千葉県富津港は、毎年 10 月から翌年 3 月頃まで養殖が行われる東京湾内でも最大の海苔の養殖場です。そしてこの海苔養殖の様子は衛星画像でも確認することができますが、トゥルーカラー(人間の目で見た色合いと同じ)画像では、海の色は暗く表示されるので、養殖の様子は分かりにくくなっています。そこで、衛星画像のバンド情報から NDVI 値を算出し、海苔養殖の判読を行うと、いかだの数まで分かりやすく確認することができます。
正規化植生指数 (NDVI 値) とは?
衛星画像の赤バンド、近赤外バンドを使用し、植生の活性度を分かりやすく計算した指数です。数値が高ければ高いほど植生の活性度が高いことを意味するため、例えば農作物の健康状態の把握などに利用されます。今回の例では、海面付近に浮かんでいる海苔の植生の活性度が表れています。
NDVI 値によって判読しやすくなった海苔いかだの形状から、ArcGIS Pro アプリケーションの計測ツールを用いて長さを計測しました。画像から判断できるいかだの大きさはおおよそ縦 100m、横 50mくらいであることが分かります。
ArcGIS Pro で解析した結果は、2017 年 3 月 9 日に撮影された Sentinel-2 衛星画像を使用し、元の画像(トゥルーカラー画像)と NDVI 画像の比較表示マップとして一般公開しています。マップの公開には、ArcGIS Online の ストーリー マップを使用しています。
下図のマップをクリックしてみましょう。 実際の Web マップが起動します。
今回ご紹介した海苔養殖判読は、Sentinel-2 の衛星画像データを利用しています。こちらは、無償でダウンロードして使用できるデータとなっています。
Sentinel-2 のダウンロードの仕方、および利用方法については、以下のブログもぜひご参照ください。