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第12回 GISコミュニティフォーラム

開催レポート

第12回 GISコミュニティフォーラムは、5月26日(木)~ 27日(金)に、東京ミッドタウン(東京都港区・六本木)にて開催されました。前日の 25日(水)には同会場でプレフォーラム・セミナーも開催されました。期間中は、2,000名を超える皆様にご来場いただきました。ご来場いただいた皆様、ご出展やご発表等で開催にご協力いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。 第12回 GISコミュニティフォーラムの各プログラムを、写真とともに振り返ります。

基調講演

基調講演は、5月26日及び 27日の両日開催されました。5月26日は、冒頭で弊社社長正木及び ESRIジャパンユーザ会会長の福井 弘道 教授が挨拶し、続いて、野村総合研究所顧問、元総務大臣 増田 寛也 氏が講演されました。最後に、米国 Esri 社 コーポレートディレクター Dean Angelides(ディーン アンジェリディス)が講演いたしました。5月27日は、ソフトバンク株式会社 法人事業開発本部 事業戦略企画室長 荒木 健吉 氏、国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長 林 春男氏が講演されました。

『人口減少時代の処方箋』
野村総合研究所 顧問
東京大学 公共政策大学院 客員教授
元総務大臣
増田 寛也 氏

人口減少時代の処方箋 元総務大臣増田 寛也 氏冒頭では、団塊の世代が 75 歳を超えて後期高齢者となり国民の 3 人に 1 人が 65 歳以上となる、2025 年問題について解説しました。一言に超高齢化社会といっても一律に人口が減少していくのではなく、2020 年頃から人口が減っていき、「ある日突然、10-20 年前と比べて年齢構成が変わっている社会を迎える」という表現を用いてこれからの人口減少予測について述べました。
 この問題への対策として、これまで地域活性化、地方活性化などが謳われてきたが、もっと大きな構造変化に対して処方箋を描くことが必要だろうと述べました。その上で、1. 働き方の改革、2. 移民、事実婚のような家庭感、3. 社会資本ストックの有効活用、4. IoT や AI、ICT など生産性を向上させるイノベーションの利活用、の 4 つの改革を挙げました。
 出生数が増えるような社会を目指すための改革は伝統的な価値観に関わるデリケートな部分も含んでいるため、政府が踏み込んでいくことがなかなか難しいが、このなかでも 1.の働き方の改革は一番解決策につながっていくのではないか。具体的には、テレワークを全体で進め、子育て世代が夫の協力も可能な形で仕事と保育や介護を自宅で両立することができ、かつきちんとした成果を出すことができる働き方の改革を行なっていくことが大事である。2.で挙げた移民や事実婚といった家庭感を日本に入れていくことには賛否両論あるが、当面足りなくなってくる労働力や出生率に影響が出てくるため、議論の必要があるのではないかと述べました。
 3.の社会資本ストックの有効活用では、増加していく所有不明土地・空き家の問題を上げました。減っていく人口を背景に責任の所在が不明な土地・廃屋の増加は、犯罪や災害において懸念される。災害の少ないまちづくりや、自分のふるさとと東京といった多地域居住、二地域居住の促進について述べました。4.については、労働力人口の推計から AI やロボットで生産性を上げる重要性、可能性について述べました。これは、実質 GDP 成長率がマイナス成長となり完全に社会が破綻するという最悪のシナリオも視野にいれながら、人口の問題と生産性の問題はどちらも必ず解決しなければならないと述べました。
 最後に、限られた日本の国土・空間だけれどもこれからの豊かな生活・国土を作り上げていく上で地理情報が果たす役割は非常に大きいと思う。様々な具体例・実現例を多く皆が共有することがこの先の構想力そしてそれを実現するイノベーションにつながっていくと結びました。

 


『Web GIS による組織変革』
米国Esri社
コーポレートディレクター
Dean Angelides(ディーン アンジェリディス)

『Web GIS による組織変革』 米国Esri社 Dean Angelides(ディーン アンジェリディス)冒頭で、米国Esri社社長、ジャック・デンジャモンドからビデオレターによる挨拶がありました。GISコミュニティフォーラムの目的は皆さんのアイディアや考え方を共有することだと述べると共に、日本の様々な分野における GIS ユーザーの活動に深い謝辞を述べました。日本における GIS の使われ方に大きな変革が起こる大変素晴らしい時と言えると述べました。
 ビデオレターによる挨拶の後には米国Esri社コーポレートディレクター、ディーン・アンジェリディスがフォーラム開催の祝辞と、来場者に謝辞を述べました。本題に入ると、Web GIS はどんな業務においても強力なプラットフォームであり、これまでの GIS の考え方が変革されつつあり、GIS プロフェッショナルはこの新しい考え方を取り入れ始めていると述べました。Web GIS により様々な組織間で情報を共有することが可能となり、活用することで GIS を社会全体に普及でき、さらには新しい業務や仕事を作り出すこともできるだろうと述べました。
 ArcGIS は Web GIS の統合型 プラットフォームであり、デスクトップやウェブブラウザなどの全てのアプリケーションで共通のデータが利用可能になると述べました。ArcGIS プラットフォームのいくつかの新機能を紹介しました。3D のマッピングと地図表現の高機能なツールとして ArcGIS Earth を紹介しました。空間分析がウェブブラウザで利用できるようになったと述べました。図表と地図を連動して直感的に操作することができる Insight を分析アプリとして紹介しました。ドローンから 3D データを作るDrone2Map を米国でリリース予定であると述べました。今年の秋にはビッグデータ処理に最適な Geo Analytics を米国でリリースすると述べました。リアルタイムデータの可視化が GeoEvent Sever で可能になると述べました。GIS アプリを手軽に作成できる AppBuilder、最も利用者が多い ArcGIS for Desktop、Web GIS のインフラになる ArcGIS for Server、ソフトウェアのインストールが不要な ArcGIS Online を紹介し、全てが Web GIS として利用できると述べました。
 Web GIS を利用して組織変革を行った事例として、米国の通信会社 HTC の事例を紹介しました。Web GIS を利用することで業務を効率化するだけでなく顧客に最高のサービスを提供することができると紹介されました。最後に Esri社として GIS が普及し、日本の皆様にサービスを提供できることを非常に誇りに思っておりますと結びました。

 


『IoT/M2M がもたらす予測ビジネスと未来社会』
ソフトバンク株式会社
法人事業開発本部 事業戦略企画室長
荒木 健吉 氏

『IoT/M2M がもたらす予測ビジネスと未来社会』 ソフトバンク株式会社 荒木 健吉 氏「最も強い者が生き残るのではなく もっとも賢い者が残るのでもない 唯一生き残るのは進化できる者である」というダーウィンの格言の引用から始まった本講演では、まず年々右肩上がりに上昇しつづける国内の IoT/M2M モバイル回線数について紹介しました。
 M2M はモノとモノの通信、IoT はすべてのモノ、人、こと(天気、渋滞情報、駐車場の空き状況など)が通信することによって情報が組み合わさり価値を高めると述べ、さまざまな分野における M2M の活用実績、および M2T と IoT の融合による利用可能性を紹介しました。
 すべてがネットワークでつながる世界に向け、今後はスマートフォン向けにネットワークの高速化が進むと述べた一方、IoT 向けのネットワークの課題として、通信モジュール価格の値下げ、大幅な省電力、カバレッジ向上の三つを上げ、これらを実現することが、IoT の黎明期から成長期に向かう後押しをすると述べました。次に 2020 年の IoT 市場規模予測を紹介し、IoT を利用したサービスの将来性を強調しました。さらに IoT の用途別成長予測をカテゴリー別に紹介し、IoT のもたらす経済効果として、IoT 導入によるユーザー売り上げの拡大より、効率化等によるコスト削減効果がずば抜けて大きいと述べました。また、ソフトバンクが取り組んでいるデータを利用した未来予測サービスとして、インダストリアル インターネット(GE Predix)、コグニティブ コンピューティング(IBM WATSON)、クラウドベース サービスロボット(Softbank Pepper)の三つを挙げました。特に Pepper はクラウド AI の感情に Watson の知性を備えているため人の社会に入り込むことができるとし、接客のみならず介護施設など多方面で活躍が期待できると述べました。
 最後に、「リアルタイム、インタラクティブ、ソーシャル、アシスト、アドバイス、AI」という未来の IoT 技術のキーワードが紹介され、生活の全てに IoT と M2M が使われている未来社会を紹介し講演を締めくくりました。

 


『しなやかな社会を創る防災情報共有システムのかたち』
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
理事長
林 春男 氏

『しなやかな社会を創る防災情報共有システムのかたち』 防災科学技術研究所 林 春男 氏冒頭で大規模な災害や危機への対応では関係者間の状況認識の統一が基礎であると解説し、それを可能にするのは Web GIS であると述べました。
 近年では自然災害だけでなく、テロやサイバー攻撃など危機が多様化している中で、できるだけ被害を拡大させず、すみやかに復旧・復興を行うためのには、広く適用できる災害対応の枠組みを持って有事に備えることが必要であると述べました。災害対応における 3 つの重要な仕事としては、第 1 に何よりも先に何が起こっているかを把握し、関係者間で共有する状況認識の統一を図る事、第 2 に実際の危機対応・災害対応である「いのちを守る」「社会のフローの復旧」「社会のストックの再建」の活動、第 3 に災害対応や社会の再建の全体を見通して、適切に資源を割り振る業務マネージメントを行う事であると述べました。これらの災害対応のプロセスは阪神淡路大震災以降の大規模災害を経て、短縮化・効率化の研究が行われていると述べました。
 本講演の後半では、4 月中旬に発生した熊本地震での状況認識の統一において、地図が極めて有効であり GIS をフルに活用することが不可欠であったと述べました。熊本地震の発生後、防災科学技術研究所は全所的な対応することを決定し、さまざまな分析や取り組みを行っていると述べました。今回の震源域が中央構造線に広がる可能性に対する分析、震源域にある阿蘇山の火山活動の動向観測、南阿蘇村での大規模土砂災害のドローンを使った測量と今後の梅雨による土砂流動の分析を紹介しました。続いて、都市直下型の地震により多くの人や建物が被災したため、被災者の生活再建に必要となる被害情報の収集や罹災証明の発給などの取り組みを紹介しました。最後に、防災科学技術研究所が蓄積された震災に関する情報を関係者でどのように共有し、災害対応で活用しているかを紹介しました。熊本地震においては現在進行形で活動しており、今後も報告していくと結びました。


 

各種発表

事例発表

GISコミュニティフォーラム 2016 - 事例発表地方自治体、大学、研究機関、そして民間企業まで、様々な業種・分野から、ArcGIS 製品を利用した事例の発表が行われました。IoT、ビッグデータ、UAV、レーダー、3次元などの最新技術を取り入れた発表も注目を集めました。分野をまたがって聴講されるお客様も多く、GISの実社会での活用方法への関心の高まりを感じました。

 

テクニカルセッション、プレフォーラム・セミナー

GISコミュニティフォーラム 2016 - テクニカルセッション、プレフォーラム・セミナーEsri 製品の最新情報や技術情報をお伝えするテクニカルセッションは、GISコミュニティフォーラム前日開催のプレフォーラム・セミナーを含めて、計 46 セッションが行われました。
 プレフォーラム・セミナーでは、ArcGIS プラットフォームが提示する新しい GIS 形態である 「Web GIS」やアプリ開発、そして前回同様に ArcGIS Pro に焦点を当てた内容を中心にご紹介し、約 600 名のお客様にご参加いただきました。 また、フォーラムにおいては、初心者向けの内容を中心として、3D GIS、現地調査用アプリ、ドローン活用といったホットな話題のセッションがあり、ArcGISプラットフォームがどのような形でお客様それぞれのニーズに応えられるのかをお伝えできたと思います。

 

IoT・ビッグデータセッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - IoT・ビッグデータセッションIoT・ビッグデータセッション – Location Analysis in IoT and Big Data – では、今年のテーマとして IoT とビッグデータをキーワードに幅広い内容でご講演頂きました。早い時間帯での開催となりましたが、多くの方に来場頂き大盛況のセッションとなりました。前半には、株式会社コロプラの酒井様からは、「位置情報ビッグデータ分析最前線」と題して KDDI ×コロプラの取組みである位置情報ビッグデータ分析サービス「Location Trends」の最新事例をご講演頂きました。株式会社トヨタIT開発センターの長田様からは、「オープンデータとクルマビッグデータを組み合わせたデータ駆動イノベーション」と題してオープンデータとクルマビッグデータを組合せて活用した新しいサービスや事例をご講演頂きました。後半は、「インドア GIS 実証実験のご紹介」として ESRIジャパン株式会社、マルティスープ株式会社、クウジット株式会社の 3 社共同による本フォーラムの展示会場におけるインドア GIS 実証実験とそのテクノロジに関して講演を致しました。
 最後に ESRIジャパンより、Esri 製品のビッグデータに対する取り組みの最新情報としてビッグデータの活用や解析のデモや今後リリースの予定されているビッグデータ関連製品を紹介しました。セッション後は、インドア GIS 実証実験ブースへ立ち寄られデモを熱心にご覧になられる方も多くこの分野への関心の高さが伺えました。

 

第 6 回 農業 GIS セッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 第 6 回 農業 GIS セッション農業 GIS セッションでは、「GIS で攻めと守りの農業」をテーマとして、行政、研究、教育、そして民間企業から 4 名の発表者をお招きし、講演して頂きました。
 農研機構の栗田様からは、小型 UAV 空撮・GIS 解析を用いた農地情報の収集と活用について、宮城県古川農業試験場の櫻田様からは、津波被災農地における病害虫発生リスクの評価について、新潟大学の望月様からは、鳥獣害の防除を目的とした GIS の活用について、そしてデロイトトーマツコンサルティングの永井様からは、農業バリューチェーンにおける GIS 導入の事業性について、ご発表を頂きました。パネルディスカッションでは企画段階からご尽力頂いた東京工業大学の斉藤元他 教授のファシリテートで活発な意見交換が行われました。本会の発表やご意見を含め、農業における GIS のニーズを共有することができました。

 

第 6 回 森林 GIS セッション

今年で 6 回目となる森林 GIS セッションでは、「国産材時代における森林 GIS の役割」と題して、林業界において最前線で活躍されている方々から、事例のご発表を頂きました。一般社団法人 滋賀県造林公社の神前様からは、GIS を活用した公社営林地伐採計画の作成について、岐阜県森林組合連合会の廣田様からは、ArcGIS Online を基盤とした収穫調査と原木在庫管理の効率化について、長野県林業総合センターの戸田様からは、CS 立体図の開発と森林路網計画における GIS の活用について、ご発表を頂きました。
 また、発表後の意見交換の時間では、本セッションのコーディネータを勤めて頂きました森林総合研究所の鹿又様のファシリテーションもあり活発な意見交換が行われ、林業における新たなコンテンツ、そしてクラウド GIS の活用において、有意義な情報共有ができました。

 

オープンデータ × ビジュアライゼーションワークショップ

GISコミュニティフォーラム 2016 - オープンデータ × ビジュアライゼーションワークショップオープンデータセッションでは、「オープンデータ × ビジュアライゼーションワークショップ ~ 1 時間で!? アプリ作成にチャレンジ~」と題して、参加型のワークショップを開催しました。ワークショップでは、オープンデータを利用したデータビジュアライゼーション(可視化)をテーマに、1 時間という非常に限られた時間でさまざまな Web マップや Web アプリを作成していただきました。
 当日は、次の製品やデータカタログサイトを利用してマップを作成していただきました。
ArcGIS for Developers(ArcGIS の開発者向けプログラムの無償プラン)
ArcGIS Online(Web マップや Web アプリの作成基盤)
ESRIジャパン オープンデータポータル(ESRIジャパンが運用するオープンデータのカタログサイト)
 参加された皆さまからは、ArcGIS Online を用いたデータビジュアライゼーションが簡単であるとの声を頂戴するとともに、オープンデータのような、手軽にアクセスして利用できる地理空間情報への関心の高さが伺えるセッションとなりました。

 

生物多様性・コンサベーション GIS セッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 生物多様性・コンサベーション GIS セッション生物多様性・コンサベーション GIS セッション今年も例年同様、国・教育機関・公益財団法人から 9 名のご講演者様をお招きし、オープンデータの活用と課題、また環境調査での GIS の活用事例等を紹介していただきました。発表後のパネルディスカッションでも自然環境保全におけるデータの収集や地図化に関して様々なご意見をいただきました。セッションには多くのお客様が参加され、生物多様性や自然環境の保全への関心の高さがうかがえました。

 

教育 GIS セッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 教育 GIS セッション今年の教育 GIS セッションでは「地域情報」をキーワードにまち(自治体)・ひと(人材育成)・しごと(企業)でどのように連携し各地域の抱える課題を解決できるのかについて発表させて頂きました。3 名の方(兵庫県立大学 浦川氏、徳島大学 塚本氏、専修大学 佐藤氏)に地域情報を共有し有効活用した事例や地域情報を GIS データ化し共有することの有効性について発表いただきました。また、米国で取り入れられている GIS プロフェッショナルと GIS を学びたい人を繋げる「Geomentor制度」について ESRIジャパンより紹介させて頂きました。Geomentor 制度については教育機関や自治体からの反響も多く、今後日本での実現化を進める予定です。

 

防災 GIS セッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 防災 GIS セッション熊本地震発生から約1ヶ月という事で、今年の防災 GIS セッションは多くの参加者の関心を集め、会場となったホールAは開演前から満席となりました。最初の講演は、ESRIジャパン社員による「気象サービスによるタイムライン防災」です。ArcGIS ユーザー用に無償で提供される予定のリアルタイム気象サービスとその活用事例が紹介されました。続いての講演は、防災科学技術研究所の鈴木進吾先生による「被害推定シミュレーションサービスのご紹介」です。震源の位置やマグニチュードを Web マップ上で対話的にセットするだけで、各地の震度分野や建物倒壊推定、人的被害やライフライン被害まで、様々な被害が過去のモデルを基にシミュレーションされ被害推定としてマップや帳票として出力される非常に優れたサービスが紹介されました。3 つ目の講演は、狭域防災情報サービス協議会 須藤三十三理事長による「被災状況マップサービスのご紹介および熊本地震速報」です。災害発生時に災害前後の画像と建物データを重ねた Web マップ上で、スワイプと呼ばれる技術で前後画像の比較ができる当協議会のサービスは、多くの災害関係者の高い関心を集めていました。最後の講演は ESRIジャパンによる「被災者生活再建支援システムのご紹介および熊本地震速報」です。発災直後より熊本県下 15 の市町村で活用されている被災者生活再建支援システムについての現地からの速報が報告されました。

 

保健医療のための GIS セッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 保健医療のための GIS セッション保健医療のための GIS セッションは、立命館大学 文学部 中谷教授、熊本大学 文学部 米島准教授より発表頂きました。中谷教授からは、「健康な街と不健康な街」と題して住環境(近隣地区)間に見られる健康格差を、GIS を使って見える化し、早期がんと貧困な地域の関係やどのような街のタイプが健康的なのかデータと空間的手法を使って紹介されました。
 一方、米島准教授は、「地理空間情報を用いたデング熱・ジカ熱の流行リスクマップ」と題して、蚊の生態から発生する環境までを考慮し、リスク評価に関する統計モデルを作成し蚊媒体・媒体介性感染症に関するリスクマップに関する研究の事例を紹介されました。

 

建設コンサルタント向けセッション

GISコミュニティフォーラム 2016 - 建設コンサルタント向けセッション建設コンサルタント向けセッションでは、 コンサルタント業務における ArcGIS の活用事例を 3 名のユーザー様にご講演いただきました。まず、青葉緑化工業株式会社 小林様より、 Portal for ArcGISCollector for ArcGIS を活用した鉄道林の保守管理業務について、次に、西日本高速道路エンジニヤリング九州株式会社 東様より、 ArcGIS Runtime を活用した現地調査ツールのご紹介を、最後に八千代エンジニヤリング株式会社 藤井様より GIS 普及による業務の効率化/高度化および、今後の GIS における展望をご講演いただきました。現地調査をご検討中の方や、GIS業務の新たな展開をご模索中の参加者にとっては大変有意義なセッションとなりました。

 

 

各種展示、懇親会、体験セミナー

スポンサー展示

GISコミュニティフォーラム 2016 - スポンサー展示全 22 社による様々な GIS ソリューション、GIS コンテンツ及び周辺機器の紹介が行われました。参加者はそれぞれ興味のあるブースでの情報収集を行っておられました。

 

ESRIジャパン 製品展示

GISコミュニティフォーラム 2016 - ESRIジャパン 製品展示ESRIジャパンの ArcGIS プラットフォーム展示ブースでは、GIS の統合プラットフォーム「ArcGIS」を構成する各製品(ArcGIS OnlineArcGIS for DesktopArcGIS for ServerArcGIS AppsArcGIS for DevelopersArcGIS データコレクション)を中心にご紹介しました。今年は特に、画像と 3D については製品の垣根を越えた展示ブースを個別に設けました。6 月に次期バージョン 10.4 のリリースを控えた ArcGIS 等のソフトウェア製品はもちろんですが、ドローンやバーチャル リアリティ、自作のセンサーによるリアルタイム GIS や現地調査ソリューションなど、ESRIジャパンの技術者が工夫を凝らした展示にも注目が集まりました。展示会場に設けられたステージでのデモも盛況で、Drone2Map for ArcGIS や Survey123 for ArcGIS など次世代のアプリケーションに人だかりができ、期待の大きさがうかがわれました。

 

ESRIジャパン ソリューション展示

GISコミュニティフォーラム 2016 - ESRIジャパン ソリューション展示自治体、教育、防衛、中央省庁、ビジネス、オープンデータ、地域情報発信、インドアGISの各業種・テーマに特化したソリューションと最新テクノロジを紹介する展示が行われました。各ブースとも参加者が熱心にデモを見ながら説明を聞き、活発な質疑応答が終日行われました。

 

インドア GIS

GISコミュニティフォーラム 2016 - インドア GISインドア GISブースでは、マルティスープ株式会社の iField indoor とクウジット株式会社の DF.sensor を ArcGIS と連携させることで、スタッフの詳細な位置や会場内の賑わいの変化をリアルタイムに可視化した様子を紹介しました。訪れたお客様は、スタッフごとの動きの違いや時間の経過に伴う会場内の賑わいの変化を興味深くご覧になっていました。また、工場や医療現場、イベント会場などでの活用をイメージされるお客様もいらっしゃいました。

 

ArcGIS ご相談コーナー

GISコミュニティフォーラム 2016 - ArcGIS ご相談コーナー展示会場内において、ArcGIS 全般に関するご相談を受け付けるコーナーを設置したしました。
『現地調査において ArcGIS Pro や Collector for ArcGIS をどのように使えばよいのか?』『プラットフォームとして利用するには ArcGIS Online を含めどのような製品構成にすればよいのか?』『新たなアプリケーションの Drone2Map for ArcGIS や Survey123 for ArcGIS などはどのようなものなのか?』など多岐にわたりご相談をいただきました。また、ArcGIS を活用したアイデアや発見などもお聞きすることができました。

 

マップギャラリー

GISコミュニティフォーラム 2016 - マップギャラリーマップギャラリーでは、ユーザーの方々が作成したマップ 33 作品を展示しました。今回は、交通事故死者等の統計をナンバプレートの地域ごとにまとめた「○○ナンバーに気をつけて!? ナンバープレート地域別 交通死亡事故件数の可視化」(株式会社 東京地図研究社様 作成)や、日本に大小の影響を与え得る様々な安全保障上の現象を表現した「日本を取り巻く安全保障環境」(ジオカタログ 株式会社様 作成)を始め、歴史、災害、自然・環境、社会問題などユニークな題材や時事を取り上げた興味深い作品が集まりました。GIS の多彩な表現方法を楽しめる、見応えのある展示になりました。
 懇親会で発表された入賞作品は、次の 5 作品です。入賞した作品の詳細は後日サイト上で紹介いたします。

1位:「○○ナンバーに気をつけて!? ナンバープレート地域別 交通死亡事故件数の可視化」
(株式会社 東京地図研究社)
2位:「日本を取り巻く安全保障環境」
(ジオカタログ 株式会社)
3位:「旧街道 参勤交代つらい度マップ 鉄道?高速道路?いいえ、徒歩です」
(シーピーエス 株式会社)
4位:「将来日本の縮図はどの自治体? ― 2110 年までの将来日本の課題先進地を探る ―」
(筑波大学大学院 システム情報工学研究科)
5位:「衛星データで見る2016年熊本地震 大地の歪みを宇宙から測る」
(宇宙航空研究開発機構(JAXA))

 

懇親会

GISコミュニティフォーラム 2016 - 懇親会株式会社ゼンリンジオインテリジェンス 平下治様から開会のご挨拶と乾杯を頂戴し、賑やかに懇親会が始まりました。参加者は300 人を超え、著名なユーザーの方から若いユーザーの方までが一堂に会し、会場は沸き立つ熱気と活気に満ち溢れ、GIS コミュニティ活性の歩みが確実に前進していることが感じられる場となりました。
 恒例のマップギャラリー表彰式では、1 位から 5 位までの優秀作品が発表され、プレゼンターの米国 Esri 社 コーポレートディレクター Dean Angelides(ディーン アンジェリディス)より各マップへの賛辞の言葉と共に賞品、副賞が授与されました。万雷の拍手の中、受賞者の喜びの声もお聞きすることができました。

 

体験セミナー

GISコミュニティフォーラム 2016 - 懇親会今回は「2D & 3D マップの作成を体験してみよう!」と「スマホ・タブレットによる屋外調査を体験してみよう!」という 2 種類の体験セミナーを実施しました。
 前者のセミナーでは、ArcGIS Pro の特徴の1つでもある 2D マップと 3D マップを連動させる操作を体験していただき、ArcGIS Pro の有用性を理解していただけたものと思います。また、後者のセミナーでは、初めてとなる屋外での実習を行い、実際にタブレットを操作しながら Collector for ArcGIS を用いた現地調査を体験していただきました。参加者の方からも「具体的なイメージをつかむことができた」といった肯定的なコメントをいただくことができました。

 

 

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