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【教育 GIS 便り】地図を作る人は鳥になりたい⁈もしくは、鯨になりたい⁈

 
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◆ 空を飛ぶか、水中を駆けるか

「もし二つの選択があるとするなら、どちらを選びますか。」

鳥のような翼を持ち、大空を自由に飛び回る
鯨のように海中で長く呼吸ができ、水中を自由に泳ぎ回る
水の中である程度泳ぐことはできるので、自分だったら翼をもらい大空を飛び回りたいなと思います。

そしてふと考えると、地図を作る人々も鳥への憧れを持っていたのではないでしょうか?
江戸時代後期には透視図法が広まり、それまでより正確な遠近感を表現した「鳥瞰図」が生み出されました。

特に明治時代以降は観光案内図に多くの鳥瞰図が描かれています。

鳥瞰図を見ているとまるで空を飛びながら景色を眺めているような感覚になります。もしかすると、当時、飛行機などもなく地図作成者たちは、鳥への憧れで「鳥の視点」で世界を見て見たかったのかもしれません。

鳥と GIS の関係というと、どのように結びつくのでしょうか?
実は、GIS は、鳥類の研究や保護にとって非常に有用なツールです。

例えば、以下のような活用が考えられます。

「鳥の生息地の分析」
GIS を使うことで、特定の地域における鳥の生息状況を詳しく分析できます。
環境要因(気温、湿度、植生など)と鳥の分布を組合せることで重要な生息地の特定や保護が必要な地域の選定が可能になります。

次に「移動パターンの追跡」です。多くの鳥は、季節ごとに移動するため、その移動パターンを把握することが重要です。

GIS を活用すると追跡データを地図上にプロットし、鳥の移動ルートや停留地を視覚的に把握できます。
これにより、渡り鳥の保護や生態研究に役立ちます。

GIS で生息地の分析や移動パターンの追跡を行うことで鳥類研究を技術的に支援できそうにみえます。
しかしながら、CGIS Japan(コンサベーション GIS コンソーシアムジャパン)によると 鳥類の分布データの共有や可視化の方法はまだ統一された方法が確立されていません。

鳥類は渡り鳥も含め広範囲に分布しており、記録を取るには苦労します。
そこで ArcGIS Field MapsとArcGIS Dashboards を使うことで、リアルタイムの渡り鳥の情報の可視化と参加型のデータ収集が可能です。

詳細事例はこちら
https://www.esrij.com/industries/case-studies/180770/

このように GIS 技術を用いることで、実際に鳥類保護に身近に関わることができるのです。
大空を駆ける鳥の眼で、地球を見てみると、鳥瞰図だけではなく、地理的アプローチで自然環境の課題解決に GIS が役立つかも知れません。

実は、先日、東京科学博物館の特別展「鳥展」を訪れた際、展示を見ながら自然と GIS との関連を考えてしまいました。(職業病!?)
鳥の視点を持つことで、地図や GIS の新たな活用方法が見えてくるかもしれません。

なお、冒頭の鯨は、クジラの視点から海底地形を描く鯨瞰図からクジラを選択肢にしてみました。

◆ GIS Day in はこだて 2025 3 月 5 日(水)、6 日(木)

GIS Day in はこだてが開催されます。
初日は農林水産建設分野における衛星測位とリモートセンシングの最新動をテーマにしたセミナー、 2 日目は観光と防災をテーマにしたオリジナルのArcGIS ハンズオン講習会を実施します。

3 月 5 日(水):セミナー
日時:2025 年 3 月 5 日(水)13 時 30 分 ~ 16 時 40 分
会場:函館市勤労者総合福祉センター(サン・リフレ函館)2 階視聴覚室/ Zoom ウェビナー
内容:農林水産建設分野における衛星測位とリモートセンシングの最新動向

3 月 6 日(木):ArcGIS ハンズオン講習会
日時:2025 年 3 月 6 日(木)10 時 00 分 ~ 15 時 30 分
会場:北海道大学 函館キャンパス 講義棟 2 階 情報処理室
内容:観光と防災を地図でつなぐ!函館の魅力&安全を可視化するハザードマップ作成講座

ArcGIS Online と Apps を活用し、観光客や地域住民に役立つ観光 × 防災マップの作成をします。

初心者でも簡単に操作できる仕組みを使用しますので、GIS 未経験の方でも気軽にご参加ください。

両日ともに参加費無料で事前登録制となります。
どちらか 1 日のみのご参加も可能です。

⇒参加登録・プログラム詳細はこちら
https://www.esrij.com/events/details/181734/

◆ 3 月 4 日(火)、5 日(水)中部大学 国際 GIS センター 問題複合体を対象とするデジタルアース 成果報告会

さまざまな分野の研究者と共同研究を通し、社会が直面する問題複合体への解決に向けたデジタルアース研究会の成果報告会となります。

開催日時:2025 年 3 月 4 日(火)午前 9 時 00 分~午後 6 時
     2025 年 3 月 5 日(水)午前 9 時 00 分~午後 1 時
会場:中部大学/オンライン(zoom)

詳細および申込はこちら
https://www.chubu.ac.jp/news/42761/

◆ 理数系教員統計・データサイエンス 授業力向上研修集会(札幌)

デジタル技術の普及でデータ分析人材が不足する中、統計・情報科学を融合したデータサイエンス教育が進展しています。
特に高大接続教育や新学習指導要領の統計・情報科目が重要視され、産官学連携による教育強化が加速しています。
本研修では、データサイエンス教育の実践事例や評価枠組みを共有し、指導力向上を図ります。

日時:2025 年 3 月 8 日(土)
10:30~12:00  プレ・チュートリアルセッション
           探究学習のための 機械学習 × GIS ハンズオン
13:00~15:00  北海道のデータサイエンス教育における産官高大連携事例
15:20~16:40  政府における数理・データサイエンス・AI人材育成推進の方向と方策

3 月 9 日(日)
09:30~10:30  STEAM 型探究教育:データ分析と批判的思考の実践
10:40~11:40  大学教育改革が拓くデータサイエンス人材育成
13:00~14:00  大学授業と企業 DX を支える生成 AI 活用の広がり
14:10~16:30  高等学校におけるデータサイエンス教育方法論開発のための実践知の集積

詳細及び申込はこちら
https://www.mdsc.hokudai.ac.jp/2025/02/10/2282/

◆ 締め切りまで残り 1 か月!米国Esriユーザー会へご招待!
   Esri Young Scholars Award

ArcGIS を活用した優れた研究を行う学生を表彰する
Esri Young Scholars Award の候補者を募集しています!
受賞者には、2025 年 Esriユーザー会(米国カリフォルニア州サンディエゴ) への参加のチャンスも!
皆様のご応募お待ちしております。

詳細はこちら
https://www.esrij.com/news/details/172856-2/
申込締切:2025 年 3 月 28 日(金)まで

掲載種別

掲載日

  • 2025年2月28日