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地下のユーティリティ インフラを3Dマッピングで見える化

ノースカロライナ州ローリー市

 

正確なユーティリティ設備の位置情報の把握で建設現場での作業が効率的に

 

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ノースカロライナ州ローリー市に建設されたグリーンスクエア

ノースカロライナ州の州都であるローリー市の中心に位置するグリーンスクエアは、多目的持続可能プロジェクトの一環として建設された複合施設で、ノースカロライナ環境天然資源局と自然研究センターが入る。この複合施設は、デザインの美しい「緑」のビル 2 棟からなり、エネルギーと給水設備の効率化を図る技術を組み込むことで、持続可能な設計戦略と維持費の削減を実現している。グリーンスクエアは、ノースカロライナ環境天然資源局とノースカロライナ自然科学博物館と共同で建設され、LEED(※)の最高基準の推進を目的としている。

新しいノースカロライナ環境天然資源局オフィスは 5 階建てで、マクドウェル通りに架かる連絡通路で同局の別棟とつながっている。グリーンスクエアに建設された 2 棟目のビルには自然研究センターが入っており、将来はノースカロライナ自然科学博物館とソールズベリー通りの上を通る連絡通路でつながる予定だ。また、同研究センターは、科学者たちが研究を行う一方、近隣の博物館からの来場者に科学研究の場を公開することも目的としている。そしてこの施設の設計で最もユニークなのが、15 m ある地球儀だ。

 

プロジェクトの展開

2008 年春、グリーンスクエアの新しいビルと駐車場の建設計画が開始された。土木や構造技術の専門家は、グリーンスクエア周辺の地上と地下にある既存のユーティリティ臨界深度の情報を必要としていた。土木事務所の審査に従い、Esri のパートナーである McKim & Creed’s Subsurface Utility Engineering (SUE) のチーム(ノースカロライナ州ローリー)と契約し、建設計画の立案に向けた詳細な地下のユーティリティ インフラマップの作成に着手した。圧縮した空気を吹きつけて地面を掘削・土を吸い取とることで、インフラ設備を傷つけずに露出させる方法を用いる SUE-品質水準 A ロケーティングサービスが利用され、正確な水平垂直のパイプの直径とユーティリティパイプの種類が収集された。このようなインフラ設備情報の格納方法は、CAD もしくはMicroStation Drawing ファイルが一般的であるが、収集したデータの情報量が多かったため、GIS のジオデータベースを作成し情報を格納した。

 

高度なユーティリティマッピング

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マクドウェル通りの地下にあるユティリティパイプを3D化

グリーンスクエアの敷地に古くからあるエデュケーションビル(1938 年建設)の基礎を保存するため、2 つの新しいビルの建設地の周囲を垂直に掘り、土壌の安定化を図った。建設工事は、この境界面の地盤傾斜を支柱で支え、地滑りを防ぐための鋼の補強用鉄格子を約 12 m の深さの地層に固定するための穴を掘る作業から開始された。ユーティリティパイプに補強用の鋼が埋め込まれないようにするため、SUE チームは掘削場所となる 139 地点のデータを収集し、グリーンスクエア周辺の精巧な地下と地上のフィーチャに関する 3D モデルを作成した。

 

3D 環境を作成するため ArcGIS3D Analyst エクステンションの ArcScean)を使い、地盤高サーフェスを定義するために、等高線からTINが生成された。建物の角を測量し、建物の土地専有面積がマルチパッチ フィーチャ クラスとして表示された。グリーンスクエアの既存の 3D 建物モデルがインポートされ、建物が 1 つ入れ替えられた。ユーティリティ パイプ ジオメトリは、テスト用に作成した掘削データを基本とし、正確な海抜高度が与えられた。

 

全てのデータを空間的に縦横で修正することで、グリーンスクエアの 3D ユーティリティ インベントリを描画する準備が整った。多くのポイント フィーチャは、外部データからインポートされる。例えば、下水道のマンホール、コンクリートでできた地下豪雨用排水管、電力と電話用の電柱などだ。パイプは 3D のシンプルな配線管シンボルで、各ユーティリティごとに色を分けている(青:上水道、赤:電気、緑:下水道、オレンジ:電話線、光ファイバー、黄色:ガス、紫:豪雨排水管)。

グリーンスクエアで既存のパイプの撤去や新しいパイプの設置が行われると、その情報は市が管理しているユーティリティ インベントリマップに簡単にアップデートされる。その結果、SUE データの利便性は高まっていくのだ。

 

※非営利団体の米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している、環境に配慮した建物に与えられる認証システム

 


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掲載日

  • 2013年9月17日

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