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第5回世界水産会議におけるArcGISトレーニング

第5回世界水産会議

 

各国の水産・海洋関係者が参加した国際色豊かなArcGISトレーニングコース

世界80カ国以上1500名が参加した第5回世界水産学会議が2008年10月20日から24日の5日聞に渡り横浜で開催された。
ArcGISトレーニングコースでは、データ表示や分析方法などの基礎となるGISを学んだ。

背景

世界水産学会議とは、世界水産学協議会(World Council of Fisheries Societies)を母体とし、4年毎に開催される国際会議である。中心国となるのは、アメリ力、イギリス、オーストラリア、インド、パキスタンや日本の水産関係学会代表から構成されており、カナダ、中国、香港、ニュージーランド、ノルウェーなどもオブザーバーとして参加し、水産関連研究の関心、教育の普及および活性化などの学術活動の推進を目的とした学術組織である。

水産学とは英語でFisheries Scienceとよばれ、魚介類を中心とする水生生物についての漁業、増養殖、魚類生理、加工、流通まで、水産に関連するテーマを広く研究する学問である。近年の水産学ではそれらの他に、乱獲や環境破壊にともなう水産生物資源の減少、海洋生物資源を取り巻く水圏環境、エコシステムなどの多岐にわたる研究活動も行っている。

この国際会議は、多岐にわたる水産学の国際的な情報交換の場を提供するとともに、将来の水産業のあるべき姿を模索することを目的として開催された。すなわち、水産学に関連する課題を網羅的に取り扱い、水産海洋に関わる自然科学および社会学的な問題を議論し、解決への筋道を探る。また、鯨類やマグロ類をはじめとする水産生物資源が減少しており、これらの適正な保護をはじめ水産生物資源の適正な管理、沿岸海域の重金属汚染、サンゴ礁の減少やエチゼンクラゲ等の大量発生などに関連する海洋環境の保全・保護の重要性が取り上げられた。

水産や海洋こ関わるこれらの問題をデータ化し、可視化することによって年代別に海の環境の変化、魚の漁獲変化を分析/研究することができる。
そこで、環境保全を含めた水産教育の一環として、発展途上国からの参加者を主な対象としたGISトレーニングが行われた。

ArcGISトレーニング内容

ArcGISトレー二ングコースは、10月19日、20日の2日間にかけて東京海洋大学品川キャンパス 情報処理センターにて行われた。
参加者は、アジア地域をはじめ、中南米、欧州、日本、アフリ力、豪州、北米などの水産関係者約40名の国際色豊かなトレーニングコースとなった。

講師は、米国陸軍工兵隊のDr.Michael Porterと力ンザス州立大学のDr. Jodi Whittier、北海道大学大学院水産科学研究院の斉藤教授が中心となった。トレー二ングコースは、次の4つのセッションにわかれており、2日間でGISの基礎から応用まで学べる内容とした。

Session 1 GIS and its application in fisheries and aquacultureでは、漁業と養殖漁業におけるGISアプリケーションの紹介やリモートセンシング/GISで、の海洋面の利用事例、海洋面で使うGISデータの紹介レクチャーを中心に解説した。

Session2: Exercise in ArcGISにて実際にArcViewを使ってGISの基本操作となるデータの表示、テーブルの作成、データの編集を学んだ。利用データは、受講者が実際の業務で使われそうな海洋データを使用した。

Session3: Exploring GIS Applications in fisheries and aquaculture Session2の応用編となる海洋データやクロロフィルのデータを使い、北海道南西部に位置する噴火湾を対象地域とした帆立貝の増殖に適した地域をGISで、表現した。

Session4: Final analysis and discussionでは、参加者がこれまで学んできたGISのノウハウと今後、どのような面で今回学んだことが活用できるかを話し合った。

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実習風景

ArcGISトレ二ングの修了後、受講者一人一人に受講修了証明書がDr. Porterから手渡された。

参加者は、お互いにわからないところを教え合い、休憩時間などに自分達の研究、水産学に関する考えを語り合い、水産学の知識を深めるとともに、国際交流も図った。

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実際のテキスト

データ

海洋関係のデタは様々なプラットフォムからできている。GISで利用する海洋データは主に以下の5つのデータに分類することができる。

①マリン ポイン卜
②マリン ライン
③マリン ポリゴン
④マリン ラスター/グリッド/メッシュ
⑤マリン タイム

GISを使うことにより、日々変化する水温、塩分デタを蓄積することが
できる。さらにそれを基に海中でいつ、どこで何が起こっているかを把握
することができる。また、GISで表示させることにより3次元表示も可能と
なり、2次元の海図では表現しにくい、海底地形との関係を調べたり、j毎
中の温度差を表現することができる。このようにGISを使うことによって、
より多くの研究活動の幅を広げることができる。さらに、近年劇的に変化
する環境に対しても年代別に表示することがでさることから、水圏環境汚
染の原因を突き止めることができる。

おわりに

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海洋および水産関連のGIS書籍も出版されている

今日GISは陸だけではなく水産・海洋分野でも盛んに使われている。例えば、海図の作成、漁獲量の確保などの環境保全、港湾施設管理、海域の環境調査、津波シミュレーションなど多方面で利用されている。これまでの、GISは、地理情報処理と言われるように地理的利用のイメージが強く、陸上のみでの利用方法が一般的と思われがちだが、海洋方面などでも多くの利用価値があると斉藤教授は語る。

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掲載日

  • 2009年1月1日

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