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道路管理業務の効率化で安全で快適な走行空間を

西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社

 

GISを利用した情報管理システムを開発し、情報の一元管理と橋梁点検結果を有効活用を推進

GISを活用するのは今回が初めてのプロジェクト。
これまで各部署でそれぞれ管理されていたデータの一元管理で道路管理業務効率化を実現。

イントロダクション

西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社では、九州管内の高速道路の維持管理のための点検、調査、設計を行っており、点検・調査結果、工事記録、図面などのファイルやデータベースを取り扱っている。「高速道路の安全で快適な走行空間を確保する」ためには、効率的にデータを管理し、より高度な分析やシミュレーションを行う必要がある。これを実現するためにGISを利用したシステム開発を行うべく、土木・施設・植栽と幅広い業種を対象としたモデル区間(長崎自動車道 東脊振IC~佐賀大和IC)を設定し、効果的な利用方法などを検証している。

プロトタイプ開発

今回のプロジェクトは2008年に開始し、まずは現場のニーズ調査が行われた。その結果、各部署で様々なデータがWord、Excel、CAD、PDFそして紙をベースとした資料に至るまでの様々な形式で管理されていた。このようなデータは資産であるはずだが、効率的に管理されていないため、データの所在が分かりにくくなっていたり、他部署でも必要とされるデータの存在が知られていないため、活用されてこないこともあった。
データベースはあるが数字の羅列のみだったものがGISで視覚的にできるのではないかという観点から、このような状況の解決を図るべくGISを活用してプロトタイプシステムを構築することとした。まずは、九州大学主催のGIS基礎技術研究会に参加し、GISの基本を習得し、開発に当たっては九州大学地圏環境研究室と共同開発を行った。このプロトタイプシステムの基本方針は以下の4点である。

また、今回、GISを採用するに当たっては以下のような効果も見込んでいる。

  

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今回のプロトタイプでは以下の図に示すような対象物に対しそれぞれをレイヤ化し、対象物を抽象化したブロックなどのポリゴンとして作成し、道路情報などの属性を付与した。ポリゴンの単位は、例えば、橋梁の場合、上下線別に「上部工(スパン単位)、下部工(橋台・橋脚単位)」で作成した。
今回の目的のひとつである情報の一元管理を行うに当たっては、既存のPDFやExcelなどの報告書や工事履歴などのデータをきちんと分析結果から抽出できるような仕組みが必要である。そのために、既存のデータをGISのデータと関連付けを行うことで、GIS側から抽出できるようなデータ構造とした。

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橋梁補修計画での活用例

橋梁の効率的な補修計画を検討する際は、補修優先順位の高いものから行うため、現状を分析し対象を絞り込んでいく必要がある。この補修計画検討のために、このプロトタイプシステムを活用した例を紹介する。
今回は以下の項目に絞って分析を行い、優先順位の高い場所を抽出した。

これらのデータを重ね合わせた結果、以下の図のように補修優先度の高いスパンが地図上に抽出される。GISは一般のデータベースと違い、視覚的に判断でき意思決定の支援がし易い。優先順位に応じて次なる候補も見えてくるため、費用や工事作業効率、過去の補修状況などから、併せて補修工事を検討する意思決定に役立ち、コスト削減にも寄することが可能となる。

このような日常行う補修計画立案においてもGISを利用することで、お客様の安全と安心を確保するために様々な情報を有効に活用することができる。

まとめ

将来的にはグループ会社間でデータ管理と日常業務に活用できるようなWebを活用した仕組みを検討している。そこでは、既存のグループ会社で所有しているシステムのデータを改めて今回の仕組みに当てはまるように作り直すことなく、そのまま活用できるような形にしたいと考えている。

また、今後は今回のシステムやデータベースの管理者やメンテナンスを行えるような組織体制やGISを活用していける人材を育成できる教育の仕組みなど整備をしていくことも重要であると認識している。

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掲載日

  • 2011年1月1日