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事例

県の課題解決を目指した業務特化型・課題解決型GIS研修

奈良県 県土マネジメント部

 

「地理情報共有化推進事業」の成否は職員のGIS習熟度にかかっていた。県の課題解決に向けて、奈良県が行った新たなGIS研修と通常業務で活用されるまでの道のり

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課題解決型グループ研修

課題

導入効果

イントロダクション

「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」平城京に都が遷都されて今年で1304年。このいにしえの都奈良でもArcGISは活用されている。奈良県の位置は近畿地方の真ん中にあり、修学旅行で東大寺や法隆寺等の世界遺産を訪れた方も多いであろう。現在12市15町12村、人口は140万人を擁する古都である。職員も予算も減る中、「職員ができることは職員で」をコンセプトに地理空間情報の利活用に取り組んでいった奈良県職員の挑戦を紹介する。

 

導入経緯

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現在県では職員定員の適正化(削減)が行われている。平成25年度中には平成10年比較で約1,000名の職員が削減される予定である。また、県の一般会計予算も今年度は4,900億円弱であり、ここ10年間は横ばい状態である。全国の自治体に共通して言えることであるが奈良県においても職員、予算が減少している中でGISに取り組むことになった。

クリアリングハウスシステムの導入後、浮き彫りとなった課題を解決するために地理空間情報の利活用が実務上一番見込まれる土木部(現:県土マネジメント部)にて新たなワーキンググループを立ち上げることになった。(後年県庁全体のGIS利活用の核となっていく組織である。)そうして平成19年度に「職員ができることは職員がする」をコンセプトに「地理情報共有化推進事業」の事業化を検討、予算要望が図られ、土木部を主体として地理空間情報の利活用推進を再スタートすることになった。

導入手法

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課題解決型グループ演習。作業確認シート

事業に具体的に取り組むためGISソフトの導入を行った。それがArcGISである。「職員ができることは職員で」がコンセプトであるため、数あるソフトの中から「汎用性の高さ」「分析ツールの豊富さ」等の製品の品質や費用等の経済性を比較した結果である。事業の成否は導入したArcGISを使いこなせるかどうかにかかっていた。そこで、地理空間情報、GISについての意識を高め、継続的な運用を行うためにGISに関する研修の充実を図ることになった。

 従来はGIS研修と言えるものは職員研修所が主催するGIS研修1日コースがあるのみであったが、今後はより実践的な研修が不可欠であるためESRIジャパンとともに新たなGIS研修を築いていくことになった。平成21年度から研修を開始、初年度は操作基礎、応用を修得するのに費やした。実施後のアンケートでは研修を通じて業務への有効利用を感じた職員が8割以上いた。またアンケート結果を踏まえ、次年度は奈良県オリジナルデータを使った、より業務をイメージできる研修を実施した。

 

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「課題解決型研修」では受講者を4人ひと組にグループ分けし、それぞれで決めた課題にGISを活用してどのように解決するか、グループ演習を行うものであった。各グループが自分達で課題を見つけ様々なマップが作成され、参加者には非常に好評を博した研修となった。2年間試行錯誤を行い、基礎研修、業務特化型研修、課題解決型グループ演習の3本柱による研修体系が確立された。

 

研修効果

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県の資産管理で利用

研修後のフォローアップとして、研修後の業務での活用事例を紹介する発表会を行った。9つの所属部門から業務箇所マップや施設管理等への利用が行われていることが発表され、地理情報活用が定着し ているのが実感できる場となった。また今ではGISが業務支援ツールとして必要不可欠なものになっている職員も増えている。

 

今後の取り組み

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書類検索で利用(過去40年分)

平成23年9月、奈良県は紀伊半島大水害に見舞われた。しかし災害時にGISを活用するという発想が担当者に足りなかったこともあり、復旧支援にGISは十分に活用されなかった。まだまだ地理空間情報の利活用が職員に認知されていないことを実感させられた。さらに職員の地理空間情報推進を進めるため「国土地理院との協定を活かした取り組み」を進めていくことになる。平成24年度に全国の都道府県では3番目に国土地理院と協定を締結、平常時と緊急時に奈良県と国土地理院がお互いに保有する地理空間情報を共有する仕組みができあがった。

今後は「地理情報共有化推進事業(ArcGISの活用)」と「国土地理院との協定を活かした取り組みの推進」の2つを両輪に、県の課題解決に地理空間情報利活用をよりいっそう推進していくことが期待されている。

プロフィール


技術管理課土木積算情報係(左から)
北村主査 林主査 松並係長 せんとくん



関連業種

関連製品

資料

掲載日

  • 2014年4月15日

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