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つくばの変遷に関する研究

茨城県立並木高等学校

 

ArcView で自分達の学校があるつくばの変遷を解析

明治16年作成の美しいフランス彩色のつくば地形図の復刻版を見たときに、現在から120年前のつくばが一体どんなところだったのかという思いが膨らんだ。生徒たちはそんな思いを胸にGISでつくば変遷の解析に挑戦した。

並木高校では、平成10年度卒業生の有志が並木高校周辺の模型を、平成11年度卒業生の有志がつくば周辺の立体模型を在学中に作成するという取り組みが行われた。これらの模型は生徒ホールと呼ばれるフリースペースに飾られ、普段からそれらを見る後輩達は、自分達もあとにつながる取り組みをしてみたいと考えていた。

並木高校は、平成15年度に茨城県ハイスクールアクティブサイエンスの指定を受けていた。また、ESRIジャパン主催の「教育におけるGIS利用支援プログラム」にも参加し、ArcViewの無償提供を受けていた。ある時、GIS研究会の顧問である齊藤教諭は、明治16年作成のフランス彩色によるつくばの地形図の復刻版を生徒達に披露した。その地形図は大変美しく彩色されており、それを見た生徒達は、自分達の住んでいるつくばという街が明治期には一体どんな景観であったのであろうと想像してみた。その地形図をじっくり眺めてみると、現在、並木高校が立地している周辺にはかつて湿地があってそこが現在公園敷地になっていること、現在のつくばの中心部は松林であったことなどを読み取ることができた。生徒達は、これまでの卒業生達に負けない研究をしてみようと考え、現在から120年前の明治16年(1883年)の地形図をベースに、その後のつくばがどのような変遷を続けてきたのかを探ってみることに決めた。

本プロジェクトが始まった2003年は、明治16年と現在の道路、水、緑の比較を行うこと及び平成16年度以降の研究のためのベースとなる地図の作製に絞って開始した。

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GISでの研究目的

生徒達は、目的を持ってつくば変遷の研究を行った。

研究方法

① 地図データの入手

紙地図

デジタル地図データ

IKONOSデータ(1m解像度)

② 地形図のイメージスキャナによるデジタル化

A4版サイズに収まる地図は学校のイメージスキャナで、大判の地図に関しては、独)国立環境研究所のA0版のイメージスキャナにて地形図のデジタル化を行った。

③ 地図データの幾何補正

スキャニングした地図画像は、地理的座標がないので画像上での距離・面積計測及び地図の重ね合せができない。そのため、既に地理座標を持っている数値地図と幾何補正済みのIKONOS画像で幾何補正を行った。

④ 地図データからの情報抽出

明治期と現在との道路、水、緑の変化を探るためにはラスターデータである地図画像から、道路(ライン)、川(ライン)、緑地(ポリゴン) 等を抽出する必要があった。そのため、ArcView8.2を用いてベクtukuba-2

研究成果

1.明治16年と現在の変化

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図2.明治期の幹線道の残存

 

120年前の明治16年(1883)と現在の道路の比較を行った。東大通り、西大通り、土浦学園線、北大通り、南大通りなどは、つくば中心部に計画的に作られた幹線道路であり、それまで道がなかった場所に直線的に引かれたことが分かる。一方、つくば周辺部の細い道路が残っている地区では明治期の幹線道が今も残っていることが分かる。現地調査にて明治期の景観が残された道を発見できるかもしれない。tukuba-blank

2.並木高校周辺の変化

tukuba-4並木高校周辺の変化

明治16年(1883)、昭和35年(1960)、昭和47年(1972)、昭和52年(1977)、平成7年(1995)の学校周辺の比較を行った。昨年11月に創立20周年を迎えた並木高校は平成7年の地図にはじめて現れている。

校内に残る松が並木高校の敷地は以前松林であったことを予想させるが、明治期の地形図からもそれが読み取れた。また、現在並木高校の脇を流れる水路の元となったと考えられる水の流れが確認できた。昭和47年から昭和52年の間に東大通りができたり、研究所が移転してきたり、開発が進んだことを読み取ることができた。 

今後の課題

並木高校では、今後もGISを用いた研究活動を続けていく予定である。2003年度は、初年度ということもあって、データ入力以前のところで時間をかけてしまい、明治16年と現在の道路、水、緑の環境変化の比較は、道路しか十分に行うことができなかった。また、道路の比較においても地図データだけで終わってしまった。

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齊藤教諭

2004年度は、明治16年との比較するデータとして他の時期(昭和37年、47年、52年等)の地形図データも入力すること、また、実際に現地調査を行い、明治期の町並みが残っている場所を探し出し、その景観を画像に残していくことも行ってみたい。

その他にも2003年度の研究において現在のつくばのベースマップが完成したので、当初の予定通り、環境調査なども行い、その結果を地図化することや、平成2005年に開通するつくばエクスプレスのルートを入力し、開通によりつくばがどのように変貌を遂げていくかを検証していきたいと考えている。

 

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掲載日

  • 2005年1月1日

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