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遊び場を分析して子どもたちの健全な成長につなげる

バージニア州アレクサンドリア

 

遊んで肥満を撃退しよう!

 

2013_アレクサンドリア_1

アメリカ国内では、肥満の蔓延が大きな社会問題になっている。バージニア州アレクサンドリア市も例外ではなく、市民を中心に肥満対策への取り組みが行われている。2007年の研究では、市内在住の 2歳から 5歳までの子どもの内、43% 以上が太りすぎ、もしくは肥満であることが明らかになった。健全な遊びを通して子どもを活動的に遊ばせるには、肥満に対する問題意識を持つことが必要だ。

カイザー ヘルシー イーティング & アクティブ リビング(HEAL)は、市からの要請を受け、地元の数団体に出資を行い、公共、半公共の遊び場へのアクセス向上を目的とした調査を行った。実際の調査を行ったのは、アレクサンドリア小児肥満行動ネットワーク、アレクサンドリア市などだ。 

GIS は、調査の主要ツールとして利用され、最初に、市内の公共、半公共の遊び場が選び出された。遊び場とは、子どもの遊びに関わる要素を持つ公園、設備、立地とされ、これには公共の公園、学校、部分的に市民に開放されている施設が含まれた。合計で、市内 86ヶ所の遊び場が、次の資料から定義された。 

 

86ヶ所の遊び場の評価は、2011年4月に公園専門家による評価チームによって行われた。評価チームは、スコアリングシステムを構築し、子供に有益とされる 5 つの要素から各遊び場の評価を行った。

 

これらに加えて、魅力的で心地よい遊び場に必要な条件として、遊び場へのアクセスや地域の環境と安全性は確保されているか、太陽光や雨を避けられるか、トイレや水飲み場は設置されているかが盛り込まれた。

スコアリングはジオデータベースに入力され、各遊び場の数値が計算された。算出された数値で各遊び場はランキングされ、他と比較できるようになった。

調査に携わったコンサルティングチームは、Esri 社製品を10年以上使用しており、過去に公園、レクリエーション、公衆衛生といった地域に関連した様々な地理空間分析を実施していた。今回は、遊び場のマップ作成に ArcGIS を使用し、分析が行われた。すべてのデータ管理、マッピング、分析が ArcGIS で行われた。

市内にある全ての遊び場の数値を表すヒートマップが、約500m のバッファを描き各遊び場に対してスコアを割り当てる方法で作成された。500m は、子どもと同伴する大人が徒歩で通える距離とされている。また、歩行者を妨げるであろう重大な障害に関しては、分析には組み込まれていない。

マップは、市内にあるどの遊び場が調査で定めた一定基準を満たしているかを表したものだ。数値は、0(ゼロ)が最少で近くに遊び場がないところ、最大が 2,836 で、高スコアとされた複数の施設が 500m 圏内に存在している場所だ。

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市内の各遊び場が調査で定めた基準を
満たしているか表したヒートマップ

市内の子どもたちに、最低限のしきい値(境目となる値)が提供されている地区を特定するために、ヒートマップの分析が行われた。使用したしきい値は、各構成要素や指標に見合う中間値を記録した場合に、一定の基準に達している遊び場のスコアである。このしきい値をヒートマップに応用すると、市のどの場所の遊び場が基準を満たしているか判断することができる。マップでは、数値がしきい値と同等もしくはそれ以上を示している場所は紫、数値がしきい値より低く 0(ゼロ)より大きいものは黄色で表している。また、値のしきい値が 0(ゼロ)のものはグレーで表示している。

ArcGIS を使って、しきい値から作成したマップとアレクサンドリア市の子供の人口密度のマップをオーバーレイしてみると、どの遊び場を改善し、どこに遊び場を作る必要があるのかが見えてくる。遊び場が少ない地域と子供の密度が高い場所が一致していることから、新たな遊び場の整備が急務であることがわかる。また、遊び場はあるが数値がしきい値より低い地域は、魅力ある遊び場へと改善していくことで、しきい値を高めることにつながるであろう。

 


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掲載日

  • 2013年8月26日

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