ArcGIS Online では、イメージ サービスを利用する Web アプリを構築するためのアプリテンプレートが提供されています。モザイク データセットおよびイメージ サービスにより Web サービスとして画像データを配信できるようになったことから、画像データの表示・解釈・解析を行う環境は、ローカルから Web アプリへと移行してきています。本稿では、画像系の Web アプリ テンプレートの使用例を紹介します。
画像系 Web アプリ テンプレートを利用するにはイメージ サービスを追加した Web マップが必要です。イメージ サービスには、ユーザー自身が ArcGIS Enterprise と ArcGIS Image Server を用いて配信するイメージ サービス、Living Atlas から提供されるイメージ サービス等が利用できます。ArcGIS Online では、Web アプリ テンプレートとして Image Mask と Imagery Viewer といった画像系テンプレートを選択することができます。
上述の Web アプリ テンプレートを利用した Web アプリの一例を以下に紹介します。
イメージ サービスが持つ時間属性とラスター関数テンプレートを利用できる Web アプリ テンプレートです。Imagery Viewer テンプレートは、次に示す機能を Web アプリで実現することができます。
時系列の Landsat データを利用した Imagery Viewer テンプレートのアプリ例
(図をクリックすると、サンプル アプリが起動します)
イメージ サービスが持つピクセル値を利用した簡易な解析が行える Web アプリ テンプレートです。Image Mask テンプレートは、次に示す機能を提供します。
海面水温 (SST) データを利用した Image Mask テンプレートのアプリ例
(図をクリックすると、サンプル アプリが起動します)
Esri が GitHub で公開している Web AppBuilder for Image Service (英語のみ) は、Web AppBuilder for ArcGIS (Developer Edition) に対してイメージ サービスを利用するためのウィジェットを提供します。このウィジェットでは、Imagery Viewer および Image Mask テンプレート相当の機能やマルチスペクトル画像の散布図・スペクトル特性を把握するツール等を利用することができます。このようなウィジェットを Web AppBuilder for ArcGIS ベースの Web アプリに組み込むことにより、イメージ サービスで配信される画像データを利用する環境を容易に拡張することができます。
本稿ではイメージ サービスの利用を目的とした Web アプリ テンプレートなどを紹介しました。従来、データ利用における環境の制約が大きかった画像データは、イメージ サービスと Web アプリの組合せによって利用の幅が拡大しています。Living Atlas では地球観測衛星データを中心とするイメージ サービスが、ArcGIS Online では本稿で紹介した Web アプリが提供されていますので、本稿で紹介した Web アプリ テンプレートをすぐお試しいただくことができます。ぜひご活用ください。