国民や企業が的確な意思決定を行っていく上で統計情報の重要性が益々増大している昨今、統計表を眺めただけでは見えない事実を、「地図で見る統計(統計GIS)」で地理的観点から視覚化する。
政府統計の総合窓口(e-Stat)トップページ
http://e-stat.go.jp/
政府は、国民にとって便利で使いやすい統計データの提供や各府省等の統計情報システムの集約を図るため、平成20年4月から、総務省を中心に全府省が参画して「政府統計共同利用システム」をスタートさせた。このシステムは、各府省等の統計データの公表やオンライン調査の実施など様々な機能を備えており、インターネットを通じて各府省等の統計がつながり、政府統計がより身近なものとして役立つことが期待されている。
「政府統計の総合窓口(e-Stat)」とは、政府が作成、公表する統計(Statistics)に関する幅広い分野の情報提供のワンストップサービスを実現するためのインターネット上の総合窓口(ポータルサイト)である。このサイトには、「統計データを探す」、「地図や図表で見る」、「調査項目を調べる」、「統計データ新着情報・公表予定」など、学習、ビジネス、研究などに政府統計を活用する上で便利な様々な機能が備わっており、「地図で見る統計(統計GIS)」はこの中の一つの機能である。
「地図で見る統計(統計GIS)」は、「地図に表わす統計データ」、「データダウンロード」及び「市区町村合併情報」から構成されている。「地図に表わす統計データ」は、国勢調査を始め、事業所・企業統計調査、地域メッシュ統計、人口動態調査、医療施設調査、農林業センサス等の統計データを地図と重ね合わせ利用者の個々のニーズを視覚化して提供するものである。利用者は独自の地図を作成することで、統計表を眺めただけでは見えてこない各地域における事象を視覚的に把握することができる。
「地図で見る統計(統計GIS)」はGISを知らない方々でも面倒な操作なしに利用できるよう、一般的なブラウザソフトが動作する環境であれば、特別なプラグインソフトなしで利用することができる。
地域選択、統計項目選択、統計表選択、地図操作、境界選択、グラフ設定、ラベル設定、レイヤ透明度設定、ダウンロード等の機能が用意されており、アイコンとプルダウンメニューの操作で利用者の好みに合わせた目的の地図を簡単に作成することができる。
GISソフトには、データベースサーバにArcSDEが、ジオプロセスサーバにArcIMSが使用されている。また、ポータルサイト全体構想に合わせ、UNIXベースのOS上でシステムを稼働させており、フレームワークにはStrutsが採用されている。
地図データは、総務省統計局が整備している「町丁・字等別境界データ」、「1kmメッシュ境界データ」、農林水産省が整備している「農業集落境界データ」、国土地理院(http://www.gsi.go.jp/)の数値地図2500(空間データ基盤)、数値地図25000(空間データ基盤)、数値地図25000(行政界・海岸線)及び数値地図25000(地名・公共施設)を加工し、ArcSDEに登録している。また、検索データとして国土交通省の街区レベル位置参照情報を利用している。
GIS利用者向けにデータダウンロード機能も装備しており、町丁・字等別境界データ、1kmメッシュ境界データ及び農業集落境界データを汎用フォーマットであるシェープファイル形式及びG-XML形式で、統計データをCSV形式のテキストファイルで無償提供している。これにより利用者はGISソフトを限定することなく、統計データを活用した分析を行うことができる。
![]() 統計表選択画面 |
![]() 統計地図表示画面 |
![]() 町丁・字等別境界選択画面 |
![]() グラフ設定画面 |
![]() 地図とグラフ表示画面 |
![]() 市区町村合併表示画面 |
質問がある場合は、「政府統計の総合窓口(e-Stat)」あるいは「地図で見る統計(統計GIS)」のトップページのお問い合わせから照会することができる。