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海底地形図の作成と生態系調査

 

海底地形図の作成に必要な技術とは?

カナダ ノバスコシア州にある大学 NSCC の応用海洋研究グループ (AORG:Applied Oceans Research Group) では、政府を始めとした業界のパートナーと協力し、海洋環境に関する研究を行っている。水中カメラや音響測深機などの海洋調査機器の先端技術を用いて海底の調査を行ない、持続可能な海洋管理と評価プロセスの確立の研究に利用されるさまざまな主題図作成に取り組んでいる。

海底地形データの収集方法について

世界の様々な研究機関では、海洋管理や深海生態系の理解を深めるため、海底図の作成が進められ、現在、世界の海洋の 10% 未満でかなり詳細な海底地形図が作成されている。

海底図の作成において、地上の地形図を正確に生成するために広く使用されている、航空測量や衛星リモートセンシング技術は、海水の影響で測量ができるのは浅瀬に限定されてしまう。そのため、海底図の作成には、過去数十年に渡って培われた音響調査技術の進歩(例えば、シングルビーム測量やマルチビーム測量、サイドスキャンソナーなど)が用いられ、海底地形図の精度は飛躍的に向上している。特に、マルチビーム測深機 (MBES:MultiBeam EchoSounders) の技術は、広域な範囲の測量に広く利用されている。

MBES システムは、海底の深浅測量 (Bathymetry) と反射強度 (Backscatter) の両方のデータを同時に収集することができるので、大規模な海底測量に適している。また、近年観測・研究が増えている海底から水面の空間であるウォーターカラムの調査にも MBES システムが活用されている。

MBES システムにより得られた海底の水深、反射強度、勾配、曲率およびアスペクトなどの情報を GIS 上で統合し、詳細な海底地形図を作成する。この海底地形図はさまざまな研究のベースマップとして利用され、水深や地質などの情報は、海底生物の生息に関する調査や研究としても有用な情報として利用される。

海底の状況をマッピング


撮影機材の様子

海底の地形図を元に、より詳細な地質や堆積物の様子や状態、海底の生態系の把握するために、海底の様子の撮影を行う。撮影には、高解像度の水中カメラやレーザー、特殊照明を搭載した機材を海底から 1-2m のところまで沈め、移動しながら撮影を繰り替えし行う。撮影した画像や映像データは、海底のマップで参照できるようにジオリファレンスされる。

これまでの MBES のデータや海底を撮影したデータの統合や解析には、GIS が利用される。GIS を使うことで、地上と同様な分析や解析を行うことができ、海洋保全、漁業管理、海洋空間計画などのテーマに適した情報をまとめたマップの作成が簡単に行うことが出来るようになる。


NSCC 作成のカナダ南東部 ケープブレントン島 東にある St. Anne Bank MPA の海底生物の観測位置情報と写真を示したストーリーマップ

今回紹介したストーリーマップは、カナダの大学 NSCC の応用海洋研究グループ (AORG:Applied Oceans Research Group) が作成したものを抜粋・翻訳したものです。
ストーリーマップ:Applied Oceans Research Group

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掲載種別

掲載日

  • 2018年6月4日

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