課題
導入効果
愛知県警察本部 生活安全部 生活安全総務課(以下「生活安全総務課」)は、「安心」して暮らせる「安全」な愛知の確立を目指し、犯罪の抑止対策に取り組んでいる。 平成 28 年 2 月、愛知県警察ではクラウド GIS サービス「ArcGIS Online」を利用した地域住民向けの犯罪・交通事故発生情報公開システム「安心・安全マップ」(以下「安心・安全マップ」)の運用を開始し、愛知県警察本部のホームページ上に公開した。 マップ公開後は犯罪や交通事故の発生情報が地図上で確認できるようになり、閲覧者数も増加傾向にある。また、地域での防犯・交通安全対策につながることが期待されている。
愛知県内の平成 27 年の侵入盗と自動車盗の被害件数は、全国ワースト 1 位(※)となっており、地域住民に向けた安全対策のための情報発信が求められていた。こうした背景のもと、犯罪・交通事故発生情報公開システムが構築されることとなった。「安心・安全マップ」を用いることで、愛知県警は、警察内部で管理するデータを外部委託業者に手渡すことなく、スピーディーに庁内で更新する「自庁内更新型情報公開システム」の実現が可能となった。
生活安全総務課が運用を開始した「安心・安全マップ」では、犯罪分析を行う「犯罪分析システム(庁内システム)」と、その分析結果を地域住民向けに情報公開する「外部公開システム」の 2 つのシステムを導入している。
犯罪分析システムの構築には、「ArcGIS for Desktop」とその分析ツールを採用した。 その際、採用の決め手となったのは、時間・位置・属性情報を含む時系列データを効果的に可視化し、分析することができる「Tracking Analyst」をはじめ豊富な分析ツール群の存在であった。
「外部公開システム」の構築には、クラウド GIS サービス「ArcGIS Online」を採用した。採用の理由は、概ね次のとおりである。
犯罪分析システムは、概ね「ArcGIS for Desktop」と次の分析ツールで構成されている。
初期構築に当たっては、マップの画面デザインに配慮した。「安心・安全マップ」は、地域住民向けのマップであるため、老若男女が利用することを想定して、シンプルかつ分かりやすい見栄えと簡便な操作性を求めた。「ArcGIS Online」上で提供されている多種多様なアプリの中から現在のデザインを選択した。 また、犯罪発生情報の表現方法を密度分布図とし、被害者が特定されないよう工夫している。 さらには、「ArcGIS Online」上のマップのデータの更新作業の効率化を図るため、株式会社オージス総研の開発した自動化ツールを導入した。この自動化ツールを利用することで、マップ上に新たに追加するポイントデータや分布図データをパッケージ化し、自動でアップロードすることが可能となった。
「安心・安全マップ」は、運用開始直後から中日新聞に記事が掲載されるなど、徐々に認知度を高めている。閲覧者数も増加傾向にあり、上々の滑り出しといえよう。
「安心・安全マップ」には、大きく分けて
愛知県では、平成 27 年度から新たに策定した「あいち地域安全戦略 2017」に基づき、「刑法犯認知件数を毎年減少させるとともに、安全に安心して暮らせる社会の実現」を目指し、地域住民と連携した安全なまちづくりの推進に精力的に取り組んでいる。 この目標を達成するために、特に重点的に取り組むべき 3 つ基本戦略が設定されている。
※出典:警察庁刑事局捜査支援分析管理官 「犯罪統計資料 平成 27 年 1 ~ 12 月分【確定値】」
組織名 | : | 株式会社オージス総研 |
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