ArcGIS Business Analyst Pro 3.0 新機能
新機能や更新点は以下の通りです。
グリッドおよび六角形の生成ツール
新しく「グリッドおよび六角形の生成」ツールが追加されました。指定したエリア内に、正方形グリッド、六角形、H3 六角形 ※ のいずれかのポリゴンを作成できます。また、作成したポリゴンに任意の人口統計変数を集計するだけでなく、ポリゴンの重心を起点としたバッファーを生成し、バッファーに対して任意の人口統計変数を集計した結果をポリゴンに付与することもできます。
※ Uber の六角形階層型空間インデックスに基づき生成される正六角形 (参考)
このツールを利用することで、たとえば、自社店舗の商圏内に 250m メッシュを作成し、メッシュに対して人口変数を付与することで人口が多い (ポテンシャルが高い) エリアをピンポイントで把握することができます。さらに、バッファーに対する集計値を利用することで、そのエリアの持つ市場ポテンシャルを正確に把握することが可能になります。
テリトリー デザインの品質向上
テリトリー デザインは、営業管轄エリアやデリバリーエリアなどにおいて、なるべくテリトリーをコンパクトにしつつ、そこに紐づく属性 (営業ノルマや世帯数など) を均等になるようにテリトリーを作成・管理することができる解析機能です。
本バージョンでは、テリトリーの解析を実行する際のアルゴリズムが拡張され、新たに遺伝的アルゴリズムが追加されました。遺伝的アルゴリズムを利用すると、解析時間は長くなる傾向にありますが、距離や属性を使用したバランス調整やバリアなどの複雑な制限を設定しているテリトリーに対して、より正確な結果を求めることができます。
たとえば、下図では、埼玉県の町丁・字等ポリゴンを対象に、赤色のラインをバリアに設定したり、各テリトリーが持つ人口総数の合計値が指定した数値になるように設定したりと複雑な設定を適用した上で、アルゴリズムを「クラシック」(従来のアルゴリズム) と「遺伝的」それぞれでテリトリー解析を実行した際の結果を比較しています。クラシック アルゴリズムで実行した場合 (左図) と比べると、遺伝的アルゴリズムで実行した場合 (右図) の方がどこのテリトリーにも割り当てられていないエリア (黒色のエリア) が少ないことが分かります。
新しいレポート テンプレートが利用可能に
以下のツールで、新しいレポート テンプレートを利用できるようになりました。従来の表現からインフォグラフィックスのような表現に刷新されており、重要な情報が強調表示されて分かりやすくなっています。なお、現時点で英語表記のレポートのみ提供されていますが、今年中にリリース予定の ArcGIS Business Analyst 2023 年版データで日本語表記のテンプレートも提供予定です。
- 市場占有率の計算
エリア内の人口統計変数に対する顧客の数に基づいて、市場占有率を計算するツールです。
- 近傍の位置の検索
選択した距離タイプに基づき、サイト (店舗や施設)に最も近いロケーション ポイントを検索するツールです。
- オーバーラップ測定
2 つ以上のポリゴンのオーバーラップ量を計算するツールです。
データセットの接続
ArcGIS Pro のオプションに新しく「Business Analyst」オプションが追加され、任意の場所に配置したオフライン データの設定ファイル (dataset_description.xml) に直接接続できる機能が追加されました。これにより、データセットをローカルにインストールすることなく Business Analyst 解析時のデータ ソースとして利用できるようになります。
なお、現在の最新データである 2022 年版データでは、本オプションは利用できません。次バージョンである 2023 年版データから本オプションを利用できるようにする予定です。
ArcGIS Business Analyst Desktop 10.8.2 リリース
2022 年 2 月 16 日 (水) に、ArcGIS Desktop 10.8.2 をベースとした商圏分析・エリアマーケティング ソリューションの最新バージョン「ArcGIS Business Analyst Desktop 10.8.2」 (以下「BA Desktop 10.8.2」) をリリースしました。
今回のリリースには Business Analyst に関する新機能は含まれません。
インストール プログラムの入手やインストール手順については、以下の FAQ をご参照ください。
なお、ESRI ジャパンでは、2022 年 2 月 24 日に BA Desktop 10.8.2 を利用するために必要な各種コンポーネントを一括でインストールいただけるバッチ インストーラーの提供を開始いたしました。本インストーラーの提供方法についても、上記 FAQ をご参照ください。(2022 年 2 月 24 日更新)
ArcGIS Business Analyst Pro 2.9 新機能
新機能や更新点は以下の通りです。
- 統計データの集計速度が大幅に向上
- クレジットの見積もり機能
- 風配図レポートで顧客の分布パターンを把握
- サマリー レポート ツールにバッチ レポート オプションが追加
- 自社拠点を起点としたテリトリー構築が可能に
- テリトリー レベル フィーチャクラスの作成ツールのオプション拡張
統計データの集計速度が大幅に向上
「レイヤーへの情報付加」ツールで、統計データを集計する際のパフォーマンスが大幅に向上し、前バージョン 2.8 と比べて集計速度が 8 倍になりました。
クレジットの見積もり機能
ArcGIS Online のサービスを利用して以下のツールを実行する際に、事前に消費するクレジットの見積もりができるようになりました。
風配図レポートで顧客の分布パターンを把握
店舗とそれに紐づく顧客間を結ぶラインを生成し、距離を計測できる「スパイダー ダイアグラムの生成」ツールで、新しく「風配図レポート」を作成できるようになりました。
本レポートでは、自社顧客がより多く分布する方角や、店舗と顧客間の距離の中央値を把握することができます。PDF 形式で出力できるほか、PAGX 形式で出力することで、ロゴの差替えやテキストの追加などのレイアウトの調整を行うことができます。
本レポートの詳細については、ArcGIS リソース集をご覧ください。
サマリー レポート ツールにバッチ レポート オプションが追加
これまでは、複数商圏を使用してサマリー レポートを作成する場合、全商圏の集計結果が 1 レポートに集約されて出力されていました。本バージョンから、バッチ レポートのオプションが追加され、フィーチャ毎に個別のレポートを出力できるようになりました。
以下の例では、バッチ レポート オプションを使用して 4 つの商圏から 4 つの個別レポートを作成しています。
自社拠点を起点としたテリトリー構築が可能に
テリトリー デザインは、営業管轄エリアなどのテリトリーを、位置関係や属性を基に最適化することができるツールです。本バージョンから「テリトリー シード ポイントの追加」ツールが新しく追加され、テリトリーの構築を開始する地点を指定できるようになりました。
例えば、物流センターを起点とした配送エリアや、営業所を中心とした営業担当エリアなど、拠点ありきのテリトリーを構築することができます。
テリトリー レベル フィーチャクラスの作成ツールのオプション拡張
「テリトリー レベル フィーチャクラスの作成」ツールでは、指定したテリトリー レベルのテリトリー別のポリゴンやテリトリーの中心ポイントなどを作成できます。本バージョンから、新たにシード ポイントやバリアを作成できるようになりました。
商圏分析・エリアマーケティング特化型 GIS ソリューション 「ArcGIS Business Analyst Desktop」
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