課題
導入効果
マップの QR コード
東京都青少年・治安対策本部では、区市町村の取り組みや防犯ボランティア団体等の活動支援として、防犯ポータルサイト「大東京防犯ネットワーク」を運営している。平成 28 年 10 月に、地域の一層の治安向上を図り、警察や行政だけでなく都民や防犯団体、民間事業者等の取り組みを一層促進するため、本サイトに GIS を導入して地図によりわかりやすく防犯情報を発信するサービスを開始した。本サイトは、ArcGIS Online が活用されており、データのテーマや想定される利用者に応じて、6 つの Web アプリケーションが掲載されている(平成 28 年 10 月時点)。
東京都青少年・治安対策本部では、平成 17 年度から「大東京防犯ネットワーク」を運営し、都内で活動する防犯団体の紹介や、都での防犯に関する取り組みを発信してきた。大東京防犯ネットワークには、月平均でおよそ 15,000 人がアクセスしており、防犯活動のポータルサイトとして、大きな役割を担っている。
平成 27 年度に、地域の防犯活動の一層の活性化を図るため、安全安心に関する情報の発信・共有のあり方について、警視庁、行政、有識者による検討会を行った。この検討会では、都内で既に発信されている防犯情報を踏まえ、今後出すべき情報等を十分議論したほか、いかに都民にわかりやすく伝えるか等を検討し、地理情報を活用した情報公開を進めることとなった。
都民が地域の防犯情報を正しく理解するためには、わかりやすい情報が必要である。それには、地図表現によって、直感的でわかりやすいメッセージを伝えることが有効であった。ArcGIS Online は高い地図表現能力と、豊富なアプリケーションテンプレートを持っている。また、開発行為を行わずにマップ整備ができるので、都職員の手で修正・更新を行えることも採用の理由となった。
関係機関より提供された防犯データは、東京都庁内に設置された ArcGIS for Desktop に集約され、公開用の GIS データとして整備される。
GIS データは ArcGIS for Desktop から ArcGIS Online にレイヤー単位でアップロードされており、それぞれのレイヤーを組み合わせて、「子供の安全マップ」や「特殊詐欺情報マップ」、「町丁字別犯罪情報マップ」などの 6 つのマップとして発信されている。
また、防犯情報マップのポータルページには、マップの紹介として、6 つのマップの概要が掲載されているほか、操作マニュアルも添付されている。掲載されているデータの一部は、オープンデータとしても公開されており、安全安心に関心を持つ都民が自由にデータを扱うことができる。
地域のより詳細な情報(町丁字単位)を、テーマに合わせてまとめて一つのマップで発信することで、地域の防犯情報への関心が高まり、様々な防犯活動に活用できる。防犯情報マップは公開以降各種メディアにて取り上げられ、公開から 1 ヶ月で約 8 万件のアクセスがあった。
防犯アイデアソン当日の様子
また、導入にあわせて、全国初の防犯アイデアソン「『東京の治安を考える』アイディア・ワークショップ」を開催した。オープンデータや防犯情報マップをもとに、参加者から様々な防犯のアイデアが出され、防犯への関心が一層高まった。
安全安心まちづくりを推進する
マスコットキャラクター「みまもりぃぬ」
サイトの有効活用を促すため、区市町村の防犯施策や学校等の子供見守り、防犯団体のパトロール活動への情報の有効活用を図ることが課題である。また、防犯団体や民間事業者等の活用を図るよう、サイトを周知するとともに、利用者の声等を踏まえてサイトの充実も図っていく予定だ。