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GISと土地評価システムの連携。情報の一元管理により業務の効率化を実現

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GISと土地評価システムの連携。情報の一元管理により業務の効率化を実現

大分市財務部 資産税課

業務フローと処理内容を統一し、トータルなシステムとして具現化

GISと、連携する評価システムを導入 = “大分市モデル (GIS+評価システム)”

大分市は、九州地方の東部、大分県の中部に位置し、人口約48万人を擁する都市である。大分県の県庁所在地でもあり、1997年(平成9年)には中核市指定を受けている。市職員約3,500名のうち、資産税課の職員は83名であり、本庁、東部及び西部資産税事務所に勤務している。同課が管理する土地筆数は約64万筆(非課税土地を含む)、課税標準額約8,800億円、土地、家屋、償却資産などの課税台帳閲覧件数は年間約1,500件、土地異動処理数は年間約3万件である。

近年、処理件数増大や紙台帳の増加など業務量が増加傾向にあり、また、人事異動の際のノウハウの継承や、手作業での評価では職員の経験により評価精度に差が生まれるなどの問題点を抱えていた。同市では、これらの課題を解決するため以下を目的としシステムを整備する計画を立てた。

  • 現地調査以外の全ての事務をシステム化
  • 既存ホストコンピュータとの連携
  • GISの特性を活かした適正な情報管理
  • 複雑な事務処理過程を自動化・各資産税事務所でのサービスレベルの確保
  • 完全なWebシステム(ノンプラグイン)化

導入に当たっては、現地調査以外の全ての業務フローの効率化が要件だった。GISを導入する事により、三角スケールを用いて手で行っていた画地計測は自動化され、デジタルデータをExcel上で処理できるようになる。また、紙地図の利用も減り、課税情報の確認もホスト端末上で出来るようになる。しかし、年間3万件に及ぶ異動連絡票転記をパンチ入力し、職員がチェックするというマニュアルによる事務処理作業は解消されず、単純ミスの低減や、作業時間の短縮には繋がらない。そこで同市では、GISとそれに連携する評価システムを同時に導入する事にした。この仕組み“大分市モデル(GIS+評価システム)”では、紙地図ベースで行っていた業務をGIS化しデジタルデータを評価システムに引き継ぎ、評価システムでは各種補正や評価額を自動算出する事により、大幅な業務改善に繋がった。業務手順通りに操作を進めると、評価基礎情報と関連資料がシステム機能で整理され余分なデータ加工や連携作業を行う必要がない。そしてホストにより処理される課税標準算出や課税処理のプロセスにダイレクトにデータが転送される仕組みになるのだ。

国際航業様により構築されたシステムはWindowsサーバ上で稼動し、大量データ処理に対応した設計により約64万筆の評価計算を実現した。また、完全なWebシステムであり、シンクライアント化と、将来を見据えたクラウド環境への対応も可能になった。
計画から導入には約2年間を要した。適合作業と導入作業が同時であったため、システム担当者に負担が発生した。GIS+評価システムの部分に関してはホストとの連携に検証作業が必要であった。

GISと評価システムの連携及び、情報の一元管理により業務の効率化が図られた。例えば、GIS上に属性データとして格納された沿革や地番図を現地調査帳票に自動配置し、現地調査における作業の効率化を実現し、コピーや、複数の資料を持ち歩く手間を大幅に軽減した。また、データの一元管理は窓口業務の効率化にも非常に効果的であった。評価替え基準年度+3ヶ年分の台帳情報を保持することで、暦年データの即時閲覧が可能になり、台帳保管の効率化と窓口での迅速な対応を実現した。紙地図がGIS導入により電子地図化されたことにより、地図への修正が即時に反映され、登記内容などの属性情報をモニタ上で即座に確認できることも大きな業務効率化である。「評価対象の土地と隣接する土地の利用状況を画面上で確認する事により、より正確な評価を下すことが可能となり、また、間違いも一目瞭然でわかるようになりました」と矢野氏は語る。

【作業レベルにおける改善点】

  • 新たな住民サービスの向上
    • 窓口で過去履歴の説明を迅速化
    • 本庁、東西事務所間での住民提供サービスの均質化
  • 事務処理速度の大幅な改善
    • 標準的な土地評価では3倍程度、複数筆の分合筆で10倍近い改善
    • 再評価の必要のない所有権移転などは2クリックで完了
    • 処理順序の管理による重複作業が大幅に減少
    • 地目や所有者の異なる合筆・画地などのミスによる再入力件数の低減
    • 再入力が減り出力リストのチェック作業が短縮
  • 処理の均一化による評価精度向上、ノウハウの継承が容易に
    • 簡単な処理であれば、臨時職員でも対応可能に
    • 3時間程度の研修で利用可能に
    • 不整合な情報処理(隣接しない合筆や路線選択間違いなど)の回避

【業務レベルにおける改善点】

  • 適正・公平な課税
    • 地図と業務の一体化による課税精度の向上
    • 周辺土地の関係を視覚化し、課税の公平性を保つ
    • 様々な資料の収集と位置合わせを自動化
  • 多くの職員が利用できる柔軟な仕組み
    • 比準表参照、計測、入力の流れが一元化されミスを防止
    • 地目の異なる合筆や、画地認定時のミスを防止
    • 処理順序の管理により重複作業が大幅に減少
  • 信頼できる情報源による安定した業務運用
    • 航空写真との重ねあわせで、課税誤りを発見
    • 登記通知と関連資料など資料の管理が容易に
    • 画地の隣接間違いを発見

今後の展開としては以下4項目について開発を検討している。

  • 家屋情報との連携
    GISの有効活用による課税精度の向上及び、土地利用と家屋課税の効果的連携
  • 課税精度向上に向けた検討業務での有効利用
    評価替え時の補正区域抽出の効率化及び、地目誤り、住宅認定の誤りを効果的に発見・是正
  • 4年経過後の台帳の管理
    台帳のデジタル化による効率的な管理
  • ハードウェアのレベルアップ
    処理速度改善に向けたハードウェアの拡充など

プロフィール

左から 矢野 光章 氏、増本 朗 土地係長、 生田 華織 氏

左から 矢野 光章 氏、増本 朗 土地係長、
生田 華織 氏

大分市財務部 資産税課
掲載日

2011年1月1日