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GISと基幹情報の連携で効率的に市民サービスを提供

千葉県市原市 総務部 情報管理課

 

GISのデータ定義の共通化によって見えてくる統合型GIS導入のメリット

個別GISが普及した市原市では、「空間データを相互連携するしくみ」として統合型GISを導入した。最大限にその効果を引き出すための取組みが行われている。

イントロダクション

千葉県市原市は、県中央部に位置し、約370km²の面積と人口約28万人を有する広域都市。
臨海部に日本有数のコンビナート群、丘陵部に住宅地域、中山間地に米、畜産などの農業地域や景勝地である養老渓谷を抱え、日本の縮図とも評される。

市原市では、平成15年に「市原市地域情報化計画」を策定、現在の第二次計画では、庁内事務の高度化と効率化とともに、公共施設予約や所蔵図書検索のオンライン化、インターネット上での地図配信などに取り組んでいる。

これら情報化の推進においてGISは非常に重要なツールとして位置付けられており、道路、都市計画、農業、水道、下水道、消防、福祉や税など各部門でGISが導入・利用されている。
各部門の業務連携(情報共有)と市民への公開、さらには政策判断への活用等を目的に、16年度に初代統合型GISが導入された。
初代統合型GISは、各部門の業務システムとして利用するには機能が不足していたため、データの参照が主な利用方法であった。
また、各部門のデータを相互利用するうえでも、データの仕様が異なることが多く、データ変換のために新たな費用負担が発生するなど、業務連携等の効果は限定的であった。

  

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初代統合型GISコンセプト

導入手法

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これまでのイメージ

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目指している将来像

これらの課題を解決するため、土木、下水道などGIS関係部門で構成される「地理情報システム部会」にて、統合型GISの利活用についての調査・検討を重ね、次のとおりGISの利活用を推進していくこととなった。

  1. データ仕様を統一する
    (データ仕様の統一には、システムの統合が最も効果的)
  2. 統合型GISの機能強化により、個別GISとのシステム統合を進めていく
    例:都市計画部門の場合、串刺し検索による帳票の出力や大判印刷など
  3. 統合によりシステム運用経費を縮減する

情報管理課の安藤氏は、当時の思いをこう振り返る。
「水道、下水道、土木や都市計画など様々な部門においてGISの業務利用が進んでいますが、さらなる高度利用のためには、これら各部門で整備したデータを相互で利用することが欠かせません。
しかし、各部門が整備したデータの仕様(データ定義)は異なっていることが多く、これまでは追加費用を投じてデータ変換を行い、情報の共有やデータの相互利用を行わざるを得ませんでした。
また、各部門が個々にGISの管理・運用をしていたことも、問題の解決を難しくしていました。
このため、本市では情報システム部門に調達を含めた管理・運用等を集中させ、これらの問題の解決を図るとともに、各部門の負担を軽減することにしました。」

これらを踏まえ、プロポーザル方式によってシステムの選定を行った結果、ArcGIS Serverをエンジンとする新統合型GISが導入されることとなった。

  

導入効果

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さまざまな活用例 ・公有財産管理

現在、データ仕様の統一、統合型GISへのシステム及びデータの統合を進めており、以下のような効果を見込んでいる。

  1. データの相互利用
    • 同一仕様でのデータ相互利用
    • 部門をまたいだ、より高度なデータ分析
    • 効率的なデータ整備・更新とコスト削減
  2. 最適化
    • 約20%~30%程度のシステム運用コスト縮減
    • 情報システム部内が集中管理することによる各部門の業務負担の軽減

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さまざまな活用例 ・業務帳票の出力

今後の展開

統合型GISへの統合を進めるなかで、いくつか新たな課題も見えてきている。

【課題1】

統合型GISが各種業務で利用されるようになったため、システムの安定稼働がより重視されるようになり、システムの冗長構成が必要になってきている。

【課題2】

各部門のデータ整備の方法についても、最適な手法を模索・確立していく必要がある。

安藤氏はこれからの市原市のGISの将来像を次のように語った。

「本市の目指しているGIS像は、さまざまな情報と地理的な特性を結びつけることで、情報の可視化や分析を行い、政策判断への活用を図るというものです。
これまでの取り組みで、当初策定した『市原市統合型GISガイドライン』のデータ共有(データ相互利用)や業務連携・改善には、一定の目途をつけ、同時にコスト縮減についても、(副次的に)効果を見込むことができたと考えています。
今後は、GISの高度利用に向け、各種行政情報との連携を進め、住民情報の分析による政策判断への活用等を図っていきたいと考えています。」

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データ基盤の統合

プロフィール


安藤 善文 氏



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資料

掲載日

  • 2011年1月1日

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