2021 年 3 月で、東日本大震災から 10 年の月日が経ち、被害にあった地域では着実に復旧・復興が進んでいます。
各地の復旧・復興状況を異なる時期に撮影した衛星画像を画面上で比較することで、その様子を見ることができるマップ「World Imagery Wayback」を米国Esri が ArcGIS Online 上で公開しています。
ページ左のメニューにあるスワイプアイコンをクリックすることで、左右で異なる時期に撮影した衛星画像が表示され、中央のバーを左右に動かし、地図上でその地域の違いを比較することができます。
なお、選択できる各日付は衛星画像をアーカイブしたタイミングであり、撮影時期ではありません。
この記事では東日本大震災で被害のあった地域に新たに建設・整備された6つの施設や道路をマップとともに紹介します。
宮城県仙台市から岩手県宮古市の沿岸部に建設している新たな高速道路「三陸自動車道」の工事の様子がわかります。三陸自動車道により他の地域からの三陸エリアへのアクセスが向上し、産業や医療、観光において寄与することが期待されています。
2019 年のラグビーワールドカップで使用された釜石鵜住居復興スタジアムが新たに建設されたことがわかります。釜石市にはプロチームもありラグビー人気が高く、地域の新しいシンボルとなっています。
気仙沼大島大橋は、東北最大の離島 気仙沼大島と本土をつなぐ橋として 2019 年 4 月に開通しました。これまでフェリーでの往来しかできませんでしたが、気仙沼大島大橋により緊急医療や観光交流などでの利用にも期待されています。
津波で全壊した石巻市水産物地方卸売市場は、震災から 4 年後の 2015 年 9 月に新たな市場として再開しました。新しい市場は、高度な衛生管理を実現するため国内では少ない閉鎖型の施設として建設されました。
津波により壊滅した常磐線 相馬~浜吉田駅間の線路は、2016 年に元の敷設場所より約 200m 内陸に新たに設置され、運行が再開されました。2020 年には、震災前と同じく東京上野から仙台までの運行も再開されています。
津波による被害があったいわき市の薄磯地区では、高台に新たな住宅地が整地されました。住宅地のすぐ隣には、いわき市の震災経験を伝えるいわき震災伝承みらい館が建設され、2020 年に開館されました。
その他の地域でも同じようにスワイプで復興の様子を見ることができます。