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地球環境保全のために活躍できる人材を育成

酪農学園大学

 

自然や生命の営みと人間活動との関係を科学的に捉え、環境問題解決への明確な指針を発信する

酪農学園大学では、2005年4月からサイトライセンスを導入し、GIS・リモートセンシングを活用した環境教育、草の根活動、空間情報ポータルの構築に取り組んでいる。

酪農学園大学におけるGIS教育とカリキユラム

酪農学園大学では、2005年4月からの新学科(環境システム学部生命環境学科)の設置に伴いArcViewサイトライセンスとIMAGINEHEA(Higher Education Annual Kit) Level 1を導入した。

環境システム学部生命環境学科及び地域環境学科のGIS授業・研究棟は、酪農学園大学lζ 現存する建物の中で最も古い第一校舎が割り当てられた。レンガ造りの建物の外観は非常に趣があるが、校舎の中には最新のコンビュータシステム環境が備わっており、生命環境学科の環境GIS研究室(金子正美教授)、環境リモートセンシング研究室(ブホーオーツル助教授)、地域環境学科のOAシステム研究室(森夏節助教授)、都市空間情報学研究室(山下亜紀郎講師)の4教室、ゼミ生約80名が学んでいる。この施設には、通常の授業で利用する2つのコンビュータルームのほか、GIS専用のGISルームが設置され、卒業論文の作成や高度な研究が行われている。第一校舎のコンピュータjレーム、GISJレームの八一ドウェア環境とGISソフトウ工アは下記が導入されている。

 

【PCルーム5]

 ArcGIS Desktop (Arc View + Full Extensions)

 

【PCルーム4]・PC61台(学生用PC60台、教員用PCl台)

 ArcGIS Desktop (ArcView + Full Extensions)

 

【GISルーム】

ArcGIS Desktop (Arclnfo, Arc View + Full Extensitons) ArclMS,ArcSDE

ERDAS IMAGINE, Leica Photogrammetry Suite他

 

カリキュラムは、2年次までに情報リテラシ一、データベース、GISの基礎、リモートセンシングの基礎、統計学などGISの基礎理論を習得し、3年次以降にはGISの応用や、卒業論文作成に必要な専門的な科目を履修することとなっている。

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GIS Day in 北海道

 2005年、2006年と酪農学園大学では、北海道内のGIS普及のための草の根活動としてGISDayを開催している。北海道内のGISに興昧を持つ教育・研究機関、官公庁・自治体、民間企業の方々をー聞に集め、シンポジウムや複数の講習会を開催レている。酪農学園大学を中心とした、北海道内のGISコミュニティを形成している。

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釧路湿原自然再生プロジェクト

急速な釧路湿原の環境変化に対して、平成11年9月に「釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会」が発足し、平成13年3月には施策の提言が出された。これを受けて環境省においても、平成14年から本格的に自然再生事業を開始した。

本プロジェクトは、釧路湿原の生物多様性の確保のため、産官学の様々な有識者を集め、湿原の環境保全・保護に取り組み、湿原の再生及び自然生態系を蘇らせることを目的としている。平成15年4月に閣議決定された自然再生推進法は、釧路湿原の自然再生事業の取り組みを反映したものとなっており、釧路方式の自然再生モデルは、他の地域の模範となるモデルとして確立されるととを期待されけている。

酪農学園大学では、NPO法人EnVision環境保全事務所の協力のもと、釧路湿原と湿原自然再生事業に関わるデータを集めた情報サイト「湿原データセンター」(http://kushiro.env.gr.jp/)を運曽している。本センターでは、情報公開用WebGISエンジンとしてArclMSを採用し、釧路湿原に関する空間情報を広くインターネットを通じて一般に公開している。

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本研究の成果の一部は、ESRIPressから2006年8月に出版された『GIS for Environmental Management』にも紹介されている。

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今後の展開:Digital北海道研究会の設立

2006年10月25日、Digital北海道研究会の設立総会が行われた。本研究会は、北海道内における空間情報のインフラストラクチャとして位置づけられる。会長には、北海道大学大学院水産科学研究院の膏藤誠一教授、事務局長lこは、酪農学園大学環境システム学部の金子正美教授が就任され、国や民間企業の協力を得て、産官学連携事業として進められる予定である。

2006年度は各官庁などにまたがる衛星画像、空中写真のデータベース化を行い、3年後を目処にデータセンターを設立し、目的に応じたデータに加工して企業や自治体などに提供することを目指している。

利用分野としては、資源・環境、防災、農林水産業、観光等を想定している。データセンター設立の際に必要となる資金は、国や民間企業の協力を求め、実際の運営には、北海道内のGIS関係の研究会から協力を得る予定である。また、圏内の衛星画像データ提供機関とも協力していく。

 

今後は、利用者拡大のため、セミナーや講演会の開催、データ解析技術の開発などを行っていく予定である。また、将来的には、研究会のNPO化も視野に入れている。

金子教授は、「これまで衛星データやGISデータはそれぞれの組織が個別に配布を行っており、縦割りの弊害でユーザーの利便性が損なわれるきらいがあった。そこで一つのサイトで必要なデータを簡単に検索、入手可能な、いわゆる空間データのポータルサイトの整備を進めたい。」と抱負を語っている。

Digital北海道研究会HP http://www.dghok.com

プロフィール


酪農学園大学環境システム学部GIS研究室
左から、金子 正美教授、ブホーオーツル助教授、山下亜紀郎講師、研究室の皆様



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資料

掲載日

  • 2007年1月1日