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意思決定プロセスのスピード化のカギは地理空間情報の共有化

バリックゴールド社

 

情報共有、意思決定の迅速化、特定地域のリスク分析を
ArcGIS Onlineで実現

課題

導入効果

 

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概要

カナダ トロントに本拠地を置くバリックゴールド社は、27の運用鉱山のポートフォリオを持つ産金最大手だ。「世界で最も持続可能な企業100(Global 100)」に選出されたこともあり、2,000名の従業員とともに世界各国で高度な探査とプロジェクトの開拓を行っている。

 

背景

バリックゴールド社は、100テラバイト以上の多種多様な空間データを大量に保有している。100年分を超える地球化学、地球物理学、リモートセンシングデータは、被買収企業から取得したものだ。この膨大なデータの管理と活用に、数百ライセンスのArcGIS for Desktopライセンスを導入しているが、情報分析に裏打ちされた的確な意思決定を行っていくためには、全社的に空間データにアクセスできる環境を構築する必要があるとし、包括的なソリューション導入の検討を開始した。

 「複数の地理空間専門家とArcGIS for Desktop 500ライセンス以上を有しているにも関わらず、社内には空間データへのアクセス権を求める社員が多数存在していた」とバリックゴールド社のGISシニア・マネージャーのイアン・アレン氏は言う。「もし空間データにアクセスを必要とする人が特定のデータを参照できるようになれば、より迅速かつ最適な意思決定ができるのではないかと考えた。」バリックゴールド社では空間データへのアクセス権拡大を目的に、指定したデータセットをWebサービスとして配信・閲覧できるArcGIS Onlineを導入。「バリック オンライン マッピング ポータル」を構築した。

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バリック オンライン マッピング ポータルでは、
マップやアプリケーションなどが公開されている

 

導入手法

データカタログにデータを追加するための事前準備として、バリックゴールド社は10万データセット以上のメタデータを完成させた。メタデータは、ネットワーク上のファイルジオデータベースに配信。毎晩、「Spider」というメタデータソフトウェアで新しいメタデータを収集し、データカタログに追加していく。データをネットワーク上で共有することで、かつては各社員のPC内に格納されていたようなデータをプロジェクト終了後も検索・利用できるようになった。

 選択したデータセットはWebサービスで利用できるようになり、ArcGIS Onlineに配信される。サービスは、地質、地球物理学、地球化学、構造、採掘、環境モニタリングなど、ベクターデータ、ラスタデータに関わらず、既存の空間データセットであれば作成が可能だ。

バリックゴールド社が所有するデータは、オンライン マッピング ポータルを通してArcGIS Onlineのオンラインベースマップに結合される。分野が特定されかつ業務に不可欠なデータについては、関係者が直接データを編集することもできるようになっている。

導入効果

「クラウドベースのプラットフォームを利用することで、管理費の殆どを外部委託できるようになり、多忙なIT部署に負担をかけずに、多くの従業員が空間データを利用するための業務に専念できるようになった」とアレン氏は語る。

ArcGIS Onlineの導入は、意思決定プロセスのスピード化やグローバルな課題への洞察を深めることにも役立っている。Webブラウザを開くだけで、生物多様性のリスク要因や、どの採掘ステージにある鉱山がいくつ存在しているのかといった情報を簡単に得ることができるようになったからだ。例えば採掘サイトの拡張を行う場合、関連するインフラデータをインタラクティブなWebマップに統合する。これには、衛星画像、地質、保護区、道路網、自治体(地域)が含まれる。マップは、変更か所の分析と敷地外の活動をモニタリングするために何度も参照されることになる。発展途上国の採掘場は多くの人々を惹きつけるため、人口増加の状況と分布の監視が重要なのだ。

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「バリック オンライン マッピング ポータル」では、鉱区周辺の
生物多様性情報などへの簡易アクセスを提供している

バリックゴールド社では、配信機能の権限をGIS技術者やデータマネージャーといった社内の小規模の人員に限定し、進行中のプロジェクト周りの特定のデータパッケージの作成や配信を行っている。ArcGIS Onlineでは、一定の関係者のみにデータを公開するグループを作り、機密情報の秘匿性を保ちながらデータの共有を図ることができる。「ユーザ間で共有される機密情報量によってデータを非公開に保てる機能は重要だ。ArcGIS Online のセキュリティの特性は、特定の鉱区に関係するユーザに限り、情報の閲覧権限を付与できることだ」とアレン氏は言う。

今後の展望

特定地域向けのデータパッケージの作成に加え、クラウドプラットフォームを活用し、世界中すべての鉱区のトラベルセキュリティマップを作成する計画を進めている。マップには、政治不安、地震、津波、台風やその他の脅威といった各鉱区のリスク要因を盛り込む予定だ。特定地域のリスク要因は、セキュリティチームによって管理されているスプレッドシートから書き出され、修正箇所は自動的にマップに反映される。ユーザには安全に関する更新事項が即時に提供される予定だ。

さらに、ArcGIS Onlineの比較マップテンプレートの活用も検討されている。分割したスクリーンで複数の鉱区に関するデータセットを閲覧することができるようにし、データカタログを直接ArcGIS Onlineにリンクさせることで、クラウド上でメタデータキーワードからデータの検索ができるようにする計画だ。

 

 

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掲載日

  • 2014年2月21日

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