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東北初!交通事故情報を ArcGIS Online を活用して住民向けに公開 交通事故発生から情報公開までの業務がスピーディーに

福島県警察本部

 

概要

国内で 3 番目に大きい面積を有する福島県は、浜通り、中通り、会津地方の 3 つの地域に分かれ、それぞれの地方では、気象や道路事情が異なることから交通事故の発生傾向も違っている。また、現在整備が進む県内の東北中央道や常磐道によって県内の住民だけでなく観光客や物流でも県内の交通状況が変化してきている。
交通事故発生の減少に取り組む福島県警交通部(以下、福島県警)では、県内で発生した交通事故情報を収集・分析し、その情報を 2016 年 12 月よりクラウド版 GIS である ArcGIS Online を活用し、住民向けに交通事故発生状況を地図上で確認できる「交通事故情報公開システム」の運用を開始した。

図 3 地図中の建物の色分けの基準
交通事故情報公開システム 交通事故発生状況マップ

課題

福島県警では、県内で発生した交通事故について、損傷状況、場所、年齢層などの現場で記録した交通事故情報を庁内のシステムで管理している。その情報を基に交通事故の傾向や発生状況の分析を行い、交通事故発生の減少に向けての取締りや安全教育の活動に活用してきた。特に安全教育においては、各警察署が中心となり、地域の交通事故情報を基に、地域や学校と連携しながら、事故が多く注意が必要な地点を把握できるようなヒヤリ・ハットマップの作成などの取り組みを行ってきた。
しかし、ヒヤリ・ハットマップは作成に関わった人たちへの注意喚起は行えるものの、完成したマップを見られる人が限定されてしまうため、多くの人への注意喚起には限界があった。
そのため、多くの人に地元の危険なポイントを認知してもらい、これまで以上に分かりやすく、誰にでも見てもらえる環境を整備するため、2015 年から新たな交通事故情報の公開方法の検討を開始した。また、閲覧のデバイスについては、子供を持つ若い世代や外出時にもアクセスできるようにスマートフォンへの対応も条件に加えられた。

ArcGIS の採用理由

福島県警では、これまでにもヒヤリ・ハットマップなど、交通事故の情報を地図上に表示してきたことから、地図を活用することで、住民にも交通事故の発生状況を把握しやすいと考えた。検討当初は、他の都道府県での事例を探したが、一般向けに地図を使って交通事故状況を公開している例がほとんどなかった。そのため、情報が少ない中、新しい試みということで、できるだけコスト・手間をかけずに実現できる方法を探していた。
そこで、コストを抑え、地図上に情報を一般向けにも公開が可能な ArcGIS Online のライセンスが付属し、公開情報の加工・編集を行うことが出来る ArcGIS Desktop を採用した。

課題解決手法

交通事故情報の公開に向けて、まずは加害者・被害者に関わる個人情報も含まれることから、プライバシーに配慮して、公開情報について議論を重ね、交通事故の発生日、時間帯、第一当事者の年齢層、天候、発生箇所と道路の形状、事故の重大さ、事故の種類とすることにした。
公開にあたり管理している交通事故データを一旦 ArcGIS Desktop に取り込み、交通事故の発生箇所の位置を必要に応じて修正した後、公開用の ArcGIS Online へアップした。
交通事故情報公開システムでは、住民に分かりやすく、関心を持ってもらえるように、事故発生情報の地点だけでなく、事故の種類による色分けにより重大事故の発生箇所もひと目で分かるようにした。
また、Operations Dashboard for ArcGIS を活用し、市町村、管轄署、気象、年齢層別に事故件数をグラフ化した。
さらに公開後には、交通事故が発生した年別に情報をみられるようにするなど、改善をしながら見せ方の工夫を重ねて来た。

市町村別の交通事故状況
市町村別の交通事故状況

周辺の交通事故情報
周辺の交通事故情報

2018 年時点では以下の5種類のマップを閲覧することができる。

・交通事故発生状況マップ
・毎月の交通事故発生状況マップ
・周辺の交通事故情報マップ
・交通事故情報集計ダッシュボード
・交通事故発生状況マップ(スマートフォン)

交通事故情報公開システム用QRコード
交通事故情報公開システム用QRコード

なお、スマートフォンへの対応については、ArcGIS Online が持つテンプレートを利用することで簡単に実現することができた。
交通事故情報公開システムは、福島県警のホームページからアクセスできる。

効果

これまでは、交通事故の情報を個別に抽出して管轄する各警察署へ提供していたが、交通事故情報公開システムにより、福島県警の職員が更新業務を行うことができるため、交通事故発生からスピーディーかつタイムリーな情報公開が実現できた。
また、各署でも県内全体の状況を把握できるため、隣接する地域との連携も容易になった。
交通事故情報の一般向け公開は、東北地方で初めての試みであったことから、公開後に新聞社から取材を受け、紙面で紹介された。また、交通事故情報公開システムへのアクセス数が増加している状況から、マップの公開が住民向けの有益な情報提供の手段であると推定された。

交通事故発生状況(スマートフォン版)
交通事故発生状況(スマートフォン版)

今後の展望

県内の交通事故を抑止するため、住民に交通事故情報公開システムの認知を高める広報活動を検討している。将来的には、県外から来る方々にも交通事故が多い箇所を事前に把握していただき、安全に観光してもらえるようにしたいと考えている。
福島県警では、交通事故情報公開システムを通じて、最も身近に潜んでいる交通事故という脅威に対する関心を高め、交通事故減少に貢献できるよう取り組みを続けていく。

プロフィール


福島県警察本部庁舎


福島県警シンボルマスコット
福ぼうしくん、福ぼうしさん


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掲載日

  • 2019年4月11日

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