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職員等の「旅費精算」「通勤申請」の経路計算にGISを活用

山口県地域振興部 情報企画課

 

電子県庁におけるGISの活用

旅費精算にGISを使用することで正確な距離の算出を可能に!電子県庁システムに組み込まれたGISの6つの特徴

電子県庁

山口県では、「行政サービスの向上」「開かれた県政の実現」「行政事務の効率化・高度化」を目的とした「電子県庁システム」を構築している。

電子県庁システムの中でも職員向けサービスの中核となる基幹システムとして文書管理事務、総務事務等を電子化しており、『GIS機能』は、主として県職員が「旅費精算」や「通勤申請」を行う場合の経路計算機能として電子県庁システムという大きな仕組みの中に組み込まれている。

電子県庁基幹システムは、平成21年10月より第二期システムの運用を開始しており、山口県職員(本庁・出先機関・県議会・警察本部・県立学校など)約15,000人が利用している。

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電子県庁システムの仕組み

GIS導入の目的

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GISの構成

電子県庁基幹システムにGIS機能を組み込んだ背景には、総務事務集中化という機構改革に伴い、各種申請手続に本人申請主義を採用した事が大きい。

また、山口県は古くから道路整備に力を入れたことから道路網が充実しており、一部の離島を除けば県下全域が日帰り出張圏であることや中山間地域が多いこともあって、業務の遂行には車での移動が不可欠となっている。公共交通機関の利便性の悪さや公用車が必要最低限の台数に絞り込んでいることもあって、通勤は無論のこと、業務上の出張においても、マイカー利用が多い実態にある。

このため、職員がマイカーを日常業務で使用する際、移動距離をもとに旅費(燃料費相当)の精算を行っているが、精算の根拠となる移動距離を算出するため、GISによる「経路計算」から導きだされた値を精算根拠とし、路程と走行距離に係る申請と記録の管理を行っている。

GISシステムの特徴

GISシステムを構築するうえでのポイントは、大きく以下の6つの点があげられる。

~マップキャッシュ~

GISで利用する地図データは、山口県のほか、実際の出張で利用することのある隣接する広島県、島根県、福岡県の3県のデータが含まれる広範囲なものとなっている。このため、データ量の増大に伴う画面描画速度の劣化が懸念されたが、この対応策として、地図データのマップキャッシュを作成し、データ量を圧縮することで、ストレスのないレスポンスを確保した。

~地点登録~

経路検索には起点と終点の設定が必要となるが、利用頻度の高い目的地などを予めマスター化することで、目的名称から出発点(起点)、到着点(終点)を自動設定できるようにしたことで、地図上でその都度最初から目的地を探す手間を省いた。

~履歴保存~

移動経路の結果を履歴として保存できる機能を付加したことにより、毎年の地図の更新と一致した経路履歴を保存し、旅費計算根拠として過去の経路情報の参照を可能とした。

~道路の補完~

山間部などの、地図に道路データが存在しない場所に、新たに道路線を作成する機能を付加したことで、正確な距離計測を可能とした。

~経路の修正~

GISによるルートの検索は、最短経路を抽出するが、災害や道路事情などにより迂回しなければならない場合もあり、最短経路とは異なる経路を走行することもある。このため、地図上に経由点を設定する機能を付加し、道路事情にあったルート変更の設定を可能とした。

~経路の印刷~

経路検索結果を記録として印刷する必要があるため、ブラウザの印刷機能を使用し、地図およびルート検索に使用した条件もあわせて印刷できるようにした。

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旅費精算GISの画面

効果

旅費精算にGISを導入したことによる効果としては、精度の高い経路距離算出が可能となったことで、旅費精算に精確性が保てるようになったことが一番にあげられる。また、県内全域を網羅した経路のデータを整備したことにより、土木部門や農林部門において、「現場主体」の出張報告が詳細に行えるようになった点もあげられる。さらに、住宅地図の導入・利用により、「番地」まで詳細に検索することができ、業務利用の範囲も拡大した。

課題と今後の展開

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作業の様子

今後の課題としては、日々変わる道路状況に対応するため、継続的なデータのメンテナンスが必要となること、また、利用者数の増加と同時アクセスの集中によるレスポンスの制御が必要となる点があげられる。

山口県では、今後の展開として、GIS機能を様々な業務で活用できるよう検討を開始している。

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掲載日

  • 2011年1月1日

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