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情報管理で農山村政策の効率化を目指す!

岐阜県 基盤整備部 農山村政策課

 

ArcViewを用いた農山村情報管理

日本のほぼ中央に位置する岐阜県は、岐阜県ふるさと地理情報センターを立ち上げるなどGIS分野において先進的な県として知られている。農山村整備局では、農村振興GIS、森林GIS、治山GISという3システムが現在、稼動している。これらのシステムに加え、ArcViewを用いた農山村政策における業務効率化も合わせて進めている。

農山村政策課におけるGISへの取組み

岐阜県は、七つの県に囲まれた数少ない内陸県の一つである。北部の飛騨地方は、御嶽山、乗鞍岳、奥穂高岳など、標高3,000mを超える山々が連なっており、一方、南部の美濃地方は、濃尾平野に木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)が流れ、山と水に囲まれた自然豊かな県である。数多くの自然が残る同県の農山村政策の中核をなしているのが、農山村政策課である。同課では、「職・住・遊の機能を備えた日本一の心のふるさと」の形成を目指して農山村の整備に取り組んでいる。

具体的には、

の3つの目標を掲げている。

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岐阜県の農山村風景

これらの目標を達成するために同課ではGISに着目した。
GISをベースに各種施策の推進に必要な情報や統計情報を整備すれば、これをもとに農山村情報の処理を行い、各種施策に必要な情報を整備・提供していくことができる。
同課の属する農山村整備局は、業務の大半が何らかの形で地図に関連するため、平成10年に森林GISの導入を皮切りに、平成16年にも農村振興GISと治山GISを相次いで導入し、業務効率化を進めている。

ArcViewの利用

農山村整備局では、前述の通り業務GISアプリケーションソフトとして森林GISをはじめとする3アプリが現在稼動している。同課では、これらのシステムの他にArcViewを導入している。

岐阜県は、標準フォーマットとしてシェープファイルを採用している。「ArcViewをデータ加工用に利用している理由は、シェープファイルを扱う上で非常に簡単かつ少ない操作で扱えるからです。」と語るのは、農山村情報担当の西尾技術主査。

データの作成・加工や人工衛星画像・航空写真管理など管理をはじめ、様々な場面でArcViewを活用している。

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全県下航空写真・衛星画像管理

同課では、岐阜県が全庁型GIS構築の際に整備した高解像度衛星画像をはじめ、県下市町村が各業務で撮影した航空写真撮影エリアのデータ作成、及び管理にArcViewを利用している。本データには、撮影年度、撮影業者をはじめ各種情報が格納されている。県下市町村や業者から既存写真の確認のための問合せが絶えないとのことである。

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森林データ作成・管理

森林GISのデータを元にArcViewを用いて天然林、人工林データを加工・編集している。森林GISとデータレベルでの互換も図られており、森林管理における重要な役割を果たしている。

各事業データ作成・管理

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農山村整備局では、農業、森林関連の様々な事業を実施しているが、同課が各事業の位置と内容を入力し、管理している。ArcViewのレイアウト機能で簡単に出力図を作成することもできるため、関係部署や県下市町村に対して事業一覧図として、綺麗な地図を渡すことができる。

  

3D地図の作成

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同課では、ArcViewのエクステンションであるArcGIS 3D Analystも所有している。下図は、5mメッシュ標高データ(オルソ画像作成時の成果物)を用いて作成したコンター図(等高線)である。コンターが3Dで見事に表現されている。

下図は、同様に5mメッシュ(標高)でDEM(数値標高モデル)を作成し、その上に航空写真オルソ画像を重ね合わせて作成したものである。

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実世界さながらに表現することができ、将来的には、岐阜県下各地で同様のモデルを構築し、農山村対策における各種シミュレーションへの活用を検討中である。

今後の予定

同課では、今後、これらのデータを順次更新していくことは勿論のこと、様々な場面で利用していくことを考えている。

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同課では、今後もGISを業務の中核に位置付け、県民の皆様が安心して楽しく過ごせる岐阜県を目指して活動していく。

プロフィール


世界遺産白川郷
岐阜県大野郡白川村の白川郷は、
1995年に日本で6番目の世界遺産
として登録された。



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関連製品

資料

掲載日

  • 2005年1月1日