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事例

大規模都市ガス事業者におけるGISの先進的活用

大阪ガス株式会社

 

ArcGISをプラットフォームとした組織横断的なシステムの構築

課題

大阪ガス 株式会社

導入効果

 

イントロダクション

大阪ガスのシステム遷移

大阪ガスは、近畿地方の約700万戸に都市ガスを供給し、管理する導管総延長は約60,000kmに達する。ガス事業者の業務においてGISは設備管理、計画、工事、保安、災害対策など多岐にわたって活用されている。同社では2003年に古くから使われていた設備管理GISをArcGISにリプレースし、ArcGIS 8.2→ArcGIS 9.2 およびArcGIS 9.3.1を使用し、各種業務アプリケーションとの連携を行ってきたが、2014年に約25あるすべてのシステムをArcGIS 10.2にバージョンアップした。本事例では、大阪ガスがArcGIS 10.2を使い、システムを再構築したことにより、これまで以上に組織横断的にGISを活用できるようになったことについて紹介する。

 

 

導入経緯

各種システムのバージョンアップに際して、まずデータベースのデータモデルの見直しを行った。データモデルを変更するにあたり、1. BCP等や災害を意識したデータモデルを構築すること、2. 各組織で重複しているデータを集約し一元管理とすること、3. アプリケーションの表示に有利なデータモデルとすること、などを目的としてデータモデルの見直しを行った。

 

  1. BCPを意識
    災害の際に必要なデータを定義するため、各データと各システムの関連図を作成し、そこから災害時に必要なデータの洗い出しを実施した。 洗い出したデータはレイヤとして集約し、一つのデータベースにまとめることで、データの冗長化を行いやすいようにした。具体的には導管設備データ、背景地図データ、災害時使用データ等を災害時に必要となるデータとして定義し、それまで別々のデータベースサーバに格納されていたデータを一つのデータベースに格納し、冗長化を行うようした。またそれらデータはBCP拠点にデータ転送を行い、災害の際にはすぐに導管設備データ、背景地図データ、災害時使用データが使用できるようにした。
  2. データの集約化
    これまで設備管理部門、一般顧客向けサービス部門、業務用顧客向けサービス部門の各々の部門で更新していた住宅地図を集約し、一つのデータベースにまとめ3部門の各システムから使用できるように変更を行った。
  3. レスポンスの改善
    地図の描画や操作レスポンスが向上するよう、レイヤの集約を行うなどデータモデルの見直しを図った。

システムの画面
システムの画面

 

システム構成

バージョンアップされたシステムは、ArcGISを「地図基盤プラットフォーム」と位置付け、その上で稼働するアプリケーションは地図基盤プラットフォームで管理されたデータを共有できる仕組みとして開発された。

既存APIの使用

これまでWebシステムのいくつかは大阪ガス独自のシステムを構築していたが、今回地図表示に関してArcGIS API for JavaScriptを使用することによりその開発の速度や費用を圧縮することに成功した。また他システムとの連携にはServer Object Extension(SOE)を使用することにより、サービス連携による他システムとの円滑な連携を実現した。

代表的なシステムについて

代表的なシステムの概要と今回のバージョンアップに伴う改善点を紹介する。

ArcGISで稼働する代表的なシステム
ArcGISで稼働する代表的なシステム

 

 

導入効果

 

今後の展望

大阪ガスでは、今後、以下の3点について取り組むことにより、更なるシステムの効果的活用を目指していく計画である。

 

プロフィール

開発メンバー

開発メンバー



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資料

掲載日

  • 2015年3月12日