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【教育 GIS 便り】GISカード

 

◆ GISとは?を教える

「GISは、楽しい」「将来役立つツール」「いろいろなものに使える」と 紹介するものの「GISは何か?」を説明するのが一番難しい。

 

初心者向けに何度も「GISは何か?」というのを説明しているはずなのに GISは、位置をキーワードに様々な分野に使えるので、あれも、これもできちゃう、優れたツールなんです!と 説明しても初心者の方には、「で、結局何ができるの?」と消化不良を起こしているのでは?と感じることがあります。

 

どうしてもGISを難しく捉えてしまい、たった1回限りの 授業や講習でGISの操作をやっただけなのに苦手意識を持ってしまう方も少なからずいます。
その気持ちよくわかります!
私は画像系が特に苦手で、NDVIなど色分けした画像を見るのは、好きなのですが、なぜNDVIにして分類を求めるのか… と考えたら途端に体からアレルギー反応が湧き出てきてしまいます。(苦笑)

 

永遠のテーマとなりつつある「いかにわかりやすくGISを教えることができるか」。
これを常日頃考えています。2022年度から高等学校で地理が必修化となり、 よりGISを学ぶ機会が増えると知ったので、2019年頃から初心者向けに GISの概念を学んでもらうためにGISカードというものを考えました。

 

初期の段階では、GISカード=ArcGIS Onlineで作成したWebマップのレイヤーとなっており、 GISカードを見ながらそれぞれのレイヤーを確認し、レイヤー同士を 重ね合わせて、ハザードマップを作成するのはどのような情報が必要なのか、を理解させるものでした。

 

そこから月日はたち、ちょうどGISカードの構想を温めていた最中に、徳島大学と 徳島県立富岡西高等学校がGISカードを参加型カードゲームとしてGIS教材へと発展させてくれました。

 

 

 

参加型カードゲームとしてのGISカード https://storymaps.arcgis.com/stories/32936f45f87249d29a6599741d0905c8

 

GISカードで必要となるGISの操作は、レイヤーカードの情報を確認する際に Webマップのレイヤーのオン/オフを行うのみで、解析はありません。

 

レイヤーの組み合わせはGISを行う上でとても重要ですが、いきなりGISの操作に 入ってしまうとこの学びが不十分になりがちです。GISカードを最初に取り入れることで GIS的思考を鍛えながらソフトウエアの操作に入っていくことができ、 GISへの理解度が増すものだと信じています。

 

もちろんこれだけでは、GISの解析まで至らないので カードゲームで得たGIS的思考を維持しつつ、 将来的には主題図作成方法である空間的課題解決チャート(IMC(Imaginary Mapping Chart)) と連携させて主題図を作成する上での有用な教材として発展していきたいと考えています。

 

2024年には、GISカードを更にブラッシュアップして皆様に「教材」として 提供できるようにしていきたいです。

 

GISカードは高校生でもできる!ということと、 地域住民との課題解決となるワークショップでも活用できると 考えており、また参加型GIS教育教材として、皆様と色々なアイディアを 出しながら発展していければと考えています。

 

GISカード(GIS Day in 北海道で実施したイメージの抜粋)

 

参考
簡単に授業で使える!GISカード

 

第32回GIS学会:高等学校地理におけるカードゲーム型GIS教材の開発
– 地理的な見方・考え方を育むPBLでの活用-

 

GISカード(第32回GIS学会 ポスターセッション発表)

 

参加型GIS教育教材作成「授業で役立つ!主題図作成プロセス」

 

◆ ArcGIS StoryMapsを活用した教材

GISは、社会のあらゆる課題を解決できるといっても…授業でGISを扱う場合は 課題が何かを明確にしないまま、ソフトウエアの操作になりがちです。

 

ArcGIS StoryMapsを活用して課題を把握し、GISで可視化/分析するには?を テーマで作成した教材です。

 

https://ej.maps.arcgis.com/home/item.html?id=937ed35a401646b797d46800636cc857

 

授業前の予習用としてArcGIS StoryMapsでテーマを紹介してから GISソフトウェアの操作をすると理解度が増すと考えているので、 今後ArcGIS StoryMapsを活用した教材を増やしていこうと考えています。

 

◆ メディアでも活用されているArcGIS StoryMaps

読売新聞社では、ArcGIS StoryMapsを活用してデジタル記事を配信しています。
世界自然遺産・天地人 スクロールして「天地人 小笠原 with GIS」をご覧ください。

 

色鮮やかな写真の美しさに見とれてしまいます。
メディアでもGISが活用されています。

 

◆ 12月開催 GIS Day

GIS Day in 中国 2023
日時:12月7日(木)第1部 10:00~12:30 第2部 13:30~17:00 
場所:広島大学 
   (第1部)東図書館2階 端末室
   (第2部)ミライクリエ1階 多目的ホール
   (懇親会)工学部おもしろラボ
主催:GIS Day in 中国 2023 実行委員会
内容:第1部:ArcGIS ProとArcGIS Onlineを活用した交通事故の可視化の分析
   第2部:講演:「データに基づくまちづくり」でのGIS活用 福山市立大学
       事例紹介:① DX活用による給水管凍結破損時のお客様サービス改善事例
           -『完全ペーパーレス』ArcGISで現場へGo- 宇部市
            ② 森林区域におけるリモートセンシングを活用した境界検討の
          事例について 株式会社パスコ
中国地方の大学・高校関係者によるポスター展示および企業展示
詳細:https://www.esrij.com/events/details/170350/
※参加無料・事前登録制です。

 

GIS Day in オホーツク 2023
オホーツク地方で初開催となります!
日時:1日目:12月8日(金)13:30~16:40
   2日目:12月9日(土)10:00~16:00
場所:1日目:現地会場 : 北見工業大学 3 号館 2 階 多目的講義室
       オンライン : Zoom 形式
2日目:東京農業大学 北海道オホーツクキャンパス (対面のみ)
主催:特定非営利活動法人 Digital 北海道研究会
内容:1日目:オホーツク地域の地域防災とGISをテーマに防災分野に取り組む有識者の皆様の講演
   2日目:GIS未経験者を対象にした基本操作をArcGIS ProとArcGIS Onlineを使って実習
詳細:https://www.esrij.com/events/details/170697/
   ※参加無料・事前登録制です。

 

◆ お知らせ

ArcGISアカデミックパックに含まれるArcGIS Desktop Advanced (ArcMap)の提供は、 2024年2月末までに発注したアカデミックパックに限り提供となります。

 

2024年3月以降にご発注されたArcGISアカデミックパックに関しましては、 ArcGIS Desktop Advanced(ArcMap)は含まれずDesktopライセンスは、ArcGIS Proのみとなります。

 

お早めにArcGIS Proへの移行をお願いします。
現在、授業等でArcMapを利用しており、移行にお困りの際は、 education@esrij.com までご連絡ください。
弊社担当が最適な移行のサポートをします。

 

掲載種別

掲載日

  • 2023年11月30日