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ユーザー様からご応募いただいたマップとストーリーマップを公開しています。
今回もたくさんのマップが集まりました。皆様のお気に入りのマップは見つかりましたか?

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マップ部門

揖斐川町防災ハザードマップ

M01揖斐川町防災ハザードマップ

株式会社 三栄コンサルタント
下境 敏広 氏

揖斐川町防災ハザードマップは、災害リスク(ため池浸水災害、土砂災害)や避難所などの施設情報などを示した防災ツールとして、地域住民に分かりやすく提供することを目的とした。ArcGIS にて災害リスクや避難所などの位置情報を管理したベースマップを作成し、住民配布印刷データとして、Adobe Illustrator にて地形や危険区域を視覚的に示す地図面を作成した。地図面では、災害リスク(土砂災害と浸水区域)を直感的に判断できる色調を採用し、かつ山地と平地の地形状況を分かりやすく表現した。情報面では、住民目線を主眼に、災害リスクと地形の関係をイラストでビジュアル化し、災害時の適切な避難のあり方をチャート形式で示した。また、防災情報が迅速に入手できるように QR コードで示すなど、様々な創意工夫と手に取って扱いやすい A3 サイズ(両面印刷)で作成した。このハザードマップが、普段使いの地域の地図としての活用も含め、有益な防災ツールとして地域に実装され、ハザードマップの代表事例となることを目指した。

獣害対策檻への IOT カメラの設置と動物出没状況の分析 ー富山県砺波市栴檀山地区における事例報告ー

M02獣害対策檻への IOT カメラの設置と動物出没状況の分析 ー富山県砺波市栴檀山地区における事例報告ー

富山大学 都市デザイン学部都市・交通デザイン学科
土屋 泰樹 氏・安江 健一 氏

イノシシの農作物被害を抑止するため捕獲用の檻が設置されている。その檻へクマが入ってしまった場合には、餌やり等を管理する近隣住民への被害が予測される。そこで檻へ IoT カメラを設置し、動物が出没した際に即時にスマートフォンへ通知が来るシステムを構築した。そして得られた画像データを元に動物出没状況を分析し、GIS を用いて可視化し、地域住民へ発表会を開催した。出没状況は檻設置場所や餌やりの頻度等によって異なることが明らかになった。本システムにより安全で効率的な獣害対策の推進されることが望まれる。本報告は富山大学都市デザイン学部で開講した2023 年度「地域デザイン PBL」の授業成果を元にしている。

山間部地域における防災を考える

M03山間部地域における防災を考える

富山大学 都市デザイン学部都市・交通デザイン学科
木村 朝水 氏・土屋 泰樹 氏・安江 健一 氏

2023 年 7 月に発生した線状降水帯に伴う豪雨により、富山県砺波市栴檀山地区は土砂崩れの被害を受けた。山間の急峻な地形の上に位置する栴檀山地区では、豪雨時の安全な避難を妨げるさまざまな障害があると考えられる。そこで我々は、土砂崩れ発生箇所と避難訓練時の GPS データを GIS 上で可視化することで、被害の実態把握と避難の課題調査を行なった。解析の結果、避難経路の選択肢が少ない現状や、避難経路上で規模の大きな土砂崩れが複数箇所発生している事例が確認できた。本調査によって、地域特有の避難行動の課題が見えてきた。本報告は富山大学都市デザイン学部で開講した 2023 年度「地域デザイン PBL」の授業成果を元にしている。

東日本大震災からの復興事業に伴う地形改変の定量評価

M04東日本大震災からの復興事業に伴う地形改変の定量評価

大阪公立大学 工学研究科
杉本 賢二 氏

東日本大震災から 13 年が経過し、福島県の帰宅困難区域を除いて、交通インフラの整備や住家の再建が概ね完了した。東北地方の太平洋に面する被災地域では、「災害に強いまちづくり」を目標に、津波浸水リスクの低減に向けた防潮堤や幹線道路の建設、住宅の高台移転、低地の嵩上げといった大規模な復興事業が広範囲で行われた。本研究では,震災直後と現在の DEM を用いた標高差分により、震災後における標高変化を推計した。その結果、宅地造成や市街地の土地嵩上げといった市街地整備だけでなく、浸水区域を避けるように山間部に敷設された三陸沿岸道路では,盛土切土の連続区間が見られた.以上のように,震災直後と現在の DEM を用いた標高変化を推計し、復興事業に伴う人為的な地形改変を可視化することができた。

市民はごみの廃棄者だが海洋ごみの解決者にもなれる

M05市民はごみの廃棄者だが海洋ごみの解決者にもなれる

山陽学園中学校・高等学校 地歴部 様

海洋ごみ問題の原因の約 7 割は陸域で廃棄され、河川を通じて海洋流出する生活ごみです。この問題の解決には回収活動で現在の堆積量を減らすことと、啓発活動で未来の発生量を減らすことです。しかし、日常生活において回収と啓発作業は難しく、一部の意識の高い人の活動に限られています。生活ごみの廃棄者は全ての市民ですが、一部の市民による解決は難しいと考えます。そこで市民を解決者にする取り組みとして、シビックテックの応用を考えました。市民がスマホを活用して隙間時間に見つけた散乱ごみの種類・個数・位置情報・写真などを記録して送信するだけ。この蓄積データを地図化することで、ごみのホットスポットが明確になりました。この地図により効率的な清掃活動が実現しました。さらに、行政データや企業データと組み合わせることで課題解決に至る基礎データとなったのです。市民はごみの廃棄者であるが、簡単に解決者にもなれるんだ!

金融機関の分布と他の地理的分布の類似性に基づく都市の分類

M06金融機関の分布と他の地理的分布の類似性に基づく都市の分類

⻘⼭学院⼤学 経済学研究科
丁 兆⽂ 氏

日本の 40 都市における金融機関(銀行、信用組合・信用金庫、郵便局)の分布と、地理的特徴(地価、人口、鉄道駅距離)との相関関係を明らかにすることを目的としている。この分析は GIS(カーネル密度推定、IDW)、Excel(ピアソンの相関係数)、R(クラスター分析、主成分分析)を使用する。研究の結果、データを基に主成分分析とクラスター分析を用いて都市を 6 つの種類に分類した。これらの種類は、金融機関の立地と地理的特徴との関係性に基づいており、各種類は地価、鉄道駅、人口密度との相関によって異なる特性を持つ。例えば、一部の種類では金融機関が人口密集地に集中している一方で、別の種類では地価が高い地域や鉄道駅周辺に立地する傾向がある。この分析は、金融機関の立地選択が経済的な利便性だけでなく、地域の特性や文化、人口動態、都市計画など複合的な要因によって左右されていることを示している。

琵琶湖に生息するフナ類が産卵可能な水田の分布把握

M07琵琶湖に生息するフナ類が産卵可能な水田の分布把握

木更津工業高等専門学校 環境都市工学科・空間情報工学
田中美羽 氏・澤田瑞穂 氏・髙宮青空 氏(木更津工業高等専門学校)、佐久間 東陽 氏(木更津工業高等専門学校・国立環境研究所)、西田一也 氏・末吉正尚 氏・池上真木彦 氏・中田聡史 氏・山野博哉 氏・馬渕浩司 氏(国立環境研究所)

琵琶湖に生息するニゴロブナは、地域の漁業と伝統的な食文化に欠かせない存在であるが、現在、絶滅の危機に瀕している。そのため効果的な産卵場の確保が喫緊の課題となっている。琵琶湖地域では、伝統的に水田が魚のゆりかごとして機能してきたが、現在では一時的なものを含めた転作が問題となっている。そこで私たちはリモートセンシングと GIS を組み合わせてフナ類が産卵可能な水田の空間分布を可視化した。その結果、滋賀県内では地域によって水稲作付率が変動しているが遡上可能範囲内外で水稲作付率に差は見られなかった。今後は、より生態系保全を考慮した作付体系計画の策定が必要であることを示唆している。

日本で一番新しい国立公園 奄美群島国立公園の豊かな自然や文化の面白さに触れる地図

M08日本で一番新しい国立公園 奄美群島国立公園の豊かな自然や文化の面白さに触れる地図

株式会社 地域環境計画 環境共生推進部
増沢 直 氏・今野 尚美 氏・五反田 千晶 氏・荒尾 章子 氏・佐々木 道子 氏・鈴木 美穂 氏

奄美の島々には、豊かで多様な自然環境と、固有で希少な動植物からなる生態系、人と自然のかかわりから生まれた文化景観が残され、島ごとに個性的で魅力ある自然や歴史、暮らしを感じる体験を楽しむことができます。 「奄美群島国立公園自然環境アトラス」では、生きものや人の暮らしの基盤となる自然環境の情報を中心に、土地利用や保護地域制度などの人の営み、人と自然のかかわりによる環境文化の情報について、24 枚の地図に整理しました。地図を眺めながら奄美群島の豊かな自然や文化に思いをはせ、その面白さに触れていただけましたら幸いです。

JAMSTEC 船舶による調査・研究の足跡 ー航跡マップー

M09JAMSTEC 船舶による調査・研究の足跡 ー航跡マップー

株式会社 マリン・ワーク・ジャパン 海洋地球科学部 海洋情報システム室 データ管理課
植草 誉志 氏・安部 文雄 氏(株式会社 マリン・ワーク・ジャパン)、川上 創 氏・福田 和代 氏(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、1980 年代から船舶を用いた海洋調査・研究を世界中で実施しています。日本国外での船舶を用いた調査・研究には様々な制約があるため、海洋保護区や排他的経済水域等の最新状況を地図上でも把握しながら、事前に手続きを行った上で調査・研究を実施しています。さらに、実施された調査・研究から得られたメタデータと観測データを一元的に管理するとともに、データの品質管理を行っています。この航跡マップではこれまでに調査・研究した海域を確認することができます。さらに学術研究や教育に広くご活用頂くため、観測データは「航海・潜航データ・サンプル探索システム(DARWIN)」、クルーズレポートは「クルーズレポート・データブックカタログ」を通じてダウンロードできます。また、船舶を用いて海洋に設置された観測ブイ等の観測情報については「係留系観測カタログ」で閲覧できます。

ArcGIS Online をプラットフォームとした 4 次元的都市モデルの公開と活用

M10ArcGIS Online をプラットフォームとした 4 次元的都市モデルの公開と活用

京都産業大学 文化学部 准教授 博士(文学)
桐村 喬 氏

国土地理院が撮影・公開している空中写真からは、過去の時点の3次元都市モデルを生成できる。これまでに、いくつかの都市・地域を対象に、過去の時点の 3 次元都市モデルを複数作成することで、4 次元的な都市モデルを構築してきた。これらは ArcGIS Online のシーンやアプリとして公開してきており、JavaScript を用いて空間を切り取って、一部だけ過去の時代を表示するような仕組みも作成している。また、3 次元都市モデルの生成時に作成できる、DSM(数値表層モデル)を用いて、都市空間の 4 次元的な変化の過程を分析したり、災害時の被害状況の可視化などを行っている。今回のマップでは、ArcGIS Online を主なプラットフォームとした、これらの成果をまとめて紹介する。

苗字の“偏り”を可視化する ~全国大字町丁目別苗字マップ~

M11苗字の“偏り”を可視化する ~全国大字町丁目別苗字マップ~

株式会社 東京地図研究社 ジオ・テクノロジーグループ
小竹 尊晴 氏

苗字の分布については昔から多くの関心が寄せられていますが、地域ごとの分布の特徴についてはあまり注目されていません。このマップでは電話帳のデータを利用して、全国の大字町丁目における苗字の「偏り」を 2 つの指標で表現しました。円が大きく、色が濃い地点ほどその地域の苗字が偏っている、すなわち特定の苗字が集中していることを表しています。苗字の「偏り」にも地域性があり、同姓が多い地方とさまざまな苗字から構成されている地方があることがわかります。また、全国的な世帯数の多い苗字に目を向けると、それらの多くが特定の地方に集中しており、必ずしも全国にまんべんなく分布するわけではないことをランキング表とマップから見て取ることができます。

地理空間情報を活用した地区防災マップ作成のための取り組み

M12地理空間情報を活用した地区防災マップ作成のための取り組み

九州大学 工学府 土木工学専攻
菅原 巧 氏

地区防災マップとは、災害時の自助・共助を促進するために作られたツールです。このマップには、地域の危険箇所および安全な避難経路・一時避難場所が記されており、通常のハザードマップに加えて「地域の災害リスク」を考えることができます。本取組では、住民・行政・専門家が地域の情報を共有し、災害リスクについて考えるワークショップを通じてマップを作成しました。このワークショップには、現地調査で危険箇所を探す「まちあるき」と、その調査結果を基に地域のリスクを話し合う過程が含まれています。また、ArcGIS Pro を用いて調査からリスク解説、マップ作成までの一連のプロセスをシームレスに実施しました。このポスターでは、リスクコミュニケーションの流れと専門家によるリスクの解説を紹介しています。

コナラが大ピンチ! @ 自然教育園 ~ナラ枯れ 5 年間の記録から~

M13コナラが大ピンチ! @ 自然教育園 ~ナラ枯れ 5 年間の記録から~

NPO 法人 地域自然情報ネットワーク
梶並 純一郎 氏(NPO法人地域自然情報ネットワーク)・下田 彰子 氏(国立科学博物館附属自然教育園)・八木 正徳 氏(ささりんどう植生調査室)

自然教育園では、2019 年 4 月にはじめてカシノナガキクイムシによるコナラの立ち枯れ被害(以降ナラ枯れ)が確認されました。それを受けて 2020 年度以降 4 年間にわたり、コナラ中心にナラ枯れの被害調査を実施しています。ポスターでは、その発生状況を、カシノナガキクイムシに穿孔されて枯死した個体、穿孔されたが枯死しなかった個体、穿孔がなかった個体に分け、調査結果と位置情報を元に、マップとグラフを使って時系列的な変化を表現しました。あわせて、一連の研究で得られた知見の一部も紹介しています。

レジリエンスの響き:日本の音楽イベント復活の地図

M14レジリエンスの響き:日本の音楽イベント復活の地図(Echoes of Resilience : Mapping Japan’s Live Music Revival)

東洋大学 国際観光学部 准教授
杉本 興運 氏

本ポスターは、日本のライブエンタテインメント業界がコロナ禍によって大きな打撃を受けた時期とその後の回復過程を、イベント開催件数の地図・グラフを使ってビジュアル化しています。分析対象は、2019 年から 2022 年までの有料な音楽イベントの個票データです。2019 年は最も活況を呈していましたが、2020 年に入るとパンデミックの影響で急激に落ち込みました。しかし 2020 年後半から持ち直し、2022 年には、めざましい回復を遂げています。この軌跡が月別推移グラフに表れています。そして、都道府県別データでは、大都市圏でのイベント開催数の多さと、地域によるパンデミックの影響度や復活のスピードの違いがみてとれます。さらに、音楽イベントが集中する東京都の 3 次メッシュマップでは、都心部やその周辺でのイベント開催件数の変化が可視化されています。ライブ音楽イベントには人の心を揺さぶる力があります。本ポスターは、一時途絶えかけた市場の活力が急速に復活していく様子を克明に示しています。

令和 6 年能登半島地震建物被害推定

M15令和 6 年能登半島地震建物被害推定

国際航業 株式会社 事業統括本部 RS ソリューション部リモートセンシンググループ 主任技師
本田 謙一 氏

令和 6 年(2024年)1 月 1 日 16 時 10 分。石川県能登半島で発生した最大震度 7 の大地震では、強い揺れや津波で多くの建物が倒壊した。交通網の被害が大きく現地へたどり着けない大規模災害ではリモートセンシングが有効である。能登半島地震では当日から多くの光学・SAR 衛星撮影や航空機観測が行われ迅速な被害状況の把握が行われた。このマップは道路が寸断されている中、人工衛星により建物の被害を捉えた結果である。能登半島地震では発災一週間後までにLバンドの ALOS-2 と C バンドの Sentinel-1 で観測が行われた。ここでは干渉 SAR 解析による干渉性の低下と二つの波長の SAR 衛星の感度の差を組み合わせた建物被害抽出を行った。解析結果より、能登半島先端の震源域に近づくにつれて建物被害が多くなっている様子が把握できた。特に石川県輪島市の火災焼失地区は他の領域と比較しても大きな被害が確認された。

水害常襲地域・南アルプス市の避難所足りている?

M16水害常襲地域・南アルプス市の避難所足りている?

筑波大学 理工情報生命学術院 生命地球科学研究群 地球科学学位プログラム
五十嵐 純護 氏

甲府盆地の西部に位置する南アルプス市は御勅使川扇状地上にあり、かつて頻繁に水害があったため、先人は信玄堤や石積出などの治水施設を建設した。近年、水害は発生していないが、現在もそのリスクは高いため、いつ大規模な水害が発生してもおかしくない状況にある。そのため、避難所の充足・不足状況について、ArcGIS Pro でボロノイ分割や面積按分などの手法を用いて分析したところ、市内の大部分の地域で避難所が不足していることが明らかになった。避難所の整備や,豪雨時の早期避難の普及啓発が必要になると考えられる。

日本の中規模都市の持続可能性に向けた社会経済データの整理と政策共通性マッチング

M17日本の中規模都市の持続可能性に向けた社会経済データの整理と政策共通性マッチング

岐阜大学
麻生 茉乃加 氏

日本の中規模都市に焦点をあて、人口や面積、病院や教育施設、商業施設の数より政策の共通性を探しグループ化したマップである 。まちの規模で行うことができる政策は異なってくるため、政策共通性のあるまちをマッチングすることで、産業の活かし方や子育て世代の支援、高齢化対策等のより現実的な課題解決や政策決定につながると考えている。これらのマッチングにより自身のまちが、どのまちと似ているのかが明確になり、その場所に合ったまちづくりをグループ内の特性を理解しながら進められると、まちの質も向上していくと考えている。

J リーグにおけるチーム強度と地域特性の関係について

M18J リーグにおけるチーム強度と地域特性の関係について

岐阜大学 社会システム経営学環
宮川 晃多 氏

日本サッカーのトップリーグにあたる J リーグは「地域に根差したスポーツクラブ」を核に「豊かなスポーツ文化の醸成」を理念の一つとしている。1993 年の開幕当初は 8 都道府県 10 クラブのみであった J リーグだが、2024 年には 41 都道府県 60 クラブまで拡大した。本作品は、その 60 クラブを対象に、チーム人気の大きな要因であるチーム強度(過去のリーグ戦の順位等から算出)と地域特性(地勢、気候、人口等)の関係について検証し、マップ上で表現することで、都道府県ごとの特徴を可視化したものである。

地図を地図化する!? 2 万 5000 分の 1 地形図更新履歴の 3 次元表示

M19地図を地図化する!? 2 万 5000 分の 1 地形図更新履歴の 3 次元表示

立命館大学 文学部
柚山 道明 氏

2024 年現在、日本全国で 4416 面が整備されている 2 万 5000 分の 1 地形図のはじまりは、1910(明治 43)年の測量にあります。以来、大戦前後の作製停滞期や、1983(昭和 58)年の全国整備完了、21 世紀初頭の世界測地系導入と、世紀を超えて 2 万 5000 分の 1 地形図は刊行されてきました。地域の変化に合わせ何度も何度も各地域の地形図は更新がなされています。今回は、その更新履歴から地域の変化や地域間の差異を映し出すことを目指し、「地図の地図化」を行いました。近畿の 2 府 5 県を対象に、2 万 5000 分の 1 地形図の各図郭の更新履歴の 3 次元表示を行っています。鉛直方向が時間軸を示し、各図郭においていつごろ、どのくらい更新がなされてきたのかがわかります。また、「改測」や「鉄補」などといった更新履歴の内容についても区別しています。どの地域の整備が早かったのか、たくさん整備されてきた地域はどこか、などなど、注目しながら、お楽しみください。

富士山噴火!そのとき命の源・水の確保はどうなる!?

M20富士山噴火!そのとき命の源・水の確保はどうなる!? ー富士山噴火時の広域降灰状況下における水道被害のリスク分析ー

筑波大学大学院
前川 凜 氏・神場 千穂 氏・高木 裕太 氏・上田 啓瑚 氏(筑波大学大学院理工情報生命学術院システム情報工学研究群リスク・レジリエンス工学学位プログラム)、庄司 学 氏(筑波大学システム情報系)

本研究では、我が国に多数存在する活火山の水道インフラへの降灰リスクの検討として、富士山が噴火した場合に水道施設が受ける被害とその影響について取り上げる。富士山火山防災対策協議会「富士山ハザードマップ(改定版)検討委員会報告書」の降灰予想を GIS ポリゴンデータ化し、国土数値情報ダウンロードサイトの上水道関連施設データや 500m メッシュ人口データと組み合わせ、ArcGIS Pro を用いて分析を行った。その結果、悲観的シナリオ(8月)で噴火した場合、関東甲信及び静岡県の人口の 84.0 % で水道水の飲用が不可能になり、68.5 % で水道水の供給が完全に停止する可能性が示された。また、水道水が飲用不可となる被害を受ける 4,479 万人に対し、1 日当たり 13,437 万リットルもの飲料水の供給が必要となる可能性があることも明らかになった。今後さらに、噴火時における水道インフラ被害への対策が求められるだろう。

どこからどこへ法人は動くのか? 法人登記の移転ダイナミクス

M21どこからどこへ法人は動くのか? 法人登記の移転ダイナミクス

筑波大学大学院
木﨑 拓真 氏・松尾 和史 氏・堤 盛人 氏

2015 年に法人番号制度が開始され、法人番号公表サイトを通じて、法人登記に関する基本 3 情報(商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号)を一般に利活用できるようになった。そこで、我々は Web-API 機能を用いて制度開始からの法人の所在地のデータを収集した。東京 23 区内外における法人の移転に着目し、人口動態のように東京への一極集中が起きているのか、検証をした。2019 年から 2021 年までの、23 区への転入数、23 区からの転出数を見ると、一貫して転出数が転入数を上回っていることが分かった。また、2020 年 6 月以降、転出超過の傾向は強まっており、毎月 200 件前後の法人が 23 区から流出している。2021 年における市区町村ごとに 23 区への転出・ 23 区からの転入数を見ると、23 区から 23 区近郊への移転が多いことが分かる。一方で、地方間への移転・地方からの移転も相当数存在することも分かる。

自然素因から予測した千葉県房総半島の風倒木発生リスク

M22自然素因から予測した千葉県房総半島の風倒木発生リスク

木更津工業高等専門学校 環境都市工学科
金子 粋 氏・品田 晴己 氏・志村 啓太 氏・杉本 脩 氏・島﨑 彦人 氏

令和元年の台風 15 号の接近・通過にともなう暴風により、千葉県内の広い範囲で風倒木が発生しました。風倒木の発生は、森林経営に経済的損失を与えただけでなく、隣接地の交通網や電線網に作用することで、交通障害や通信障害、停電などの被害を地域にもたらしました。強い勢力の台風は、地球温暖化の影響により、今後も増加傾向にあると予測されていることから、風倒木に起因して被害や悪影響が生じる現象、すなわち風倒木災害の再発と激化が懸念されています。風倒木の発生リスクを事前に予測し、可視化した地図は、風倒木災害の未然防止策や被害軽減策を検討するうえでの重要な基礎資料になると期待できます。我々の研究チームでは、「風倒木は耐風性能の低い樹木に暴風が作用して発生する」との基本的な考え方に基づき、樹木の耐風性能やそれぞれの場所の風向・風速に影響を与える自然素因のデータから、千葉県房総半島の風倒木発生リスクを予測しました。

雪は、いつ、どこから、どのようにとけるのか

M23雪は、いつ、どこから、どのようにとけるのか ~Niseko United Case Study~

酪農学園大学 環境共生学類
吉村 暢彦 氏・フルカワ・フラビオ 氏

「今シーズンは、いつから、いつまで滑ることができるのか」は、スキー場、スノースポーツ愛好者にとって最も重要な情報のひとつです。近年、雪不足によってオープンができない、または、高温による融雪で予定よりも早くクローズせざるを得ないようなケースも散見されるようになってきました。気候変動下において、人工降雪機の導入等も含め、スキー場の雪の管理は今後重要な課題です。そこで、今回、高頻度撮影が可能な衛星画像(Planetscope: https://www.planet.com/)を用いて、融雪の状況を可視化しました。日本のスキー場における GIS やリモートセンシングの活用は進んでいないように感じます。現状を可視化することで、現場の方は考えることができます。経営改善、気候変動への適応策の検討等、我々の分野は、できることがまだまだあるのではと思っています。

SDGs 達成に向けた進捗の可視化 ー東京都の市区町村を事例にー

M24SDGs 達成に向けた進捗の可視化 ー東京都の市区町村を事例にー

慶應義塾大学 川久保俊研究室
川久保 俊 氏・今井 隼人 氏(慶應義塾大学大学院理工学研究科)、尾崎 心太郎 氏・木村 悠太郎 氏・野﨑 千尋 氏(法政大学大学院デザイン工学研究科)

2030 年までに全世界で持続可能な開発目標(SDGs)の達成が求められている。そのために、SDGs 達成に向けた進捗を測定し、これまでの取組を振り返るフォローアップ・レビュー(FUR)が推奨されている。 FUR を身近に感じていただくために、東京都の市区町村における SDGs 達成への進捗を測定した。17 の目標毎に代表的な指標を 1 つずつ選定し、2015 年 2020 年の指標値を ArcGIS を用いて可視化した。東京ミッドタウンが位置する港区や皆様と所縁のある地域に注目すると、何か気づきがあるかもしれない。

UAV を用いた宮城県伊豆沼・内沼の水鳥(マガン)の個体数カウント

M25UAV を用いた宮城県伊豆沼・内沼の水鳥(マガン)の個体数カウント

酪農学園大学 環境共生学類
米山 和希 氏・小川 健太 氏・環境空間情報学研究室一同 様

私たち酪農学園大学 環境共生学類 環境空間情報学研究室では、水鳥であるマガンの個体数カウントのために、UAV を用いてマガンがいる水源の上空から空撮画像を撮り、そのデータをもとに AI を使用して個体数カウントを行っています。秋には北海道美唄市にある宮島沼、冬には宮城県登米市にある伊豆沼・内沼で撮影しています。今回のポスターは、2023/12/21 に宮城県登米市にある伊豆沼・内沼で撮影した空撮画像をもとに ArcGIS Pro を使用して一枚の画像につなぎ合わせたものです。

台湾海峡

M26台湾海峡

ジオカタログ 株式会社 空間データ整備
武井 克之 氏・金行 方也 氏・木村 俊介 氏

中国と台湾の関係は、台湾海峡にある。ペロシ元米国下院議長の放題後、台湾海峡「浪高し」の状態が、再燃しつつある。2022 年とうとう中国人民解放軍の演習により日本国排他的経済水域(EEZ)内に 5 発の弾道ミサイルが射ち込まれた。

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投票期間 : 5 月 23 日(木)10:00 ~ 16:00

ストーリーマップ部門

BIM/CIM を活用した新たな業務の展開

S01BIM/CIM を活用した新たな業務の展開

株式会社 ノア技術コンサルタント ナビゲーター DX推進室長
西村 公志 氏

国土交通省では、令和 5 年 4 月に小規模工事を除き直轄工事・業務では、本格的に『BIM/CIM を原則適用』することになりました。これを契機として、弊社も『デジタルツインの到来を見据えた BIM/CIM 活用と人材育成』に注力するとともに、ICT や BIM/CIM を積極的に活用し生産性向上を図り、品質確保・向上に邁進して参りました。株式会社ノア技術コンサルタントの『ストーリーマップ』では、弊社がこれまで道路事業、河川事業、砂防事業、下水道事業において培った BIM/CIM 活用についてご紹介をさせていただきます。BIM/CIM(Building/ Construction Information Modeling, Management)は、「調査・計画・設計段階から施工、維持管理の建設生産・管理システムの各段階において、3 次元モデルを連携・発展させ、あわせて事業全体に携わる関係者間で情報を共有することで、生産性向上とともに品質確保・向上を目的とするもの」です。

ガザ地区 日本支援施設の被害:衛星画像による公的・NGO 支援施設の状況分析

S02ガザ地区 日本支援施設の被害:衛星画像による公的・NGO 支援施設の状況分析

東京大学 大学院情報学環・学際情報学府
並木 麻衣 氏(施設データ収集 : 日本国際ボランティアセンター)、渡邉 英徳 氏・指原 佑佳 氏(分析・マップ作成 : 渡邉英徳研究室)

1993 年以降、日本政府と NGO による、ガザ地区の施設に対する支援が行なわれてきた。外務省によれば、2023 年 6 月時点で公的支援の総額は約 23 億ドルにのぼる。2023 年 10 月 7 日の軍事衝突の開始後、大規模な空爆・地上侵攻による、これらの支援案件の被害が懸念される。日本国際ボランティアセンター(JVC)と東京大学大学院 渡邉英徳研究室は共同で、侵攻開始後のガザ地区の衛星写真を用いて、日本による支援施設の被害状況を分析した。このコンテンツは、分析結果をストーリーテリング・マップで表現したものである。

企業資料から読み解く関東大震災 ~経済を支えていた企業はそのとき

S03企業資料から読み解く関東大震災 ~経済を支えていた企業はそのとき

東京大学
金 甫榮 氏・高田 百合奈 氏・山口 温大 氏・濱津 すみれ 氏・曹 好 氏・渡邉 英徳 氏

関東大震災は、死者 10 万人・被災者 200 万人を超える巨大災害であり、特に首都・東京には壊滅的な被害をもたらし、当時の経済にも深刻な影響を及ぼしました。その記録は、記録写真や企業資料などに多く残されています。私たちは、それらの企業資料を読み解き、当時の経済を支えていた人々と企業の被災状況をストーリーマップで表現しました。製作においては、過去の出来事を振り返るだけでなく、最新の技術を活用し、当時の状況を現在の東京と重ね合わせることで、現在の出来事のような体感を得られるように工夫しました。関東大震災が経済に及ぼした影響を現代の文脈で再解釈し、将来の災害対策について考えるきっかけとなれば幸いです。 本コンテンツは、「 国立科学博物館 関東大震災 100 年企画展「震災からのあゆみ -未来へつなげる科学技術-」 の一環として、東京大学大学院 渡邉英徳研究室・渋沢栄一記念財団・国立科学博物館が共同で制作したものです。

Team 結 ラリーモンテカルロ・ヒストリック2022 活動記録

S04Team 結 ラリーモンテカルロ・ヒストリック2022 活動記録

東京大学 学際情報学府
山口 温大 氏

東京大学とホンダテクニカルカレッジ関東の学生で結成された「Team 結」は、三台のヒストリックカーをレストアし、世界最大級のヒストリックカーラリー「Rallye Monte-Carlo Historique 2022」へ出場しました。チームメンバーと車両は、イタリア・フランス・モナコ・ベルギーを跨ぐ、約 6000km の距離を、いくつものトラブルに合いながら走行しました。本作品は、ストーリーマップによりその足取りと現地での活動を追います。長距離にわたる GPS ログの可視化や、3D による天気の表現などを盛り込み、モータースポーツの壮大さと迫力を表現しています。

令和 6 年能登半島地震被災状況マップ

S05令和 6 年能登半島地震被災状況マップ

株式会社 読売新聞 東京本社 デジタル編集部 編集委員
吉田 典之 氏

1 月 1 日夕に発生した発生した能登半島地震では、現地にいた記者が、家屋の倒壊や火災、地割れなど直後の様子を撮影し、画像を東京本社に送信。東京では写真部員がストーリーマップを使って現地の様子を報じるコンテンツを制作し、当日の午後 11 時に公開しました。地震災害は、広域に及ぶ一方で地域ごとの様子は異なります。どこで、何が起こっているかが具体的にわかるストーリーマップは報道手法として大きな力を発揮しました。また、元旦のため、現地だけでなく東京の報道態勢も全体的に薄い中、慣れれば素早く制作できるストーリーマップにこのコンテンツは現地の様子を伝える貴重な情報源ともなりました。その後も 1 週間にわたり画像を追加し、現在は発生直後の様子を伝えるアーカイブとなっています。

シェア観天望気

S06シェア観天望気

株式会社 アイ・シー・シー 放送通信サービス部
虫鹿 里佳 氏

愛知県一宮市のケーブルテレビ局「アイ・シー・シー」では、視聴者と放送局の繋がりを強化するために視聴者投稿型の番組コンテンツを制作しました。きっかけは、市民生活に本当の意味で役に立つ情報を提供したいとの思いから、GIS の活用を発想しました。地域の防災情報を発信するのはケーブルテレビの役目です。2023 年から気象予報士による気象解説を実施し、近所の用水路や、陥没した生活道路など、大手メディアにはない市民の生活圏内に特化した気象・防災情報を伝えています。その第一段階として視聴者投稿型桜 MAP を作成し放送用コンテンツとして活用しました。ArcGIS Survey123 で投稿サイトを作り、番組や自社アプリから写真の投稿を呼びかけた所、約 2 週間で 500 枚以上の写真が集まりました。放送局における GIS の活用事例としてご覧ください。

長野県の山城と生物多様性の関係 〜新しいフィールドワークの提案「デジタル踏査」〜

S07長野県の山城と生物多様性の関係 〜新しいフィールドワークの提案「デジタル踏査」〜

須坂市技術情報センター 科学クラブ 長野市立更北中学校 ものづくり部 理科班
関 駿太朗 氏

中学 1 年生の時に初めて山城に行った時に思ったことがきっかけでした山城は通常よくみるお城と違い、草原が広がっていて、木が生えていました。自分の中で自然と無関係な“お城”でしたが、今回山城に行ったことでそのイメージが覆りました。さて、自分が住んでいる長野県には山城がどれくらいあるのだろうか?と探索を始めたら、170 を超える山城があることがわかりました。お城好きとしてはすべて自分の足で訪れてみたいところ。松本城のようにアクセスが良い場所とは違いその困難さがわかり、早々に断念。全国遺跡総覧に展開されている PDF をもとに、実際山城に訪れていることをイメージしながらデジタル踏査で山城マップを作成することにしました。山城のことを調べている間に、「山城と草原性希少種数」の関係を調べている研究者たどり着きました。山城と生物多様性の関係はいかに? それではストーリーをご覧ください。

世界遺産と地域文化財から開く知識の扉 ~世界遺産おすすめベスト 3 & 地域のおすすめの場所~

S08世界遺産と地域文化財から開く知識の扉 ~世界遺産おすすめベスト 3 & 地域のおすすめの場所~

須坂市技術情報センター 科学クラブ 長野市立更北中学校 ものづくり部理科班
谷内 翔太 氏

自分は元々世界や地理が好きだった。そこで世界について興味を持ってもらうために世界遺産をランキング形式で紹介していこうと考えた。世界遺産を知るということは世界の歴史や自然を知ることにつながり、世界について知識を深めれば、問題解決の糸口や新たな視点を持つことができるかもしれないと考えたため世界遺産を紹介することにした。そして世界だけでなく日本や、地域でも歴史や自然を知れば、日本をより良くしていくアイデアや地域の活性化につながるなと考え、このストーリマップを使って紹介することにした。これを見て世界、日本、そして地域についての歴史や自然を知ってもらいたい

太平洋戦争 〜戦後七八年の今我々はどう考えるか〜

S09太平洋戦争 〜戦後七八年の今我々はどう考えるか〜

須坂市技術情報センター 科学クラブ 長野市立更北中学校 ものづくり部理科班
小川 壱汰 氏

今回の作品には戦後七八年となり、戦争を知る人が少なってきている世の中、このまま戦争を忘れないでもらいたいと思いがある。また、より多くの人達に戦争という過去、そしてその真実について知る切っ掛けを持ってもらいたいと思いもある。このような背景からこの作品「太平洋戦争」を制作した。この作品は二つの内容から構成されている。一つ目は真珠湾攻撃だ。これは制作しようと思ったのが去年二〇二三年の一二月の初め頃で、七八年前の一二月〇八日の真珠湾攻撃が行われた日ということから制作した。真珠湾攻撃は宣戦布告をしなかった騙し討であると多くの人は思っているが、騙し討ちは狙ったものではないこと、計画立案から作戦実行までの流れなど様々な点に視点を当て、構成した。二つ目は、自分の身近なところに焦点を置いて制作した。太平洋戦争と長野県を制作した切っ掛けは、近くのお寺に戦没者の慰霊碑があり、自分の住む長野県と戦争はどのような関係があるのか気になり制作した。真珠湾攻撃では戦争という点に注目したが、こちらは戦後に焦点を当て、遺族や戦友たちが立てた慰霊碑や供養碑などについてまとめた内容となっている。ぜひこれを見て少しでも過去について考えてもらいたい。

みんなで取り組める流域治水 ~千曲川と犀川に挟まれた更北の地を巡るラーニングコミュニティ~

S10みんなで取り組める流域治水 ~千曲川と犀川に挟まれた更北の地を巡るラーニングコミュニティ~

須坂市技術情報センター 科学クラブ 部長 兼
長野西高等学校 土屋 祐輔 氏
長野市立更北中学校ものづくり部理科班一同 様、顧問 佐々木 宏展 氏
井上 凜太郎 氏・小山 竣大 氏・青木 孝賢 氏

本作品は、「みんなで取り組める流域治水~千曲川と犀川に挟まれた更北の地を巡るラーニングコミュニティ~」は、犀川と千曲川が合流する更北の地で取り組んできた学びのプロセスである。流域治水をテーマに、公民館、博物館、自治協議会協力、地元企業の協力のもと学びの場を作ってきた。その土地に住まう人と出会うことで、見えてくる“人が自然の地形に関与してきた歴史”。今日的なキーワードを通して見えてくる昔の人の知恵と工夫。治水という言葉とともに、遠ざかる地形をよむ感性。河がもたらす恐れと恵み。子どもたちだけでなく、大人もまたいつも見ている景色が変容していく学びのストーリーを共有したいと思います。ぜひご覧ください。

S11Destruction of Mariupol seen from SAR satellite imagery

東京大学情報学環 渡邉研究室
指原 佑佳 氏

ウクライナでの戦争で重大な被害を受けたマリウポリの町について、被害の様子を高分解能 SAR 衛星画像から読み解いた。侵攻中の 2 時期の衛星画像(Asnaro)を重ね、都市の変化を可視化した。さらに特徴的な地点について、次のデータと参照して検証した:国連機関の被害ポイントデータ、光学衛星、OSINT コミュニティで位置が特定された SNS 上の動画など。高分解能 SAR 衛星画像は、中程度分解能の光学衛星よりも詳細な被害を知ることができることが分かった。また SNS 情報の真偽検証素材として機能することもわかった。そして何よりも、マリウポリが受けた広範で甚大な被害を、網羅的・視覚的に確認できる結果となった。

S1290年の時を超えた沈黙の踊り手たち:9.5mmフィルムに収められた幻影をマッピングする。 Silent Dancers Across 90 Years: Mapping the Phantoms Captured on 9.5mm Film

Filmcycle Projectチーム
佐原 理 氏・塚本 章宏 氏・石原 由貴 氏・夏目 宗幸 氏・西條 真結乃 氏・大谷 さくら 氏・徳島大学社会産業理工学研究部、および佛教大学

Film Cycle Project は個人が 20 世紀に撮影・記録した映像群を公共財と位置づけ、それらが現代のコミュニティーの中で新しい物語を紡ぎ出すための手段となり得るために、地域の方々と協働で行うデザイン活動である。 2020 年に私たちが発見したブリキのフィルム缶には「昭和 9 年阿波踊り」と書かれ、それは戦前の 9.5mm フィルムであった。戦前のフィルムに映し出されたのは太平洋戦争の空襲で焼失する前の徳島市街の様子と当時賑わう阿波踊りの様子であった。私たちは戦前生まれの人々や研究者とともに上映された光の中に立ち現れた人々や建物の幽霊たちと対話し、昭和 9 年 7 月のこの日どこで何が起こっていたのか、フィルムエスノグラフィーによって明らかにしていった。また我々のコレクションから戦後の個人映像群から阿波踊りの映像を選出し、個人が見つめたその時代に何が行われてきたのか公共的な視点で振り返り、私たちは今の現代に新たなストーリーを生み出すのである。

S1359 か所の定点空撮で見る東日本大震災

株式会社 読売新聞 東京本社 編集局写真部
上甲 鉄 氏

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災。甚大な被害を受けた三陸沿岸の各地について、被災後の町の変遷を記録するため、読売新聞写真部と航空部は定期的に上空の定点からの撮影を続けてきた。その撮影データを整理し、ArcGIS の StoryMap で 3D マップと連動させて見せるサイトを作成し、震災復興の記録のアーカイブ的なコンテンツとして、2024 年 3 月に読売新聞オンラインで公開した。

S14宇宙からの災害状況把握 ~令和 6 年能登半島地震における JAXA の対応について~

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 主事補
大谷 桃子 氏

令和 6 年能登半島地震の発災直後からの、地球観測衛星「だいち 2 号」などによる緊急観測・解析結果の提供までの一連の様子を、衛星画像や解析結果と共に、発災当日の時系列に沿って紹介します。衛星データの解析によって得られる地盤変動や土砂崩れ、建物被害、火災の検出の見え方を、動的なマップを用いて分かりやすく説明しています。さらに、国際的な協力枠組みによる、日本国外からの衛星データ提供・解析支援についても紹介しています。

S15日本一細長い半島 廃校校歌の旅 ~校歌というストーリーをつなぐ~

立命館大学 文学部
柚山 道明 氏

学校の廃校によって歌われなくなった校歌は、二度と公式に歌われることはありません。年月を経ることで、楽譜は散逸し、その校歌を歌った経験のある人もどんどん少なくなっていってしまいます。校歌が消滅の危機に瀕しているということは、その学校のあった歴史が消えていくということを意味しているともいえるかもしれません。学校はなくなったとしても、その学校があったという歴史を残すため、その学校で学んだ子どもたちがいたという歴史をつなぐため、「日本一細長い半島」、四国最西端、愛媛県の佐田岬半島(さだみさきはんとう)で歌われなくなった 28 の校歌にピアノ伴奏と歌をつけ、アーカイブ化を行いました。校歌というひとつのストーリー、校歌を歌った子どもたちのストーリー、その地域に学校、人々の生活が間違いなく存在したというストーリーを感じ取っていただければと思います。

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