについて紹介しました。
画像のテーマでは、ドローンで撮影された画像の活用について紹介後、JAXA の宮崎様、井上様から、「だいち2号」等衛星を活用した防災利用実証における GIS の活用と連携について紹介いただきました。
 さらに、ArcGIS の今後の方向性として、AI と連携した空間解析やインドアマッピングへの対応について紹介するなど、ArcGIS を利用することで地理空間情報を包括的に活用でき、さまざまなメリット(合理的かつ速やかな意思決定、事象や変化への迅速な対応、円滑なコミュニケーション、業務の効率化/コストの削減)が得られることをわかりやすいかたちで提示しました。

 

事例発表

地方自治体、大学、研究機関、そして民間企業まで、様々な業種・分野から ArcGIS 製品を利用した事例の発表が行われました。IoT、ビッグデータ、BI、AI、衛星画像、3D などの最新技術を取り入れた発表も注目を集めました。分野をまたがって聴講されるお客様も多く、GIS の実社会での活用方法への関心の高まりを感じました。

 

テクニカルセッション、プレフォーラム・セミナー

Esri 製品の最新情報や技術情報をお伝えするテクニカルセッションは、GISコミュニティフォーラム前日に開催のプレフォーラム・セミナーに 24 セッション、フォーラム当日に 18 セッションの計 42 セッションが行われました。
 プレフォーラム・セミナーでは、GIS の統合プラットフォーム「ArcGIS」を構成する各製品、データ コンテンツ製品、開発者向け製品の具体的な活用法から、座標系や地図注記といった GIS に必須の知識に関する内容まで幅広くご紹介し、約 600 名のお客様にご参加いただきました。また、フォーラムでは、ビッグデータ&リアルタイム、3D、イメージ技術といった今一番ホットな話題のセッションがあり、ArcGIS プラットフォームが
多様なお客様のニーズにお応えできることを実際の活用事例とともにご紹介しました。

 

建設・土木・測量ソリューションセッション

本セッションでは、建設・土木・測量業様向けに、ArcGIS統合プラットフォームの利活用を鹿島建設の永田様と西日本高速道路エンジニアリング九州の東様より、実際の活用事例を交えて講演いただきました。
 後半には、「Autodesk & Esri連携 最新情報」と題して、オートデスクジャパン井上氏から、InfraWorks と ArcGIS Online におけるデータ連携のモンストレーションをご紹介いただきました。
 最後にESRIジャパン望月から現地調査アプリケーション Survey123 を紹介させていただきました。
 GIS 業務の新たな展開をご模索中の参加者にとっては大変有意義なセッションとなりました。

 

教育 GIS セッション

本セッションでは、「地域社会」「地域活動」への貢献をテーマとし、広島大学 田中氏、北海学園大学 浅妻氏・大貝氏、兵庫県立尼崎小田高等学校 福田氏・難波氏、兵庫県立大学大学院生 折橋氏、堀氏よりそれぞれご発表頂きました。後半には、兵庫県立大学 浦川氏をコーディネーターとしパネルディスカッションを行いました。NPO 法人プラスアーツのまちづくりより、地域活動を支援する際に大切にしている「土の人(根を張り活動する)・風の人(その土地に種を運び刺激を与える)・水の人(種に水を与える中間支援的存在)」から、土の役割は高校、風・水の役割は大学が担うことができるとし、GIS を継続的にかつ根付かせるために各役割の中で何をすべきか、議論しました。田中氏からは、風・水・土として連携した際に、大学は水の人としての要求が多く、物事を考え、解析するのは大学が支援していくといったご意見や、大貝氏からは、地域として取り組むマンパワーが足りず、関係者の利害調整が出来る仕組みも必要である旨の意見が出ました。

 

農業セッション

農業 GIS セッションは今年で第 8 回目を迎えました。今年は「~農業 GIS の歩みと展望 ~」をテーマとして、東京大学 齋藤 元也 氏のコーディネートのもと、有識者の皆様にご講演頂きました。
 農環研のスプレイグ様は、明治時代の迅速測図から GIS データを作成していく事で、農業環境や土地利用の変遷をご紹介いただきました。続いて、ホクレン農業協同組合連合会の志賀様からは、北海道にて実際に農業分野で活用されてきたリモートセンシング技術がをお話いただきました。山口県の吾郷様は、(株)ニュージャパンナレッジの笠原様との共同発表にて、山口県長門市を舞台に、集落営農法人の育成にドローンを活用した技術事例だけでなく、農業就業人口の減少と高齢化の課題に対する効果的な取り組みをご紹介いただきました。
 新しい有用なサービスも誕生しています。(株)アクセルスペース様からは日本発の小型衛星ベンチャー企業として、小型衛星による地球観測網の展望をご紹介頂きました。(株)ハレックス様からは、総合気象情報会社の知見と IT 技術を融合した「HalexDream!」をご紹介頂きました。
 各ご発表はどれも分かりやすく、200 名を超す参加者の方も真剣にメモを取られている様子が印象的でした。

 

森林GISセッション

今年で第 8 回目となります森林セッションでは、「森林 GIS を巡る最近の動き」と題して様々な立場の方にご発表いただきました。
 九州地理情報(株)様には都道府県にて森林 GIS をクラウドシステム化して導入するご支援を行われた事例についてお話しいただきました。
 福岡県農林業総合試験場様では、スギ等いわゆる針葉樹の分布地点の「地位」という、林地生産力を推定する活動について GIS を用いた手法をご紹介いただきました。
 一方森林総合研究所様には、広葉樹の分布地点の「地位」算出を地形要因から解析する研究内容をご発表いただきました。
 また信州大学様より風倒被害等に代表される森林風害研究内容について、日本森林技術協会様からは日本全国規模での調査に基づく「森林生態系多様性基礎調査」データについてご紹介いただきました。
 最後に ESRIジャパンから森林業務に利用可能なソリューションのご紹介をいたしました。
 実際のセッションでは、コーディネーターの森林豪壮研究所 鹿又様の進行で、各内容について皆様から積極的にご質問もいただきつつも、きっちり時間を守った開催ができました。

 

【自治体】今すぐ始めるオープンデータ

本セッションでは、地方公共団体におけるオープンデータへの取り組みと ArcGIS を活用したオープンデータへの対応について、異なる立場からさまざまな話題を提供しました。
 まず政府の立場から内閣官房 菊地氏にご登壇いただき、オープンデータの現状と取り組みについてご説明いただきました。官民データ活用推進基本法 (平成 28 年施行) において、国および地方公共団体はオープンデータへの取り組みが義務化された中で、現在どの程度取り組みが実施されているかを数字で示すことで参加者に現状を理解していただきました。
 続いて自治体の立場から室蘭市 丸田氏および川口氏にご登壇いただき、室蘭市におけるオープンデータの取り組み状況や活用事例および効果などをご説明いただきました。室蘭市は ArcGIS を活用したオープンデータへの取り組みを早くから進めており、位置情報付きのオープンデータを公開すると活用が広がることを示していただきました。
 後半は ESRIジャパンからオープンデータ活用のための ArcGIS ソリューションを紹介しました。前述の室蘭市も採用しているオープンデータ公開ツールキットの ArcGIS Open Data や、行政と住民の協働による地域課題解決・目標達成のための双方向型プラットフォームである ArcGIS Hub とともに、内閣官房が推奨するデータセットをもとに作成したオープンデータカタログサイトを紹介することで、ESRIジャパンがオープンデータに積極的に取り組んでいくことを示しました。

 

【自治体】失敗しない GIS

「失敗しない GIS ~成功の秘訣~」をテーマとした 55 分間のセッションに約 150 名に参加いただきました。発表者は一般社団法人 G-motty の構成員 3 組織 5 名。G-motty の 3 つの活動 ① 自治体業務(平時・災害時)における GIS の有効活用、② 住民や地元大学、高校と連携した地域らしさのアピール、③ 大学での専門分野等から、今年は ① を中心に以下のタイトルでノウハウ・事例が発表されました。
・兵庫県立大学浦川准教授「自治体における失敗しない GIS ~成功の秘訣~ セッションの意義」
・北九州市 塩田氏「ROI を意識した GIS 普及の秘訣とは・・・」
・北九州市 友澤氏、長船氏「技術系部署(建設局)における業務への GIS 導入とその効果」
・香春町 日隈氏、松本氏「地域 GIO 会議を利活用した業務活用事例の移植について」
 セッション後には、「非常に参考になった」「感銘を受けた」等の参加者の声が聞かれました。当日の発表資料は、G-motty サイトで後日公開予定です( 6 月 6 日現在)。

 

危機管理 GIS セッション

本セッションでは、「大規模イベント運営と有事の事業継続を乗切るためのヒント」をテーマに、二部構成にて海外事例と国内ユーザー事例の講演を行いました。
 前半では、米国 Esri 社危機管理 GIS 担当のクリス・ファウラーおよびケイト・レビーが「 Making Smart Communities Safer and More Resilient 」と題して、東京オリンピック・パラリンピック大会を踏まえ、海外の大規模イベントでの事例紹介を講演いたしました。続いて、「大規模イベントと CBRN 海外事例と地下鉄サリンを踏まえて」と題して、重松製作所の濵田氏から 1995 年に発生した地下鉄サリン事件から学ぶテロ対策及び CBRN 災害対策の重要性についてご講演いただきました。
後半では、「事業継続能力向上に向けた GIS 利活用の可能性」と題して、富士通総研の大谷氏から企業経営における BCP の重要性と防災訓練での GIS 活用事例についてご講演いただきました。さらに、レスキューナウの朝倉氏から同社の危機管理情報提供サービスの概要および ArcGIS との連携によるリアルタイムのハザード情報ポータルのプロトタイプについてご講演いただきました。
 本セッションには、中央省庁、自治体、研究機関から民間企業まで様々な業種・分野から約 100 名の方々にご参加いただき、危機管理 GIS への関心の高さが伺えました。危機管理においては、組織間の情報共有が重要な課題であり、ArcGIS プラットフォームの有効活用により、解決が図れることをご理解いただけたかと思います。さらには、2020 年に開催が迫る東京オリンピック・パラリンピック大会における安全の確保等において、ArcGIS プラットフォームの効果的な活用が期待されています。

 

防災 GIS セッション

今回の防災セッションでは、防災科学技術研究所様より講演者を募り事例発表形式で 5 人の方々にお話しいただきました。
 まず、総合防災情報センター長でいらっしゃいます臼田様からは防災情報の基盤的流通ネットワーク構築を目指した 「 SIP4D 」というプロジェクトの活動をお話しいただきました。次に地震津波防災研究部門の鈴木様からは、防災情報をサービスの形で多くのユーザー様にご提供する形を目指した「防災情報サービスプラットフォーム」の構築に関わる活動をご紹介いただきました。
 また社会防災システム研究部門の田口様からは災害時に統合的な防災情報の発信を可能とする「防災科研クライシスレスポンスサイト」のご紹介をいただきました。さらに雪氷防災研究センターの山下様からは「雪おろシグナルと詳細降雪情報提供システム」を用いた雪氷災害時の重要情報配信システムについてお話しいただきました。最後に、社会防災システム研究部門にご所属の鈴木様より過去 1600 年間の自然災害事例を参照可能な「災害年表マップ」システムについてご紹介いただきました。
 会場には、様々な機関から例年以上に多くのお客様にお越しいただき、防災における GIS の重要性とさらなる期待感が感じられました。

 

ドローン セッション

今回初の試みとしまして、ドローンを主体とするセッションを開催いたしました。
 ドローンユナイテッド(株) 田邉さま 前田さまより「ArcGIS を用いたドローンデータの利活用」と題して事例を発表いただき、(株)環境GIS研究所 荒谷さまより「ドローンを活用した風況診断技術による風車の適正管理」と題して事例を発表いただきました。最後に ESRIジャパンより「GIS におけるドローン画像の利活用」と題しまして、Drone2Map for ArcGIS の最新情報について紹介させていただきました。セッションには多くのお客様が参加され、講演後やセッション終了後も多くのご質問をいただき、アンケートにも「参考になった」というご回答が目立ちました。GIS のデータソースとしてドローンを活用することへの関心の高さを感じられました。

 

生物多様性・コンサベーションGISセッション

今回は、「自然環境保全のための GIS の活用」をテーマに、国・教育機関・公益財団法人から 5 名のご講演者様をお招きし、様々な視点から事例紹介をしていただきました。
 酪農学園大学 教授 金子氏の開会のあいさつに続き、WWFジャパンの市川氏からは「円滑な再エネの導入に向けたゾーニングの取組」と題してゾーニングの進め方について、コンサベーション・インターナショナル・ジャパンの名取氏からは「 GEF-Satoyama プロジェクトでの GIS 活用事例」としてコミュニティマッピングについて、青山学院大学の古橋氏からは「 OSMジャパンの取り組み」として OpenStreetMap や Mapillary についてご紹介頂きました。兵庫県立人と自然の博物館の三橋氏からは昨年話題となったヒアリについて「生物多様性情報を活用したヒアリの国内侵入リスクの評価」というタイトルでご発表頂きました。そしてコンサベーション GIS コンソーシアムの日野氏からは「コンサベーション GIS コンソーシアム( CGISJ ) の活動年次報告 2018 」として活動報告を行っていただきました。
 発表後のパネルディスカッションでは、環境省自然環境局生物多様性主流化室 室長 長田氏からコメントを頂いたほか、過去の情報のデータベース化、今後の活動などについて活発な討論が行われました。また、ESRIジャパンより「非営利活動法人向け GIS 利用支援プログラム」ついて紹介させて頂きました。セッションには多くのお客様が参加され、生物多様性や自然環境の保全への関心の高さがうかがえました。

 

 

 

各種展示、懇親会、体験セミナー

スポンサー展示

GISコミュニティフォーラム 2017 - スポンサー展示全 19 社による様々な ArcGIS 関連ソリューション、GIS データ等の紹介が行われました。参加者はそれぞれ興味のあるブースでの情報収集を行っておられました。

 

ESRIジャパン 製品展示

GISコミュニティフォーラム 2017 - ESRIジャパン 製品展示ESRIジャパンの ArcGIS プラットフォーム展示ブースでは、GIS の統合プラットフォーム「 ArcGIS 」を構成する各製品(ArcGIS OnlineArcGIS DesktopArcGIS EnterpriseArcGIS AppsArcGIS for DevelopersESRIジャパン データコンテンツ)を中心にご紹介しました。最新バージョン ArcGIS 10.6 と ArcGIS Pro 2.1 が翌月リリースされることもあり、新機能/新アプリケーションに興味を持たれた多くのお客様にお立ち寄りいただきました。今年は ArcGIS による「 3D 」、「ビッグデータ」、「イメージ」をテーマにした展示も行い、それぞれの活用や実現について、数多くご案内いたしました。また、ドローンで取得した画像から GIS データを生成するアプリ (Drone2Map for ArcGIS)、現地調査用アプリ (Collector for ArcGIS / Survey123 for ArcGIS)、新しい空間分析アプリ (Insights for ArcGIS) など、目的や用途に応じたさまざまなアプリ群 ArcGIS Apps に関心をお持ちのお客様も多くいらっしゃいました。

 

マップギャラリー

GISコミュニティフォーラム 2018 - マップギャラリーユーザーの方々が作成したマップ 33 作品を展示しました。今回は、1930 年から東京の人口増加がどの方角に進んだかを可視化した作品(皇學館大学)や、ふるさと納税が集まっている市町村を示した作品(筑波大学)をはじめ、犯罪や疾病を時空間で可視化した作品、自治体公式マスコットのモチーフを分析した作品、津波発生時の避難に関する脆弱性を示した作品をはじめ、GIS の多彩な表現方法を楽しめる、様々な題材の作品が集まりました。
今年の入賞作品は次の 5 作品です。

 

1位:「東京はどの方角に成長してきたか -1930 年以降の小地域統計からみた人口増加-
(皇學館大学 文学部コミュニケーション学科)
2位:「ふるさと納税の空間的競争
(筑波大学)
3位:「時空間ホットスポットを立体的に可視化する:時空間カーネル密度変換&視覚化ツール for ArcGIS Pro
(東北大学 環境科学研究科)
4位:「地域に幸せをもたらすものとは? ~自治体公式マスコットキャラクターのモチーフの分析から~
((株)地域環境計画)
5位:「尼崎小田高等学校地域防災・絆マップ
(兵庫県立大学 / 兵庫県立尼崎小田高等学校)

 

懇親会

GISコミュニティフォーラム 2017 - 懇親会(株)環境GIS研究所 荒屋 亮氏から開会のご挨拶と乾杯のご発声を賜り、賑やかに懇親会が始まりました。参加者は 300 人を超え、著名なユーザーの方から若いユーザーの方までが一堂に会し、会場は沸き立つ熱気と活気に満ち溢れ、GIS コミュニティ活性の歩みが確実に前進していることが感じられる場となりました。
恒例のマップギャラリー表彰式では、1 位から 5 位までの優秀作品が発表され、プレゼンターの米国 Esri 社 Bill Meehan(ビル・ミーハン)氏より、受賞者の方々へ賞品と副賞が授与されました。盛んに拍手が送られる中、受賞者の喜びの声もお聞きすることができました。

 

体験セミナー

GISコミュニティフォーラム 2017 - 体験セミナー今回は「はじめての方のための ArcGIS Pro 2D & 3D マップ体験講座 」と「ドラッグ & ドロップの簡単操作で行うデータの可視化・空間分析の体験講座 」の 2 つの体験セミナーを実施しました。ArcGIS Pro の特徴の 1 つでもある 2D マップと 3D マップの二画面表示や ArcGIS Online との親和性が高い ArcGIS Pro だからこそできる Web マップとしてのマップの共有など、また、直感的にデータの可視化・空間分析ができる新しい Web アプリ Insights for ArcGIS を体験していただきました。
 「実際に操作できて参考になった」「業務で使えそう」「使ってみたくなった」とのコメントを数多く頂戴し、実際の操作を通して ArcGIS Pro と Insights for ArcGIS の操作性の高さを実感していただけたものと思います。

 

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