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アメリカに甚大な被害をもたらしたハリケーンランキング

 

カトリーナを上回る過去最大のハリケーンとは

アメリカを襲った巨大ハリケーンをランキング形式で取り上げたストーリマップが ArcGIS Online で公開されている。アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)のデータをもとに作成されたこのストーリーマップは、1900年から2005年にアメリカを直撃したハリケーンの規模や被害額をもとに、過去最大の被害をもたらした 10 のハリケーンをランキングしている。

このランキングの特徴は、ハリケーンの概要とその進路を表したマップから構成される Web マップであるということだ。Esri のクラウドである ArcGIS Online 上で作成、公開され、各ランキング表示をクリックすると、ランクインしたハリケーンの詳細とマップが表示される。ハリケーンの発生時から消滅までの進路を表したマップからは、ハリケーンの勢力を 5 段階で表したカテゴリ(最大カテゴリ 5 )の変化を見て取ることができ、丸いシンボルをクリックすると日時や風速といった詳細データがポップアップ表示される。ハリケーンを説明する概要部分には、ハリケーンのカテゴリ、当時の被害額、現在の金額に換算した場合の推定被害額、死者数、およびそのハリケーンの特徴が記載されている。マップにハリケーンの詳細情報を組み合わせることで、マップからだけは読み取ることができなかったハリケーンの特徴が見えてくる。

アメリカを襲ったハリケーンで記憶に新しいのが、2005年8月末にミシシッピー州とルイジアナ州に大きな爪痕を残したハリケーン カトリーナだ。上陸時のカテゴリは 3 で風速56mの強風が吹き荒れ、2,000棟近くが損壊し、死者1,836人、被害額81億ドルを記録した最も破壊的なハリケーンの一つだ。マップからも上陸の12時間前までカテゴリ 5 の最強クラスのハリケーンであったことが読み取れる。

そのカトリーナを上回るハリケーンが1926年にマイアミに上陸している。グレートマイアミ ハリケーンと呼ばれるこのハリケーンは、死者372人、当時の被害損額105億ドル、現在に換算すると157億ドルという甚大な被害をもたらした。バハマ諸島到達前から強い勢力を保ったままマイアミに達したハリケーンは、マイアミビーチに 3.2mの高潮をともない襲いかかったとされる。

しかしながら、犠牲者の数が 5 倍近いハリケーン カトリーナが第 2 位、グレートマイアミハリケーンが第 1 位の理由は何であろうか。それは、グレートマイアミハリケーンのマイアミ上陸時のカテゴリ が4 で、カトリーナ のカテゴリ 3を上回っており、さらに当時の被害総額を現在の金額に換算すると、カトリーナのそれの倍に相当する。つまり、1926年当時の被害の比較というよりはむしろ、ハリケーン カトリーナが発生した2005年当時にアメリカを直撃した場合の被害推定をもとにランキングが作成されているからだ。

関連リンク

TopTen most damaging U.S. hurricanes of all time

掲載種別

掲載日

  • 2012年10月16日