【教育GIS便り】みかんとGIS―甘さを地図で読み解く、未完の物語
みかんとGIS
2 月は、バレンタインに猫の日。
日照時間も少しずつ伸びてきて、春の気配を感じています。
先日の 3 連休は、東京ではまるで 5 月のような陽気で
「まだ 2 月ですよね?」と思わず空に問いかけたくなるほどでした。
暖かくなるのは嬉しいのですが…ひとつだけ寂しいことがあります。
店頭から温州みかんが少しずつ姿を消しはじめたことです。
代わりに、いよかん、デコポン、はるみが売り場の主役になっています。
それはそれで魅力的なのですが、私は、やっぱり「温州みかん推し」です。
皮がむきやすく、手軽に食べられ、甘さも優しい。
だからこそ、シーズンの終わりが近づくこの時期は、少しだけ名残惜しい気持ちになります。
さて、なぜみかんの話をしたかというと——
みかんは、GIS の入口になると思っているからです。
みかんの味は「場所」によって変わります。
・日照時間
・年間平均気温
・降水量
・標高や傾斜
・土壌
なんとなく「日当たりのより傾斜のみかんは甘い」と聞いたことがあるかもしれません。
実際、温暖で水はけのよい斜面では糖度が上がりやすい傾向があります。
これは「なんとなく」ではなく、きちんとデータで説明できる現象です。
たとえば、静岡、愛媛、和歌山などの産地も、
地形も、海との距離も、気候条件もそれぞれ異なります。
ブランドみかんは、単なる農産物ではなく「土地のストーリーをまとった果実」として捉えることができます。
データ収集 → 分析 → 可視化 → 共有
この流れは、まさに GIS そのものなのです。
さらに近年は、気温上昇の影響でみかんの栽培適地が少しずつ北へ移動しつつあるといわれています。
将来の気温シナリオと現在の栽培地域を重ね合わせてみると、
「10 年後、どこで育てるべきか?」という問いも見えてきます。
こうした「未来を重ねて考える」可視化の一例として、2050 年までの将来予測を示す
グローバル–ローカル–グローバル(GLG)プロジェクトのアプリをご紹介します。
https://igcglg.maps.arcgis.com/apps/instant/media/index.html?appid=3507c6a9e8fb4421968dba564ba93aa1
ぜひスワイプ機能を使って、現在と未来を見比べてみてください。
※このアプリでは、1981 ~ 2010 年の世界の気候区分と、
2041 ~ 2070 年の複数の排出シナリオに基づく将来予測を、左右に並べて比較できます。
画面右下のレイヤー表示切り替えを使うと、異なるレイヤーを表示できます。
左側には常に「1981 ~ 2010 年の世界の気候区分」が表示されます。
右側には「将来の気候区分」レイヤーを切り替えて表示してください。
GIS はどこか難しそうに見えるかもしれません。
でも、机の上のみかんから始めればいいのだと思っています。
なぜ、ここで育つのか?
なぜ、今年は甘いのか?
なぜ、被害が出てしまうのか?
問いを立てることが、GIS 教育の第一歩です。
ちなみに、地球儀を考える授業では、みかんの皮もヒントになります。
まだ“みかん地球儀”は見たことがありません。
もし挑戦してみたい方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。
オレンジの皮を使った投影法「Earth Peel」
https://www.esri.com/arcgis-blog/products/arcgis-pro/education/earth-peel

さて、今年はあと何個の温州みかんを食べられるでしょうか。
みかんだけに、まだ未完の物語ということで…
そして、私は、問いにさらに磨きをかけていきます!?
GIS Day in オホーツク 2026
3 月 10 日(火)北見工業大学にて GIS Day in オホーツク 2026 が開催されます。
当日は対面参加のほか、オンライン (Zoom) でも参加いただけます。
日時:2026 年 3 月 10 日(火)
時間:13:30~17:00 (受付 13:00 ~)
会場:北見工業大学 3 号館 2 階 多目的講義室
参加費:無償・事前登録制
詳細はこちら
https://www.esrij.com/events/details/202394/
GIS Day in 静岡 2026
静岡地区で初めてとなるGIS Dayが、3月27日(金)に静岡理工科大学にて開催されます。
日時:2026 年 3 月 27 日(金)
時間:13:00~17:00 (受付 12:30 ~)
会場:静岡理工科大学 静岡駅前キャンパス
参加費:無償・事前登録制
詳細はこちら
https://www.esrij.com/events/details/202365/
Esri Young Scholars Award 2026 募集のご案内
7 月に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される
Esri International User Conference (Esri UC) に学生の皆さんを招待するプログラムです。
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皆様からの多数のご応募お待ちしております。
