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エネルギー消費量を GIS により可視化し、地球温暖化対策を推進

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エネルギー消費量を GIS により可視化し、地球温暖化対策を推進

秋田市 環境部 環境総務課

あきたスマートシティ・プロジェクトにおけるGIS活用

平成 22 年に発足したスマートシティ(賢い街づくり)・プロジェクトに先見性を持って GIS を適用

秋田市は、高齢化や労働人口の減少、地場産業の衰退による経済活動の停滞など、地方都市が抱える問題を解決し、持続可能な社会を再構築する上で経済と環境の両面から施策を立案し施行していく必要に迫られていた。同市は、平成 22 年に 9 つの個別プロジェクトから構成される、スマートシティ(賢い街づくり)・プロジェクトを発足し、平成 23 年に「あきたスマートシティ・プロジェクト基本計画」を策定した。本計画は、我が国が策定する温室効果ガス削減目標達成の一助としても位置付けられ、市有施設全体のエネルギー消費の削減が目標とされた。同市は、市有施設のエネルギー 使用量をモニタリングするスマートモニ ターと、モニタリングしたデータを集計し見える化するための、「スマートシティ情報統合管理基盤」(以下、情報統合管理基盤)の整備に着手し、ArcGIS は地理情報システムとして本情報統合管理基盤に接続される事となった。

GIS は情報統合管理基盤を構成する要素の一つとして位置づけられた。市有施設のエネルギー使用量の見える化に地理情報は必ずしも必要はないが、同市はスマートシティの構築に当たり、交通、観光、防災など将来展開を見据え、地理情報の集約の必要性を考えて GIS の導入に踏み切った。「秋田市環境部では、改正省エネ法施行による対策を打つ必要に迫られエネルギー関連の施策を打ってきましたが、業務の中で地理情報を活用し、これをとっかかりにもっと広げていきたいという思いがありました」と環境部の細井副参事は語った。が、環境部に GIS 経験者がいた訳ではなく、細井副参事自ら、担当の佐藤主査と共に GISコミュニティフォーラムに参加し情報を収集したり、トレーニングコースを受講したりしながら GIS スキルを身に付けるところからスタートした。「ちょっと難しい、でも面白かった。情報の入り方が直観的で理解しやすかった。色々な情報が地図上で見えると想像力が湧いて更に問題が見えて利用範囲が広がると思いました」と続けた。

情報統合管理基盤の構築は、全体調整と ArcGIS の実装をアイ・エム・サービス株式会社、クラウドサービスの実装を伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、ecoFORTEと呼ばれる、スマートメーターと連動するエネルギーデータ管理システ ムの構築を伊藤忠商事株式会社、そしてエネルギーデータや、地理情報などを集約・統合してダッシュボードに表示するポータルサイト、IIBM(IBM Intelligent Building Management)の構築を日本IBM株式会社がそれぞれ担当した。

環境部は、エネルギーデータなどを基に ArcGIS Pro(旧 ArcView)で各種主題図を作成し ArcGIS for Server にアップロードする。アップロードされた主題図は ArcGIS Online で無償提供されるストリートマップとマッシュアップされ IIBM ダッシュボード上に ecoFORTE から転送されるエネルギー使用状況を示すグ ラフなどと共に表示される。システムはクラウドサービス上に構築されており、職員はどこからでも情報統合管理基盤にアクセスできる仕組になっている。

平成 22 年のプロジェクト発足当時、エネルギー使用量を前年比 6 %削減する事が目標とされた。東日本大震災による節電施策により追加的な努力が払われたため、比較対象がクリアでない部分はあるが、現在モニタリングしている施設で 25 %以上削減効果の出たケースもあり、本プロジェクトの途中経過として環境部としてはまず満足している。今後モニタリングする施設を増やし蓄積したノウハウを適用していく予定だ。

情報統合管理基盤の運用開始に伴い、地理情報の活用はスタートした。しかし、利用が関係者に留まっている現状がある。環境部では、すべての職員が簡単に使えるようなシステムの構築を今後目指していきたいと考えている。「ブラウザ上で点をポチッと打って、テキストが入力できて、写真が追加できる。それを職員全員がシェアするような仕組みを取りあえず立ち上げたい。」環境部のそんな思いをどう実現していくのか、アイ・エム・ サービス株式会社の高橋部長は既に具体的なアイデアを温めていた。「ArcGIS Online 組織向けプランを活用したいですね。庁外に出せない個人情報などは既設の ArcGIS Server に格納し、センシティブではない共有情報は庁内に限定し ArcGIS Online で配信する。そして、市民向けの情報提供も ArcGIS Online で行う。情報の秘匿性に応じて柔軟にハイブリットな構成が可能であると考えています」と語った。この仕組みで解決できる問題は沢山ある。「不法ゴミ投棄の位置を特定したり、川沿いの工場などからのオイル漏れを通報してもらったり、また例年の経験から除雪の注力箇所を特定して事業者とシェアするとか、いろいろに使えると思います」と佐藤主査は将来的な活用に思いを馳せた。

最後に、「とにかくみんなが当たり前に使って、どんどんデータを蓄積していくことが大事ですね。イベントの会場をみんなに知らせる事に使ってもいいんです。簡単に使えるってことを分かってもらいたいですね」と、細井副参事が締めくくる。 「簡単に全職員が毎日使う」、スマートシティ実現に向けた環境部の思いはきっと秋田市職員全体に伝わっていくだろう。

プロフィール

秋田市環境部 環境総務課 地球温暖化対策担当 細井 康広 副参事(中央) 佐藤 智之 主査(右) アイ・エム・サービス株式会社 システム事業部 システム部 高橋 哲也 部長(左)

秋田市環境部 環境総務課 地球温暖化対策担当
細井 康広 副参事(中央)
佐藤 智之 主査(右)
アイ・エム・サービス株式会社
システム事業部 システム部
高橋 哲也 部長(左)

秋田市
掲載日

2013年6月24日