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事例

全球地球観測システム(GEOSS)のデータを ArcGIS Online で利用可能に

米国 Esri社、Group on Earth Observation

 

ArcGIS Online で様々な分野のナレッジを共有・融合

 

台風や原油流出、森林伐採のモニタリングに、地球観測技術が利用されている。地球観測技術にはセンサー、衛星、レーダーがあり、収集したデータは人類や自然環境の安全を脅かす事象が起きた場合に追跡、調査、アクションに役立てられる。近年、地球観測の重要性が高まり、多くの政府機関が地球観測システム同士の連係を進めている。

組織間のシステムやデータの連携を推進

政府間地球観測グループ(GEO)は、世界90ヶ国及び77の地球観測に関連する国際機関、欧州委員会から構成されるボランタリーなパートナーシップ組織で、地球観測データと科学技術を共有している。GEO の最も大きなミッションは、全球地球観測システム(GEOSS)を構築することで、地球の地表面全体を観測することだ。また、GEOSS は、ディスカバリー アンド アクセスブローカー(DAB、※)やオンラインプラットフォームを通して地球観測データや情報を仲介し、適切な情報システムやインフラを世界規模で相互連携させている。

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降水量調査のためにGEOSSの酸素、炭素、
気候のセンサーデータをEsriの地中海水深
測量にオーバーレイして分析したもの

Esri社は Open Geospatial Consortium (OGC)の一員として長年 GEOSS に協力してきた。現在、OGC は GEOSS Earth と共同で、観測データやサービスを ArcGIS Online で利用できるようにする取り組を進めている。ヨーロッパ環境庁や国連環境計画、国際連合食糧農業機関など GEOSS に貢献してきた多くの組織では既に Esri テクノロジーが利用されているので、GEOSS の Esri テクノロジー導入は、これら組織の持つシステムやデータの相互運用性が可能になることを意味している。

GEOSS では地球観測データを、持続可能な農業、生物多様性、気候変動とその影響、天災と人災、エコシステム管理、エネルギー管理、人体に影響を及ぼす環境要因、水資源、気候予測の9つのカテゴリーに分けている。これらの分野を横断的に扱っている何百万もの Esri ユーザは、GEOSS のデータを直接自分たちのプロジェクトに利用し、基準値の設定や変化の観測、問題の分析、ソリューションの設計を行うことができるようになる。

組織間同士の相互運用性実現のため、Esri社はイタリア大気汚染国立研究協議会(CNR-IIA)の空間科学情報研究所 Stefano Nativi 教授との間で、覚書による GEOSS とのパートナーシップを締結。仲介アレンジやダイレクト データセットアクセス技術、データの相互運用性やデータカタログのオープンスタンダードの設計を進めている。この協業で ArcGIS Online は DAB に仲介される重要なインフラの一つとなり、ArcGIS Online 利用者は GEOSS が配信したリソースへのアクセスや、GEOSS データサービスの利用、アプリケーションの構築を行うことができるようになる。

GEOSS と ArcGIS Online を相互に結ぶ Web サービス

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ArcGIS OnlineからGEOSSが配信したリソース、
データサービスを利用することができる

開発チームでは、ArcGIS Online と GEOSS DAB フレームワークとの間での両方向相互運用性技術の構築を行っている。Esri と DAB インターフェースを設計し、複数の経路を通して二つのシステムを相互に結び運用できる Web サービスを開発中だ。経路の1つは Esri ポータルから始まり、GEOSS が運営するサービスのメインシステムへとユーザを誘導する。ArcGIS Online ユーザは、GEOSS DAB で仲介されたネットワーク、例えば地球観測衛星委員会(CEOS)、国際科学会議(ICSU)世界データセンター パンゲア、アメリカ航空宇宙局(NASA)、NASA が運営する Global Change Master Directory(GCMD)、世界気象機関 情報システム (WIS)にアクセスすることができる。

もう一方の経路は GEOSS ポータルから入り、Esri のサービスへユーザを誘導する。ArcGIS Online で公開されているEsriベースマップや衛星画像、無償で提供されているデータセットやマップ、ツールといったすべてのコンテンツが、GEOSS DAB で検索できるほか、世界中のベースマップをはじめ、地図や海図の利用が可能だ。ユーザは、ArcGIS Online で提供されているデータセットやベースマップに GEOSS のデータをオーバーレイすることができる。つまり、様々な分野の専門家が共通の地図にナレッジを融合していくことが可能となるのだ。

「今あるナレッジや観測データを基礎とし、新しいアイディアの共有に GIS を使うとき、GIS は知性の基盤となる」と Esri 社社長のジャック・デンジャモンド氏はいう。「人々は地理情報や観測データからナレッジを作り、必要な対策を行う。GEOSS では地球上の変化をモニタリングする地球測定基盤を提供し、情報の可視化に ArcGIS Online を利用する。クラウド環境を利用することで、GEOSS メンバーは今まで繋がりのなかた他の学問の分野にネットワークを構築することもできるようになる」

様々な分野の橋渡しに 

GEOSS と ArcGIS Online の相互利用を実現するこのサービスは3つの点でとてもユニークだ。まず1つ目は、ArcGIS Online は民間企業である Esri が運営しているため政府組織が運営する基盤よりも柔軟性があること。2つ目は、地球全体の共有化された地理空間データや衛星画像データを扱っていること。3つ目は、ArcGIS Online で利用が可能なデータの大半が、基盤となるベースマップや様々な情報を共有することを選択した数十万の組織が所有しているデータから成り立っている点だ。

Esri ユーザは、GEOSS に集まる様々な学問・分野のコミュニティの1つにすぎない。しかし、GEOSS データを ArcGIS Online で共有することで、様々な分野同士の橋渡しやコミュニティの支援につながり、やがて私たちを取り巻く課題に対応するべく力となっていくであろう。

 

※ ディスカバリー アンド アクセスブローカー(DAB)
異なる種類のデータ・ソースから利用可能なリソースを発見する役割を担い、共通のグリッド環境に基づいてデータセットにアクセスできるようにするミドルウエアコンポーネント。

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掲載日

  • 2014年6月24日

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