【教育GIS便り】地名はゲームで理解できるのか?桃鉄から見えるGISのヒント
桃太郎電鉄、いわゆる「桃鉄」をやったことありますか?
名前は知っているものの、これまでやったことはありませんでした。
しかし先日のWebニュースで、桃鉄が駅や地理を覚えるのに有用で、
教育現場向けの「桃鉄」が登場し話題になっているとのこと。
試しにまずは、iPhoneアプリの桃鉄をダウンロードしてやってみる。
ご存じの通り桃鉄は、日本全国の地名を舞台にしたゲームです。
ただの双六ではなく、
どこに行くか、何を買うか、その選択によって結果が変わります。
行き先によって購入できる物件や収益、発生するイベントが変わり、
プレイヤーはその土地の特徴をもとに、無意識のうちに意思決定をしています。
桃鉄で覚えるのは、地名の意味そのものではありません。
むしろ、その土地にどんな特徴やイメージがあるのか、という「紐づき」です。
それなりに都道府県の特産物などの知識はあるものの、
私たちは本来、地名を「覚える」のではなく「使っている」ことに気づきます。
この点について、日本学術会議も重要な指摘をしています。
地名は、単なる位置情報ではなく、歴史や文化、
地域の記憶を含んだ「社会的な資産」であるとされています。
日本学術会議:見解 地名問題の総合的解決に向けて
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf2/kohyo-26-k260413.pdf
つまり地名とは、「意味を持ったデータ」と言えます。
GISではどうでしょうか?
GISでも地名を扱います。
しかし多くの場合、「正しい位置」や「正確な表記」として扱うことが中心で、
その意味を使う体験にはなりにくいのが現状です。
その結果、GISは正しいけれど、「使い方が見えにくい」と感じられる場面もあります。
桃鉄との違いは、このあたりにあるのかもしれません。
桃鉄は、地名に紐づく情報をもとに行動を生み出し、結果として学びにつなげています。
いわば「地名のゲーミフィケーション」です。
であれば、GISでも同じことができるのではないかと感じました。
地名をデータとして扱うだけではなく、「どこを選ぶか」「なぜそこなのか」を考えさせる。
そのような体験設計をすることで、GISは一気に「使えるもの」に変わります。
こうした考え方は、実際の取り組みにもつながっています。
実際に、カードゲーム形式でGISの基本的な考え方を体験できるようにした
「GISカード」も、同じ発想から生まれています。
「地名や空間を使って考える」という体験を、より手軽に実現する一つの方法です。
地名は覚えるものではなく「使うもの」
そしてそれを自然に引き出す仕組みこそが、
これからのGIS教育に求められるのかもしれません。
iPhone版の桃鉄だと物足りなくなってきているので、Nintendo Switchを入手しようかな?
参考
桃太郎電鉄 教育版
https://www.konami.com/games/momotetsu/education/
GISカードハブサイト
https://gis-card-ej-education.hub.arcgis.com/
ArcGISブログ:ArcGISで場所当てクイズ
https://blog.esrij.com/archives/66002
ArcGISブログ:ArcGISを使って雑学クイズを解いてみよう①
https://blog.esrij.com/archives/38999
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┃◆┃第23回GISコミュニティフォーラム
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5月27日(水)~29日(金)東京ミッドタウン六本木にて
第23回GISコミュニティフォーラムを開催します。
GISコミュニティフォーラムは、一般的な学会とは異なり、
企業や自治体など実際の現場でのGIS活用事例を知ることができるイベントです。
また、企業展示では仕事内容や取り組みに触れることができ、
就職や進路を考える上でも参考になります。
授業や教科書だけではイメージしにくい「GISが社会でどう使われているのか」を
知る良い機会になると思いますので、ぜひこの機会に参加してみてください。
