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事例

簡単にすぐ使えるポータルサイトで GIS がより身近に

北海道 浦幌町

 

蓄積された GIS データの有効活用を実現した Portal for ArcGIS と Web GIS 実装支援キット

ArcGIS プラットフォームの特徴

  • デスクトップと Web の両方から、共有された地図や情報にアクセス可能
  • セキュアな庁内ポータルサイトを容易に構築
  • 簡単にすぐ使える Web アプリケーションの構築が可能

概要

浦幌町役場
浦幌町役場

浦幌町は十勝総合振興局管内の最東端に位置し、東は丘陵山脈、南は太平洋に面しており、面積は 729.85km² で山林が 7 割を占めている。町の中央には延長 90.2km の浦幌川が流れ、地味良好な耕地をつくって太平洋に注いでいる。人口は 5,013 人(平成 28 年 10 月 31 日現在)で、農業・林業・水産業と豊かな一次産業を基幹産業としている。

平成 22 年度に庁内の共通基盤として導入した ArcGIS は Web アプリケーションが好評だったが、年々整備してきたデータのさらなる有効活用のために新たにポータルサイトを構築した。このポータルサイトに実装するアプリは職員自らが考えて選んだこともあり、庁内での GIS 利用が定着しつつある。

背景

ArcGIS が導入される前は、平成14年度より資産税係にて航空写真等を背景図として家屋の管理等の業務に特化した GIS を導入し、現在も継続して使用している。

一方、平成 15 年 5 月に策定した「浦幌町行政情報化計画」において、電子自治体を実現していく一環として GIS 整備の取り組みを目指すとの方向性が打ち出された。また、国の方針として平成 19 年に地理空間情報活用推進基本法が施行され、地方公共団体の責務が明記された。さらに、浦幌町ではたびたび大雨による洪水の被害を受けており、国に補助金の申請をする際の資料作成用に GIS が活用できると考えた。このような背景のもと、町全体の航空写真を整備するとともに予算の面も考慮して、各部署個別ではなく庁内共通のプラットフォームとして GIS を導入することにした。

ArcGIS 採用の理由

導入する GIS エンジンの要件として、汎用性が高く様々な業務にカスタマイズせずに使える商用のパッケージ製品が求められた。さらに、 Web ブラウザーで閲覧する職員とデスクトップ GIS を使う職員の両方に対応できること、個別 GIS との共存ができること、航空写真や地番図を共通の基盤とした GIS のプラットフォームに対応できることも重要な要件であった。製品選定においてはプロポーザル方式とし、実際に GIS を使う職員が各社の提案内容と操作方法を確認した上で採点を行い、その結果 ArcGIS が選ばれた。

導入手法

平成 22 年度、まず共通基盤(航空写真、電子地図)と各種主題図等のデータ整備を行った。データ整備作業は、最初は外注したがその後の更新作業は現在も担当部署の職員が ArcGIS for Desktop を使って行っている。

一方、ArcGIS for Server により Web ブラウザーで閲覧できるアプリケーションも導入し、職員向けの操作研修も開始した。この Web アプリケーションは、航空写真と地番図を重ね合わせて表示することができる。地番図は様々な課でニーズがあり航空写真と地番図を重ねて印刷ができる機能は他のシステムにもなく、これまで紙地図で調べていた職員にとってかなり好評であった。

23 年度は主に固定資産など、24 年度は公有財産、農地、上下水道のデータ整備を行い、一方で職員向けの操作研修も引き続き行われた。

25 年度はデータ整備のほかに、防災関連の現地調査にも利用の幅を広げるための研修も実施した。この頃になると整備されたデータが蓄積されてきたが、Web アプリケーションでは閲覧できない( ArcGIS for Desktop でのみ閲覧できる)データも少なくなかった。さらに、ArcGIS for Desktop は職員にとってはまだ操作が難しく、使用できるマシンも限定されていた。その結果、せっかく整備したデータが有効活用されていないという問題を抱えていた。

26 年度はデータセンターを移行するタイミングでもあったので、先に述べた問題を持っていた Web アプリケーションは移行せずに運用を取りやめることにし、新たなシステム導入の検討に入った。Web アプリケーションがない期間は約1年あったが、その間、ArcGIS for Desktop を使用する職員が増えたため(毎日、10 人~ 15 人)、操作に対するハードルが以前に比べて低くなったことも事実である。

27 年度には整備したデータの有効活用の課題を解決するために、ArcGIS for Server のエクステンション製品である Portal for ArcGIS を導入してポータルサイトを構築することになった。Portal for ArcGIS とは、GIS コンテンツを検索、利用、作成、共有するためのポータルサイト構築キットである。実装した機能としては、かつての Web アプリケーションと同様、閲覧機能のほか、使いやすい住所検索機能などがある。

クライアントアプリとしては、共通基盤(航空写真と地番図)、公有財産(町が所有する町営住宅など)、防災の 3 つにすることとして構築し運用を開始した。

ポータルサイトトップページ
ポータルサイトトップページ

この 3 つのアプリを決めるために利用したのが ESRIジャパンの「 Web GIS 実装支援キット」である。このキットは、Web GIS プラットフォームを最短6週間で稼動開始するための新しい考えに基づくサービスである。このキットでは、最初にワークショップ形式で導入するアプリケーションを決定する。村瀬氏はこのワークショップを、「自分たちが考えて決めたため、より良いアプリを選ぶことができたと思います。職員がこれらのアプリをより身近に感じてくれており、ワークショップという話し合いの場があって良かったです」とその成果を振り返った。

アプリ画面
アプリ画面

そして 28 年度は職員向けにこのアプリの使い方研修や、ArcGIS for Desktop の研修(異動により初めて使う方向け)も実施した。サイトライセンスを導入しているため、操作研修をすることで ArcGIS for Desktop が使える職員が少しずつ増えており、カスタマイズをほとんどせず標準ツールだけで利用しているので、異動後の課でも比較的早く使えるようになりつつある。

導入効果

今まで GIS を使っていなかった職員からも操作方法の問い合わせがあり、また空き家対策などで「 GIS でこういうデータを自分たちで作れないか?」といった相談もあるそうで、利用の裾野は確実に広がっていると言える。

また、平成 28 年 8 月に北海道に上陸した台風 10 号による被害が道内各地で発生した際は、被害箇所を確認するために GIS を利用して航空写真の閲覧や印刷が行われた。

GIS を継続的に活用できている大きな要因は何だろうか。「簡単にすぐに使えるアプリがあることが大きいです。職員による GIS 利用の入り口として Portal for ArcGIS を導入したことが良かったです」と村瀬氏は答えた。

今後の展望

「操作が難しいと思っている職員も確かにいますが、災害が多い町でもあるので、上手に GIS を活用して各業務がもっとスムーズにできると良いですね。町の活性化のために、まちづくりにも上手く使っていきたいです」と抱負を述べられた。
自分たちで考えて選ぶアプリがこれからも増えていくことを期待したい。

プロフィール


浦幌町 総務課
情報管理係長 村瀬 健司 氏(右)
情報処理専門員 中田 千晶 氏(左)



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資料

掲載日

  • 2017年3月28日

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