第 19 回
GIS コミュニティフォーラム オンライン

ユーザー様からご応募いただいたマップとストーリーマップを公開しています。

第 19 回 GIS コミュニティオンライン マップギャラリー受賞作品はこちら

ストーリーマップ部門

作品の画像、またはタイトルをクリックすると、ストーリーマップが開始されます。

S01_信州大学 S01ずくgaku(学・楽)古今マップ

信州大学 宮崎 愛斗 氏

善光寺や渋温泉で知られる観光地、長野県北信地方を舞台にしたストーリーマップです。ターゲットを地元の高校生とし、進学や就職でふるさとを離れる前に地域の魅力を発見していただくために作成しました。マップは、昭和初期に発行された鳥瞰図を使用しています。同時期の鳥瞰図は、縮尺など正確ではありませんが、精緻な書き込みと芸術的なほど大胆なデフォルメが見る者の心を躍らせます。また、当時の“まち”が現在も息づいていることがわかります。
「レトロ」な鳥瞰図を有意義に見ていただくための工夫があります。今と昔を比較できる写真や、現在その場所で聴くことのできる環境音を挿入するなど、現在との連続性を重視しました。また、地域を別角度から眺められるよう老舗経営者にご協力いただき、守る「伝統」と新たな「挑戦」について取材記事を掲載しました。皆様におかれましては、ぜひ信州北信地域を時間旅行した気分でご覧ください。

S02_北海学園大学 S02丘珠 2000 年の歴史

北海学園大学 古屋 奈々帆 氏

このストーリーマップは北海道札幌市東区丘珠(おかだま)地域の魅力を紹介したストーリーマップです。
このストーリーマップを作成したきっかけは、大学の授業で「身近な地域のまち歩きマップの作成」という課題が出たことです。そこで、子どものころから親しんできて、深く掘り下げられそうな丘珠地域を取り上げました。この「まち歩きマップ」の作成を通して、丘珠地域は歴史が非常に古く、魅力がたくさんあることに改めて気づきました。この気づきを共有したいと思い、ストーリーマップを作成しました。
2 つのマップの作成を通して、普段過ごしている地域の魅力を再発見することができました。こういった取り組みが特に若い世代に広まると、地域の魅力の再発見や活性化につながるのではないかと考えます。

S03_北海学園大学 S03思わず立ち止まってしまう玄関 -「北海道の空の玄関口」千歳市の観光 PR-

北海学園大学 高橋 真子 氏

私は大学の授業でストーリーマップに出会いました。そして、ふるさとである千歳市を私なりに紹介したいと思うようになりました。千歳市の魅力をたくさんの人に知ってほしいという想いからこのストーリーマップを作成しました。千歳市は様々な魅力があるので、道外から北海道旅行をする人向けと札幌近郊の人たちのプチ旅行という 2 つの視点でマップを作成しました。また、このストーリーマップが身近なマップになるように、私の目線から、観光ポイントや天候にあったマップを考えました。
ぜひ、最後までご覧いただき、少しでも多くの方に千歳市に立ち寄ってほしいと思います!

S04_立命館大学 S04シン・カモガワ風土記-鴨川からみる歴史都市・京都-

立命館大学 武内樹治・清水裕朗・永井祐貴・阿部和叶 氏

歴史都市・京都は自然とともに成り立ってきた。鴨川は特に京都市内の人々の生活に大きな影響を与えてきた。鴨川は氾濫を繰り返してきたことで有名である。それに対して、人々は堤防築造などの治水事業を行ってきた。その一方、鴨川の周辺で京都を代表するような文化が育まれてきた。その様子を、史跡や浮世絵や古写真、災害記録などを用いて、近世から近現代にかけて歴史を大まかに振り返ることで、鴨川と京都の人や文化との関係を考えた。
結果的に鴨川は水害をもたらす負の側面だけでなく、芸能・文化の発信地として市民の生活に密着した存在であったことがわかり、現代を生きる私たちが学ぶべきものは多いといえる。

S05_中部大学 S05Drawdown Japan Energy and GHG emissions: the Past, the Present, and the Future

中部大学 Phan Anh 氏

ドローダウン・ジャパンは、温室効果ガス(GHG)を排出しない、あらゆる面で持続可能な日本を構築するためのロードマップです。地球温暖化、気候変動の状況を考え、市民、都市、国家、それぞれの行動が、地球をより良く、より健康にするために大きく貢献できることを読者に伝えることを目的としています。エネルギーは、温室効果ガスを大量に排出する最も重要な資源であり、経済成長を維持するためにも重要な役割を担っています。このストーリーマップでは、まず日本におけるエネルギー革命の歴史を振り返り、過去を理解します。
次に、経済を発展させながら温室効果ガス排出を抑制するためには、現代の産業と発電設備を理解する必要があります。そして、読者にそれを意識してもらうために、温室効果ガス排出量の上位 5 県にズームアップし、工業排出量の全体像と各地域の発電所分布をマッピングしています。そして最後は、未来を見据え、国家としてのビジョンから各自治体のドローダウン・モデルまで、温暖化が進む地球をクールダウンさせるために、私たち一人ひとりがどう貢献できるのかお伝えします。

S06_山口県立大学 S06Terauchi Map 〜 寺内正毅ゆかりの地を楽しもう! 〜

山口県立大学 倉田 研治 氏

寺内正毅の足跡は、彼の生まれ育った山口県山口市内の各所に残されています。現状では注目されていない場所も多いものの、それぞれが魅力的な地域資源といって間違いありません。
そこで寺内正毅の没後 100 年を機に、それら地域資源の活用方法をさまざまな側面から検証し、情報のアーカイブと発信を試みています。ストーリーマップをプラットホームとして、関連する写真や動画に加えて、360° 画像や 3D 表現による復元など、継続的に楽しめるマップづくりを目指しています。

マップ部門

作品の画像、またはタイトルをクリックすると、大きいサイズで作品をご覧いただけます。

M01_東京大学 M01Carbon Terrain:二酸化炭素排出量でみる日本の地形

東京大学 吉田 崇紘 氏

都市や地域の脱炭素化に向けた計画を立案するための第一歩として、現状の二酸化炭素排出量の空間分布を詳細に把握することが重要です。Carbon Terrain は、3 次メッシュ単位(約 1km メッシュ単位)の建築部門(家庭部門+業務その他部門)、運輸部門の二酸化炭素排出量を推計し、その合計値を地形の標高値に見立てて 3 次元表示したものです。部門別月別の空間分布や推計の詳細は、環境アセスメントデータベース EADAS(環境省)の全国二酸化炭素排出推計量メッシュマップで閲覧可能です。

M02_皇學館大学 M02高度成長期以降の神戸の街並みの移り変わり-SfM を使った過去の景観の 3D 可視化-

皇學館大学 桐村 喬 氏

過去の景観や土地利用を知ることができる空中写真からは、実体視によって地形などの立体的な情報を把握することができます。SfM の技術を用いれば、実体視と同じように、空中写真から3 次元的なデータを生成できます。
そこで、国土地理院が公開している空中写真と SfM ソフトウェアを使って、港湾都市・神戸の高度成長期以降の街並みを 3D で可視化し、ArcGIS Online で公開しました。使用した空中写真は、1 万分の 1 前後の 5 時点 1,294 枚分です。3D マップを見ると、1975 年時点では、三宮周辺には高層ビルはまだ少なく、センタープラザや貿易センターが目立つぐらいですが、2009 年になるとタワーマンションも増加して、街並みが大きく変貌していることがわかります。大都市の都心でも超高層のビルやマンションが立ち並ぶようになったのは案外最近のことです。過去の景観の 3D マップを作成することで、当時の人々がどのような街並みを見ていたのかを知ることができます。

M03_中部大学 M03地域共生圏創成へ向けた森林資源量把握の手法の検討

中部大学 金井 李笑 氏

恵那市は今年 3 月に 2050 年目標達成に向け「ゼロカーボンシティえな」を宣言し、恵み豊かな郷土の自然を守り共生する持続可能な町づくりに取り組んでいる。武並町には中部大学恵那キャンパスがあることからこの地域と隣接する三郷町を対象地域としている。岐阜県恵那市全域と武並町・三郷町地域の森林調査データから作成したマップと、衛星画像にAI分析を加えたマップを作成し比較・検討した。今後持続可能なプランニングを実践すべく地域循環共生圏に向け里山資源を活用したツールの開発・プラットホーム作成を予定している。

M04_岩手大学 M04東日本大震災のデータに基づく道路復旧予測に関する研究

岩手大学 伍 潔玲 氏

日本では、30 年以内に 70~80% の確率で南海トラフ巨大地震が発生すると言われる。南海トラフ地震に関する道路被害予測、高速道路や国道に復旧優先提案の研究が多い、地域の道路利用回復の予測はない。本研究の対象とする東海地方 3 県が、東北地方太平洋側3県と地形環境(リアス式海岸、砂浜海岸、平野・山地部など)の立地が比較的似ているから、東日本大震災の被災 3 県のデータを基にした東海地方 3 県の道路回復状況をシミュレートするとを目的とした。東北 3 県の走行データをクラスター分析し、道路復旧状況と地域特性をデータベース化し、判別分析により予測モデルを構築した。研究結果には、地形、道路の重要度、最低気温、計測地震動が予測モデルの主要なパラメータとなった。また、モデルの精度は 72.4% であった。このモデルを用いて東海 3 県の市町村道の復旧状況を予測し、予測結果を GIS でマッピング結果は、東北 3 県の道路復旧特性と一致した。

M05_慶應義塾大学 M05参加型マップギャラリー「精密体感震度」~より詳細な地震被害を可視化する手法~

慶應義塾大学 山田 健太 氏

過去になく地震災害のリスクが高まっている今。そのリスクを可視化する仕組みを検討した。
国が設置している震度計設置箇所数は全国で 4300 余。多いように感じるが、自治体あたり 2-3 点という計算になる。災害大国とも言える日本では、不十分ではないだろうか。しかし震度計は無作為に増やすことは現実的ではない。そこで、1 億総メディア社会である現代においては、市民が持つスマホが代用できるのではないかと考えた。市民自身が情報の受け手ではなく、発信する側に回るのである。その結果、従来見えなかったもしくは、発見されるまで時間を要する地震被害情報やリスク情報が可視化される。(データ提供:JX 通信社)

M06_大阪公立大学 M06ソーラーパネルの空間分析

大阪公立大学 杉本 賢二 氏

近年、日本ではソーラーパネルの設置が急増しているが、その一方で土砂災害や景観の悪化などの影響が指摘されている。そこで、ソーラーパネルの立地と、地形・土地利用/被覆・災害想定区域との重ね合わせにより、ソーラーパネルの立地・地域特性を分析、可視化した。その結果、立地場所は太平洋側や瀬戸内海など日照時間の多い地域で多く、田畑や森林のほか、人工構造物(大型建物など)に設置されていることがわかった。また,土砂災害警戒区域に 3%、洪水浸水区域に 8% のソーラーパネルが立地しており、災害による破損や廃棄物処理が懸念される

M07_東北大学 M07“つながり”のある街ーSpace Syntax 理論を用いた接続性の地図化ー

東北大学 渡邉 怜央 氏

環境問題や超高齢社会への対策として、車に頼らず歩いて生活できる街に注目が集まっている。この歩きやすさを構成する要素の一つが、街路の接続性である。ある街路が他の街路とどれだけ多く接続しているか、また途中経路の折れ曲がり回数がどれだけ少ないかは、道のりのわかりやすさを表し、歩行者の経路選択に大きな影響を与えるといわれる。そのため、接続性の高い街路が走る地域――「つながり」のある街――は、歩行量が多く、活気にあふれ、それに伴って店やサービスが集積する、歩いて暮らせる街になりうる。
ここでは接続性を定量的に評価できる Space Syntax 理論に基づき、全国の道路網を評価した。この地図が示すのは道路のみであるにもかかわらず、その「つながり」を可視化すると、様々な都市や街の特徴が浮かび上がる。

M08_奈良大学 M08「地理総合」で ArcGIS Online を活用!

奈良大学 木村 圭司 氏

今年の高校 1 年生から、高校で「地理総合」が必修になりました。1 年生で履修している高校は約半数、残り半数の高校は 2 年生で履修するようです。新しい学習指導要領では、GIS が大きな位置を占めているにもかかわらず、高校の先生は、これまで GIS を教えた経験がほとんど無いため、ご苦労をされています。
一方で、地歴科の数時間の授業のために有料版のソフトウェア・アプリを購入することは稀で、手続きが簡単で、無料でできる GIS ソフトウェアを求めています。さらに、GIS を使ったファイル共有や地図の公開が可能であれば、教育的な効果もあがります。そこで、非常に効果的なソフトウェアが ArcGIS Online(無料版)です。有料版の ArcGIS Online と比較すると、機能は制限されていますが、高校生が授業の一部で地図を作成し、公開できることには、大きな魅力があります。奈良大学では、毎年多くの高校で無料出張講義を行っており、今後 ArcGIS Online(無料版)を活用しようと考えています。その授業イメージをまとめました。

M09_ファインマップ株式会社 M09あなたも通ってる!事故発生現場(関越自動車道)

ファインマップ株式会社 サンダルワニ マドゥシカ 氏

これは日本の関越自動車道の主題図です。制限速度、事故の有無、トンネルなどを表示しています。

 
M10_株式会社東京地図研究社 M10シンガポール共和国交通システムの検証 -東京 23 区の地下鉄との比較-

株式会社東京地図研究社 えび澤 祐子 氏

東京 23 区と同程度の面積に約 569 万人が暮らす都市国家シンガポール。シンガポールの鉄道は市街地向けの大量輸送を担う MRT(Mass Rapid Transit)と郊外の住宅街を循環する LRT(Light Rapid Transit)がある。
住みやすい都市を維持するためにシンガポール陸上交通局(Land Transport Authority)は、2030 年までに国内の 80% の世帯が徒歩 10 分以内で駅にアクセスできることを目標としている。これを実現するための鉄道網が完成すると、シンガポールの MRT/LRT の総延長は 360km になり、現在の東京の地下鉄総延長を超える見込みである。
MRT/LRT の既存駅と 2030 年までにできる新駅をプロットし、駅から徒歩 10 分圏内の範囲を可視化するとともに、そこに居住している人口を推計し、東京 23 区の地下鉄との比較も行った。