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事例

衛星画像販売業務を支える画像検索サービス−Image Search Service (ISS)−

日本スペースイメージング株式会社

 

ArcGIS Serverを利用した画像検索サービスの高度化および効率化

膨大な衛星画像アーカイブから、欲しい画像データを検索する画像検索サービスImage Search Service(ISS)を紹介する。

日本スペースイメージング

日本スペースイメージング株式会社(以下JSI)は、世界初の商用高分解能衛星IKONOSの画像データ販売を目的に1998年に設立され、衛星画像データの撮影・処理・販売を中核に、各種地理空間情報の製品・サービスを提供している。
地理空間情報の流通拡大に伴い、衛星画像データへの多種多様な要望が増えてきたことから、JSIでは世界最高分解能41cmを実現した衛星GeoEye-1、高分解能合成開口レーダー衛星COSMO-SkyMedをラインナップに加え、取扱衛星のマルチソース化を推進している。
衛星画像データは、安全保障、インフラ管理、防災から農林水産、環境、エンタテインメントなど、さまざまな分野で利用され成果をあげている。

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JSIの取扱衛星

ISSの概要

IKONOS衛星の運用開始後10年間にマルチソース化が進み、画像アーカイブが爆発的に肥大化している。現在、JSIが販売対象とする画像データは全世界で100万シーンを超える。衛星画像データを提供する企業にとって、膨大なアーカイブから顧客の求める画像データを迅速かつ正確に提示できることは、販売に大きく影響を及ぼす重要な機能である。なぜならば、ほとんどの画像販売はアーカイブ画像を検索することから始まるからである。
JSIでは、画像検索システムをいかに簡単で使いやすく、高機能にするかが長年の命題であった。そこで、2008年から約1年かけてこれまで国内・国外で別れていた検索システムを統合し、新画像検索システムとなるImage Search Service(以下ISS)のシステムを構築し、大幅な機能アップを図った。
ISSを構築するにあたり、システムの核となるGISエンジンには、システムの安定性、世界規模での実績、国内のサポート体制、柔軟なカスタマイズ性など、さまざまな角度から検証した結果、ArcGIS Serverを選択した。さらに新たな機能として、詳細な世界地図を参照することができるGoogle Maps API Premierを導入した。
ISSは、2009年10月より無償サービスとして一般公開されており、誰でも簡単に画像の検索、検索結果を参照ができるようになった。現在、IKONOSおよびGeoEye-1衛星画像に対応しており、全世界にて撮影された画像データが毎日更新されている。また、社内業務を支える重要な基幹システムとして、提案活動や撮影計画などさまざま業務に利用している。

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ISSのシステム構成

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ISSの画面イメージ

http://iss.spaceimaging.co.jp/ISS/
動作環境:Microsoft Internet Explorer 6以上
(Microsoft Internet Explorer 7を推奨)

  

ISSの主な特徴として、次のようなものが挙げられる。

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導入の効果

ArcGIS Serverの導入により、インターネットを通じて、誰でもいつでも世界中の膨大なGeoEye-1及びIKONOS衛星画像のアーカイブから必要とする画像データを直感的に素早く検索することができるようになり、また、ユーザ自身で対象範囲をはじめ、撮影期間、撮影角度、雲量率など条件設定ができるので、より詳細な情報収集も可能になった。
豊富な機能を持ったISSの運用開始に伴い、衛星画像検索にかける作業時間が大幅に短縮され、簡単にそして効率よく資料作成ができるようになった。

今後の取り組み

今後は、ISSにCOSMO-SkyMed衛星画像データを加えていく計画があり、さらに利用ユーザの声に耳を傾け、改修計画にフィードバックしていく予定である。
これから地理空間情報を背景データなどリファレンスとして扱うユーザが増え、画像販売でなくサーバ配信による利用がさらに拡大していくであろう。JSIではそのニーズに対応するために、GSIPS(GeospatialIntelligence Platform Service)という総称のWEBアプリケーション群がある。

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すでにサービス提供しているIKONOS ONLINE、今回紹介したISSのほか、新たな取り組みとして、衛星画像を中心としたコンテンツ情報を配信するCSSや、IKONOS ONLINEをベースとしDB連携や携帯電話などのデバイス連携を開発するGeoTASを有償サービスとして展開していく計画である。さらにJSIでは、GSIPSを確立することで衛星画像の調達から利用までのバリューチェーンの提供を目指している。

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JSIが提案する衛星画像情報のバリューチェーン

こうした取り組みには、バックエンドで必要な情報をマッシュアップでき、リッチなWEBアプリケーションが構築できるエンタープライズ志向のGISエンジンが欠かせない。高性能なArcGIS Serverには、この役割が期待される。
JSIは、このバリューチェーンでパートナー企業とともに、多様化する市場のニーズにこたえ、最適な媒体を通じてこれまでよりも早く、使いやすく、有益な情報を皆様にお届けすべく、努力を続ける所存である。

プロフィール


営業本部 サービス企画・開発グループ
石井 氏(左)、小木曽 グループマネージャ(中)、廣瀬 氏(右)



関連業種

関連製品

資料

掲載日

  • 2010年1月1日