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Protect Our Winters: 冬を守れ

 

気候変動が与えるウィンタースポーツ産業への影響


(画像をクリックするとオリジナルのストーリーマップをご覧いただけます)

米国の山間部の街にとって、雪は冬シーズンの稼ぎ頭です。しかし、気候変動の影響で、雪はもはや以前のように降らなくなり、今、米国の冬季観光産業が打撃を受けています。それは経済に限ったことではなく、冬以外の環境にまで影響が出てきています。

2015-2016年シーズンの冬、米国内では2,000万人がスキーやスノーボード、スノーモービル等のウィンタースポーツを楽しみ、2001年~2016年の間、5,540万人がスキーリゾートを訪れ、彼らアウトドア愛好家によって米国経済に203億円の恩恵がもたらされました。

ウィンタースポーツ産業では、一貫した予測可能な降雪が不可欠です。降雪量が多い年と少ない年を平均と比較すると、多い年はスキー客が平均より380万人増え、さらに11,800の雇用を生みますが、逆に少ない年のスキー客は平均より550万人減り、17,400の雇用が失われます。つまり、降雪量が少ない年の損失は、多い年ではカバーできていません。

では、気候変動によって降雪量が減少し、予測ができなくなってしまうことが冬季観光産業にとって何を意味するのでしょうか。


冬季観光産業によって支えられる雇用(出典:POW 2018 Economic Report)
(色が濃いほど、雇用が多いことを表している)

消費者余剰への影響

スキーによって得られた楽しい経験は、時に消費者の財布の紐を緩めることがあります。スキーそのものに必要な経費を超えて消費者が支払う金額のことは「消費者余剰」と呼ばれます。
一般的に、スキーヤーはより多くの雪と低い気温を好みますが、暖かく短い冬のシーズンはウィンタースポーツによる消費者余剰が減少します。雪の少ないシーズンはスキー客が平均よりも 10% の減少となり、これは消費者余剰の 4.3 億ドルの損失です。暖かく短い冬はスキー客から楽しみを奪い、更に 4.3 億ドル、最大で 13 億ドルの損失が発生します。


ウィンタースポーツ用品の購入者(色が濃いほど、購入者が多いことを表している)


滑降の競技人口の数(色が濃いほど、競技人口が多いことを表している)

地球温暖化により気温が上昇し、降雪量が減少する今、冬季観光産業の将来のため、そして、変わらずに滑り続けるため、私たちには何ができるでしょうか。

Protect Our Winters (POW)とは

気候変動から冬を守るため、プロスノーボーダーのジェレミー・ジョーンズ(Jeremy Jones)氏が 2007 年に米国で立ち上げた環境団体。
Protect Our Winters (POW)

日本支部公式ホームページはこちら
Protect Our Winters Japan (POW Japan)

 

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掲載日

  • 2019年2月22日