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ビッグデータ活用の最新気象情報システムをクラウドGISで開発

株式会社ハレックス

 

気象庁から5分間隔で提供される気象データをリアルタイムに独自処理。全国どこでも欲しい地点の最新気象情報を瞬時に把握

概要

株式会社ハレックスは、ITを積極的に活用している事で有名な民間気象会社だ。気象庁から配信される気象データを独自の解析・予測処理によりオリジナルの気象情報システム「HalexDream!」を提供している。
「HalexDream!」は、これまで都道府県内の予報区単位で提供されていた天気予報をより詳細な1kmメッシュ単位で提供できる。このより細かな気象情報は、天候の影響が大きい建設現場やレジャー・観光における当日の予定変更や安全確保などに活用され始めている。

背景

私たちの生活に密接にかかわる天気予報は、どのように予測されるかご存じだろうか?半世紀前までは天候の観測記録や予報官の経験によって予測が行われてきたが、コンピューターの登場・発展により予測の精度・種類が飛躍的に向上した。
ハレックスは1993年の設立当初から企業などへ気象情報の提供やコンサルティングサービスを行ってきた。これまで様々な業界に提供してきた気象情報の活用ノウハウと、ビッグデータ処理技術を組み合わせ、「いつでも・どこでも・だれにでも」をコンセプトとしたオリジナルの気象情報サービス「HalexDream!」を開発した。

HalexDream!とは

HalexDream!は、気象庁から最短5分間隔で提供される気象データをほぼリアルタイムで独自の解析・予測処理を行い、1kmメッシュ単位のジャストポイントの気象情報を作り出す。気象情報は、利用者の要望に応じて次の3つの提供方法を用意する。
①決まった地点を定期的に取得しXMLやCSV形式で提供(DreamFiles)
②リクエストされた地点の最新情報をJSON形式のAPIで提供(DreamAPI)
③特定エリア全体の気象データを提供(DreamAll)

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1kmメッシュのジャストポイント気象情報

導入手法

ジャストポイントの天気予報アプリ

ハレックスは、HalexDream!を広く知ってもらうために、ジャストポイントの気象情報を提供するWebアプリの開発に取りかかった。Webアプリでは、誰でも直感的に操作ができるように、地図上をクリックするとその地点のリアルタイムの気象状況、並びにこの先72時間の天気予報、周辺地域の雨雲の様子を瞬時に表示するものと決まった。
Webアプリの開発には、特定地点の気象情報を瞬時に提供するDreamAPIを使用。連携する地図システムには、気象情報を直感的に理解しやすく表現でき、かつWebブラウザ上でインタラクティブな操作を素早く実装できることが要求された。そこで、GIS開発プラットフォームのArcGIS for Developersを利用した。ArcGIS for Developersは、オンライン地図、住所、交通ネットワークなどのクラウドリソースを、Esri社が提供するAPIを通して利用できる開発者向けのサービスだ。データ整備やサーバー環境の構築コストを大幅に削減して開発をスタートする事が可能となる上に、充実したAPIリファレンスとサンプルコードがWebサイトから確認できる事が特徴だ。緯度経度をキーとして情報を取得するDreamAPIとも親和性が高く、開発工期を当初予定より短縮できた。

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1kmメッシュのジャストポイント気象情報

成果

ジャストポイントの天気予報アプリは、気象情報、地図情報全てがクラウドから配信されているため、軽快な動作を実現しており、またメニューもシンプルで誰でもすぐに利用できることが意識されている。現時点では、週間予報表示、72時間メッシュ表示、1時間先の降水情報表示、地点登録、住所検索、アニメーション表示など、多くの利用者が求める標準機能を搭載している。ただしお客様毎に求める情報や機能が異なることも想定しており、将来的な機能の拡張も考慮したアプリケーションとなった。

今後の展望

ジャストポイント気象情報の活用

HalexDream!の特徴であるジャストポイントの気象情報が活用され始めているのが、震災復旧やオリンピック・パラリンピック準備で需要がひっ迫している建設業界である。
建設現場では、多くの作業員や資材が投入され、工程が複雑に関連しあうため、正確な進行管理が求められる。しかしほとんどの作業が屋外で行われるため、降雨や強風、雷、気温などの気象変化によってはその場で作業中断の判断を下すこととなる。工程の見直しはその後の原材料や作業員の計画など連鎖的に課題が発生する。そのため、天候の影響が大きい作業をする際は、事前に作業可能な天候を的確に把握することが強く望まれている。

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現場での天候確認

たとえば、降雨によって強度や養生時間に影響がでるコンクリートを使う作業の際には、HalexDream!のジャストポイントの予報サービスを参照し、作業前に現場の降雨時刻を把握。開始時刻の変更による作業員の配分や降雨対策を1-2時間単位で調整することが可能となり、工程への影響を最小限にすることができる。
まだ続く震災復旧やオリンピック・パラリンピック準備で建設需要が増す中、天候の影響を最小化するキメ細かな気象情報が安定した進行管理に貢献できるだろう。
また、建設業界以外の分野でも気象情報の活用は進んでいる。鉄道運行においては雨量予測と危険度の可視化による安全性確保、鉄道の保線業務の支援に、また、観光・レジャーにおいてはお客様への天候予測の提供による安全確保など、私たちの身近なところでの活用が始まっている。

今後に向けて

これまでに蓄積された気象予報士の知見と最先端のIT技術力の融合で今まで以上の気象情報が得られるようになる。「ジャストポイントの天気予報がもっと身近な存在になることが目標です。例えばこれまでの広域の天気予報では分らなかった、冠水や浸水地点の発生がジャストポイントの予報で発生時刻や規模を事前に知ることができ、地域の安全性が向上する」「天候はさまざまな生活や活動に影響を与えます。気象情報とArcGIS Onlineが持つ地理データ、分析・解析機能の組み合わせで、さらに多くのユーザーニーズに対応していきたいと考えています」と営業部の須東氏と和田氏は力強く述べた。これからも社会インフラである地理情報と気象情報を使いこなすハレックス社に注目していきたい。

プロフィール

株式会社ハレックス 第一営業部 営業課  主任 須東氏(右)、和田氏(左)

株式会社ハレックス 第一営業部 営業課 
主任 須東氏(右)、和田氏(左)



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資料

掲載日

  • 2016年7月22日

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