次々と業界の常識を打ち破る革新的なサービスを提供し続けるソフトバンクBB。
その舞台裏にはArcGISを活用し尽くした実戦型GISシステムがあった!
2004年、急速な拡大を続けるブロードバンド・インフラ事業の総合設備効率の向上のため、設備単位の収容効率をあげる分析を徹底して行ったことが、ソフトバンクBBの設備エンジニアリング本部でGISを活用するきっかけとなった。
お客様に魅力的な価格で高品質なサービスを提供し続けるためには、無駄な業務や投資を徹底的に省かなければならない。無施策な設備展開は収容効率の悪化を招く。費用対効果の高い設備計画を実現するためにGISを活用したエリア分析が不可欠だった。
2006年からは、ソフトバンクモバイルがグループの一員に加わり、ブロードバンド・インフラ事業と移動体通信事業、それぞれの設備を有効活用することで、グループ内のシナジー効果を最大限に発揮できるように、最適な設備配置計画に取り組んできた。
ソフトバンクモバイルが携帯電話契約数で2007年5月から26ヶ月連続で純増No.1を獲得したのはご存知だろう。急増する携帯電話顧客に対応するため、短期間で効率よく3Gネットワークを増強することが急務であった。それを可能とした背景には、GISを活用したエリア分析に基づいた基地局プランニングがあった。
それでは、設備エンジニアリング本部でのGISシステムの発展の過程を紹介しよう。
多種多様化する設備情報等を分析するために、スタンドアローン型GISから、あらゆる情報を統合したエンタープライズGISシステムに切り替え、費用対効果の高いエリア設計を実現した。
エンタープライズGISによるデータの統合化を行ったことで、解析データ管理コストを70%削減できた。さらに、個々の設備データが空間的に結合されたことで、多角的な視点から経営判断に活用できる戦略情報に生まれ変わった。
それまでスタンドアローン型GISをずらりと並べても2ヶ月かかっていた全国のエリア分析がたった4日で処理できるようになった。同社のGISは、24時間365日、必要なときに「いつでも使えるGIS」へと進化した。
WebGISは、GISの専門的な知識を必要とせず、Webブラウザ上で効率的かつスピーディに社内展開し情報共有することを目的としたGISビューワだ。
位置情報(緯度経度や住所など)をキーにして、基盤地図データの上にサービスエリア、分析データ等を対応付け、重ね合わせて高速に表示する。利用者は、様々な情報の関連性が一目でわかり、総合的な対策を考えることができる。
GISの専門知識がなくても利用できる直感的で簡易なユーザーインターフェースは、同社のGISを「誰でも使えるGIS」へと進化させた。
同社ではGISにタスク管理機能を組み合わせ、昨今隆盛を迎えるスマートフォンに対応したモバイルGISシステムを構築し、エリア対策の現場に実戦配備した。
モバイルGISによって、本社サイドで管理するエリア情報が現場サイドにまでセキュアに共有可能になり、また、現場サイドの作業進捗がリアルタイムに本社サイドで把握できる。
タスク管理の一元化とエリア情報の見える化により、オフィスサイドと現場サイドが高密度に連携してお客様へ対応することが可能となり、業務効率と即時対応性が大幅に向上した。現場情報を共有することで削減できた業務管理コストは50%以上になるという。
企画部門からフィールド対応部門まで同一システムを使用できるようにすることで、業務の一貫性と効率化を実現したわけだ。
GISのスマートフォン対応は、企業戦略情報であるエリア情報を安全に外に持ち出すことを可能とした。これにより、同社のGISは「いつでも、どこでも、誰でも使えるGIS」、すなわち、ユビキタスGISへと進化を遂げたのだ。
こうして蓄積してきたノウハウと実績を商品化し、販売することで社会へ貢献すべく、2009年4月、株式会社Agoopを設立した。
株式会社Agoopは、来るべき「ユビキタス社会」に対応して、いつでも、どこでも、誰でも使えるGISをモットーに、既存のGISの枠に収まらないサービスとコンテンツを併せて提供することを目指す。