森林・林業界での“あるある”な悩み事をテーマに対して、ArcGIS(※1)でどのように解決できるかを 3 回に分けて紹介します。
最終回となる 3 回目は、森林施業や森林調査を行う林業事業体や都道府県、市町村から聞こえてきたこんなお悩みです。
◆今回のお悩み
「天候の急変が増えている中で、安全対策が現場任せになってしまうのは不安!」
○ 具体的な課題/現状行っている対策と不満
- 現場の安全対策のため作業前には必ず KY(危険予知)活動をしているが、結果を活用できていない!
- 事務所側では、誰がどこでどんな作業をしているのか正確に把握できないため、万が一の時のフォローが難しい!
- 雨による現場作業の危険を回避するため天気予報をこまめにチェックしているが、現場で注意すべき箇所や退避ルート等の把握まではできていない!

○ ArcGIS 製品の活用による解決策
「ArcGIS Online」および ArcGIS 製品の現地調査アプリ「Survey123 for ArcGIS」、「Collector for ArcGIS」を利用すると、林業の安全対策に関する課題を以下の方法で解決できます。
- 現場の安全対策のため作業前には必ず KY(危険予知)活動をしているが、結果を活用できていない!
→「Survey123 for ArcGIS」で KY チェックシートを用意すれば、オフラインでも手持ちのスマホで簡単に実施できます。また、調査の都度、ヒヤリ・ハットを記入するようにすれば、現場作業の際に重点的に注意すべき事項を客観的に評価できます。
- 事務所側では、誰がどこでどんな作業をしているのか正確に把握できないため、万が一の時のフォローが難しい!
→「Collector for ArcGIS」で現場の作業情報を登録することで、作業実施場所と作業実施状況がリアルタイム(通信環境がない場合は、通信が繋がった際に同期)で把握できます。また、施業履歴を同時に整備・蓄積できる効果もあります。
- 雨による現場作業の危険を回避するため天気予報をこまめにチェックしているが、現場で注意すべき箇所や退避ルート等の把握まではできていない!
→「ArcGIS Online」の Web アプリ構築ツール「Web AppBuilder for ArcGIS」で、林小班データや路網の情報、リアルタイム降雨量予測データ等を重ね合わせて分析できる Web アプリを構成すれば、ゲリラ豪雨等の局所的な降雨情報を常に監視するだけでなく、日常業務でも森林 GIS として利用できます。

○ ArcGIS 製品であることの強み
ArcGIS Online は、Suvey123 for ArcGIS や Collector for ArcGIS といった現地調査アプリとリアルタイム連携している他、降水ナウキャストや台風進路情報といった外部配信されているリアルタイム情報も、あたかも自分の PC のフォルダにデータがあるかのように即座にマップに追加できます。
◆今回紹介した製品
Survey123 for ArcGIS
Collector for ArcGIS
Web AppBuilder for ArcGIS
※1 ArcGIS は、組織の課題解決における業務の一連のワークフロー(情報の取得、分析、共有、利用)に地理的な視点(マップ)を付加して活用できる「プラットフォーム」です。
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