第 17 回
GIS コミュニティフォーラム オンライン

ユーザー様からご応募いただいたマップとストーリーマップを公開しています。

ストーリーマップ部門

作品の画像、またはタイトルをクリックすると、ストーリーマップが開始されます。

S01_徳島大学 S01あるでないで徳島の文化財

徳島大学 恩賀天汰・西條真結乃・原桜子・塚本章宏 氏

本作品は、私たち徳島大学空間情報論研究室の文化財マップ制作チームが、大学生の視点から徳島県の文化財の多様性や地域特有の文化財群(阿波人形浄瑠璃や藍染技法の伝承など)を、県内外の方々に向けて発信していくために作成したものです。
まず(1)にて全国と比較した徳島県の文化財保有について現状を把握しました。次の(2)で、県内の文化財の指定・登録における種別の傾向や内訳などを分析しました。そして、(3)では、徳島の歴史とも関わりのある彫刻作品や建造物等を「徳島の推し文化財」として解説つきで紹介しています。最後の(4)では、「徳島の推し文化財」を含むすべての文化財を「地図からみる」「種別からみる」の 2 種類でリスト化しており、興味のある入口から文化財を見ていただくことができます。本作品を通じて、多様な徳島県の文化財と、それらを育んだ徳島県という地域の魅力をぜひ感じていただきければ幸いです。

S02_奈良大学 S02高等教育向けフィールドワーク案【大和郡山】

奈良大学 牧田ことみ・野村奈央・田嶋れみ・吉位優作・岡山和樹 氏

このストーリーマップは地歴の教員と高校生を対象としたフィールドワーク案です。2022 年度から施行される新学習指導要領では「地理総合」が必修になり、授業でフィールドワークを行う必要があります。今回は郡山高校周辺のコース案を考えました。そして、コースのポイントを紹介するだけでなく、GIS を利用した土地の起伏図や水害のハザードマップを取り上げ、解析を行った他、古地図を使用した現在の地図との比較などを行いました。また、地歴の教員や高校生はもちろんのこと、一般の人でもこのストーリーマップを見て、大和郡山市の郡山城周辺についてのことを知ってもらえるような作品にしました。

S03_東京大学 S03京都の災害をめぐる(抄録)

東京大学 大邑 潤三 氏

2019 年に小さ子社から出版された『京都の災害をめぐる』に関連して、出版社の GitHub「小さ子社オープンデータ」リポジトリで公開しているデータを用い、(地点データ一覧・本文抄録リスト;https://github.com/chiisagosha/opendata/blob/master/kyoto-saigai/locations_kyoto-saigai.csv)ストーリーマップを作成しました。『京都の災害をめぐる』に掲載された本文の一部と写真を閲覧することができます。スマホに表示しながら位置情報などを利用して防災さんぽに活用して頂ければと思います。地震、風水害、火災、その他災害、複合災害、防災・学習でタブを分けています。歴史都市京都に残る災害の痕跡を、街歩きをしながら楽しく知ってもらうことを目的としています。

S04_酪農学園大学 S04札幌市円山動物園 絶滅危惧種別ストーリーマップ

酪農学園大学 門 郁美 氏

酪農学園大学は、「さっぽろ円山動物園サポートクラブ」と協働し、円山動物園で飼育されている絶滅危惧種を取り上げ、生物多様性の保全を目的としたストーリーマップを作成しました。地球上で絶滅する野生生物の数は、50 年前には年間に 1 種程度でしたが、現在は、年間 40,000 種に達していると言われており、SDGs の大きなテーマともなっています。このストーリーマップでは、飼育されている動物を絶滅の危険性のランクに分けてグループ化し、飼育場所と動物たちの野生下での生息状況の解説とをリンクさせています。解説には、動物の動画や飼育専門員さんへインタビューも加え、来園者だけではなく、小中学校の教育においても、動物園の動物たちと世界の絶滅危惧種の状況が学べるよう工夫しました。このストーリーマップで、子供たちが動物園にいる動物と地球の環境がつながっていることを学び、日本からできることを考えるきっかけになってなればと思っています。

S05_室蘭市 S05「ただいま室蘭」届けよう、あの人へ今の室蘭を~

室蘭市 川口 陽海 氏

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、全国で外出自粛となりました。With コロナにより、室蘭への帰省が叶わない人多くいました。そして、帰省を楽しみにしていた人も少なくないはずです。「今の室蘭を伝えることで、帰蘭できない人たちへ室蘭に帰省した気分を感じてもらい、室蘭を懐かしんでもらいたい。」 そんな想いで、市民の方から“あの人”が懐かしいと思う何気ない室蘭の風景など、「今」の室蘭の写真を投稿してもらい、ストーリーマップで届けました。

S06_ジオナレッジ合同会社 S06とよのいいとこマップ

ジオナレッジ合同会社 水野 博史 氏

長野市の北東に位置する豊野町。長野市への合併後、地元のいいとこが埋もれてしまったような・・・
「豊野の人に豊野のことを知ってほしい」
おばちゃんたちの世間話がきっかけで始まった、誰でもできる、地域のお宝マップづくりの記録をストーリーマップにしました。
このマップは、豊野地区住民自治協議会の地域振興部会(マップづくりの会)の主に女性を中心としたメンバーが 5 年以上の年月をかけて作られました。令和元年東日本台風に伴う洪水によって地図冊子の大半を消失してしまいましたが、幸いデータは難を逃れることができ、地域活動や学校などで今も使い続けられています。

S08_中部大学 S07COVIDパンデミックが日本の持続可能な発展に及ぼす影響

中部大学 Man Duc Chuc 氏

2019 年 12 月に中国で最初の患者が発生して以来、COVID-19 は、2021 年 5 月 10 日に記録されたように、世界的に 222 カ国に広がっています(Worldometer)。世界的に見て、コロナウイルスの総症例数は 1 億 5,800 万人以上に達し、死者数は 300 万人以上となっています。日本では、2020 年 1 月 16 日に神奈川県で国内初の CODIV-19 感染者が確認されました。現在、2021 年 5 月 10 日時点での総患者数は 633,027 人、死者数は 10,823 人に達しています(Worldometer 社調べ)。コロナウイルスの発生を受けて、日本政府は 3 つの全国的な緊急事態を実施し、最後の緊急事態は現在も継続中です。COVID-19 は、プラスとマイナスの影響をもたらします。地球観測データは、パンデミックや政府の対策が社会に与える影響を観察するための客観的なデータセットとして使用されます。ここでは、夜間の照明強度と大気汚染(NO2)を調査しています。

マップ部門

作品の画像、またはタイトルをクリックすると、大きいサイズで作品をご覧いただけます。

M01_兵庫県立大学 M01ひとりひとりに届き心配性バイアスを惹起する洪水被災想定データの構築と提示システムの検討

兵庫県立大学 川向 肇 氏

兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科 川向・有馬研究室では、国土交通省の『国土数値情報ダウンロードサービス』で提供されているオープンデータのうち、全国の(1)主要河川の想定最大規模の洪水ハザード、(2)山林、(3)湖沼に関するオープンデータ、総務省統計局の『地図で見る統計』の Web サイトで提供されている(4)第 4 次メッシュによる国勢調査集計結果に関するデータ、の 4 種類の空間的データを統合的に利用して、面積按分法により、可住地内での想定最大規模の洪水被害が発生した場合での浸水深別の高齢単身世帯など属性別被災世帯数や外国人や年齢階層等の属性別被災人口についての推計を実施しています。現在までのところ、全国の約7割の主要河川に関する推計作業が終了していますが、その推計作業の効率的実現のため構築した Model Builder による推計モデルの一部を紹介するとともに、兵庫県加古川市を対象とした ArcGIS Online による今後のデータ公開に関するプロトモデルの具体例についてご紹介するポスターとなっています。

M02_国際航業株式会社 M02屋久島 -森と人の風土記-

国際航業株式会社 本田謙一・前田佳子・板津真希・引地慶多 氏

奥深い山と巨大な屋久杉の森が広がり、今も原始の森が残ると名高い屋久島。しかし、かつては大規模な林業が行われ、島の人々の生活を支えていました。この図では、屋久島の森と人との歴史を、平成 29 年に計測した航空 レーザデータ や 江戸 時代の 石高(伐採量)から読み解きます。
屋久杉は、屋久島の標高 1,000m 前後に自生する杉です。屋久島は自然が残っているといわれますが、古くから屋久杉の伐採を生業にしてきた土地でもあります。江戸時代は屋久杉の板材が年貢の代わりとなっていました。樹高分布からも、かつて伐採された痕跡が見てとれます。世界遺産としては最後まで伐採を免れた範囲が指定されています。

M03_ジオカタログ株式会社 M032021 台湾海峡

ジオカタログ株式会社 金行 方也 氏

軍事的な拡大が著しい中国と、それに台湾海峡周辺で対峙する日本や台湾、米国などを表現した地図です。中国を赤色、中国と向き合う国々を青色に、あえて単純に塗り分けることで、対立の構図が鮮明に浮かび上がる、そんなデザインになっています。本図では、中国が東シナ海から南シナ海にかけて大きく展開し、それを日米台が抑え込むという構図が出来上がり、一触即発の状態になっているのを見て取ることができます。

M04_奈良大学 M04竹林が土砂災害を引き起こす!?

奈良大学 髙田 雄登 氏

日本は古くから竹を利用して生活を営んできたが、その反面、竹林による土砂災害の実害も出ている。そこで、平成 10 年に実害のあった高知県中部を例に竹林と土砂災害の関係性を調査した。調査の過程の中で、竹林が表層から 30cm ほどしか根・地下茎を張らないこと、竹林がどの方向、どのくらいの傾斜角、標高に分布しているかが分かった。そこから竹林のデータを傾斜角と土砂災害のハザードマップにそれぞれ重ね合わせ、竹林と土砂災害の関係性について考察し、竹林が分布しているかつ傾斜角 30 度以上の地域は土砂災害の危険性が高いという結論に至った。  解析には ESRI社の ArcGIS Pro version2.7.3 を利用し、竹林分布のデータは環境省の平成 26 年度植生図、標高データは基盤地図情報から平成28年度の標高 DEM データ、ハザードマップは国土数値情報から令和元年度土砂災害警戒区域、平成 22 年度土砂災害危険区域のデータを使用した。

M05_皇學館大学 M05大阪の○○は東京のどのあたり?教師付き機械学習によるジオデモグラフィクスの作成

皇學館大学 桐村 喬 氏

大阪の十三は東京で言えば○○だ、というような例えは、引っ越したばかりの人や、どちらかから来た人との間でよく交わされます。このマップは、そんな例えにヒントを得て、リモートセンシングで使われるような教師付き分類手法を用いて、ジオデモグラフィクス(居住者の地区類型)を作成したものです。
具体的には、居住者の特徴についての統計データを用意したうえで、都市の特定の場所をいくつか“教師”(分類の基準となるもの)としてあらかじめ学習しておき、そのデータをもとに、その都市や他の都市の内部を細かく分類していく作業を行っています。今回は、大阪と東京を例に、主に 2015 年の国勢調査結果を使い、統計データを作成しました。そして、教師データを作成して教師付き機械学習で分類しました。分類結果は、みなさんの感覚や記憶のなかの景色などと合っているでしょうか。感覚や景色では気づかない、意外な共通点があるかもしれません。

M06_大阪工業大学 M06夜間光で見る covid-19 による萎縮

大阪工業大学 杉本 賢二 氏

covid-19 の世界的大流行により、各地で人々の移動や行動が制限されている。本研究では、人工衛星により観測された夜間における地表面の輝度を表す夜間光データを用いて、施設別(役場・鉄道駅・大学・道の駅・空港)に感染拡大前後の輝度変化率を算出した。 その結果、東京都では輝度が減少した地域が多い一方で、大阪府や愛知県では増加しているなど、西高東低となる地域的な偏りが顕著となった。また、すべての施設で輝度が減少した割合が多く、covid-19 による様々な萎縮が広範に及んでいることを明らかにした。

M07_横浜国立大学 M07「地震被害想定」を「シナリオ」に変換-震災時の救助活動の時空間変化-

横浜国立大学 喜納 啓 氏

本研究では、地震災害において層崩壊を伴う倒壊建物からの救助活動が必要とされる地域を対象に、建物現況、道路状況、消防署・出張所の立地、消防隊員数などの地域特性を踏まえて、時間的・空間的な視点から、震災後の被災地域における救助活動状況を分析する手法を提案した。提案手法を用いて、自治体が保有する地震被害想定から、時間経過とともに変化する救助活動のシナリオを作成することで、地震被害の全体像や脆弱性・課題が明らかとなり、地震防災戦略や地域防災計画の立案に寄与することが期待できる。

M08_株式会社東京地図研究社 M08環状七号線で一番バスが走っているのはどこか?

株式会社東京地図研究社 柳下 誠 氏

東京都の交通の大動脈、環状七号線(以下環七)。東京都心から約10キロメートル離れた郊外部を環状に結んでいる。東京の鉄道網の特徴として、山手線の駅から郊外に向かって放射状に路線が伸びていることが挙げられる。しかし放射状に伸びる鉄道同士を繋ぐ路線は少ない。そこで、郊外部同士を結ぶのに重要な役目を果たしているのが、環七を走行するバスである。そんな環七を走るバスが一日で最も多い区間はどこになるのか。各バス会社の時刻表より調査し図化を行った。

M09_立命館大学 M09遺跡と社会の Relationship ―身近な遺跡を未来に継承するために―

立命館大学 武内 樹治 氏

遺跡は埋蔵文化財包蔵地という名称で文化財保護法によって保護されています。遺跡保護のために遺跡は多くの方々に周知してもらうことから始まりますが、これまでの公表された遺跡数の変遷を図に示してみました。図からも読み取れるように激増している遺跡は、現在ほぼどこにでも(特に人住みやすい平野には特に)足元に眠っていると言っても過言ではありませんが、土地を改変する開発などの社会的な要因によって知らないうちに消滅している遺跡も少なくはありません。遺跡数が膨大となり、遺跡保存のあり方が問われています。

M10_株式会社建設環境研究所 M10河川環境情報の可視化

株式会社建設環境研究所 野村 大祐 氏

河川環境調査により得られるデータは、これまで主にポイント情報として整理されてきました。そのため、その後の設計・施工・維持管理のフェーズにおいて、調査時と専門分野の異なる関係者が環境に配慮した意思決定を行おうとしても、調査結果を情報として利用しにくい課題がありました。ArcGIS Pro を用いることによって、UAV/ 衛星画像を自動分類し、面的な環境データを効率的に生成することができます。また、そこにレーザー測量等による面的な測量データを重ね、3D 表現をすることも、ArcGIS Pro により容易に実現可能です。河川環境 CIM により、地形と対応付けられた河川環境情報が把握しやすくなり、多様な立場の関係者との合意形成が円滑に進みます。

M11_兵庫県立大学 M11オープンデータを利用した津波浸水想定地域における津波等一時避難施設への避難可能

兵庫県立大学 葛 文茜 氏

近い将来発生することが予想されている南海トラフ巨大地震とそれに伴う都市湾岸部での津波による被災の可能性について、多くの人々が近年関心を寄せるようになり、それに伴い津波被害が想定されている市町村では、その対策として公共施設のみならず民間企業の施設や民間の高層住宅を含め、津波等一時避難場所として指定する動きが見られます。しかし、一時指定避難場所に避難が行われる場合に現実的にどの程度の人々が避難可能かの定量的検討が十分ではないと思われます。そこで、兵庫県が公開している 1m 解像度のディジタル標高データと表層データおよび基盤数値情報の建築物データなどのオープンデータを活用し、津波等一時避難場所への避難可能性を地域の人々に具体的に考えてもらうためのマップを製作しました。

M12_東北大学 M12COVID-19 流行は DOKODE 続いているか:COVID-19 時空間 3D マップ

東北大学 中谷 友樹 氏

この 3 次元の地図は、様々な施設(学校や店舗、病院など)が自発的に発出している感染者の発生情報(ボランタリー地理情報の一種)を、JX通信社が日々収集してデータ化したものを利用し、これまでになく詳細な COVID-19 流行の地理的分布を可視化している。同時に、垂直方向を時間軸とした時間地理学的表現を利用することで、地域別の感染発生頻度の時系列を俯瞰することも可能となっている。この地図はインタラクティブな 3D マップとして ArcGIS Online を利用してウェブ上に公開されており、ほぼ毎日更新されている(JX通信社と東北大学の共同開発:https://nakaya-geolab.com/covid19-stkd/japan/)。

M13_筑波大学 M13「伊能図」完成から 200 年!GIS で江戸から令和までの国土変化を探る

筑波大学 岩井 優祈 氏

「伊能図」とは、伊能忠敬(1745 年-1818 年)らによって作製された地図の総称である。本研究では、伊能大図(1:36,000)を GIS の技術でデジタル化し、国土地理院が提供する「地理院地図」に布置・再現した「デジタル伊能図」を用いて、1821 年から 2021 年までの 200 年間にわたる国土の地理的変化を ArcMap で分析した。長期にわたる国土変容を科学的に追究できるのは、全国スケールで地理空間情報が詰まった伊能図の強みといえる。また、本研究の成果は「200 年間の地域変化がなぜ生じたのか」という要因を探求する学習にも応用できる。「地理総合」の教材としても、伊能図と GIS のコラボレーションは効果を発揮する。

M14_北海道大学 M14札幌市全域を対象とした道路交通騒音リスクマップ

北海道大学 田鎖 順太 氏

騒音は、「うるさい」などの感覚的な影響を引き起こすだけではなく、心筋梗塞などの疾患のリスクを上昇させることが知られています。日本全国では、道路交通騒音の寄与によって年間約 2000 人が死亡していると推定されており、リスクの把握や対策が急務です。私たちの研究室では、道路や建物の地理情報(道路交通量含む)・騒音伝搬モデル・騒音とリスクの量反応関係(WHO 欧州地域事務局が示したもの)を利用して、道路交通騒音の健康リスクマップを作成しました。年間死亡数などの具体的な数値によって建物ごとの健康リスクが表されているマップは、リスクコミュニケーションでの活用が期待されます。

M15_東京農業大学 M15オジロワシの渡り環境解析に向けて~衛星画像から作成した土地被覆図~

東京農業大学 池田 寛美 氏

渡り鳥の多くは国境を越えて移動するために、生息地域での観察が困難である場合がある。極東に生息する渡り個体のオジロワシの利用環境を明らかにするために、無償で利用可能かつ比較的高解像度な衛星画像 Sentinel-2 を用いて、ロシアの沿海州における土地被覆図を作成した。衛星画像から算出した植生指数(NDVI)や、Support Vector Machine による教師付き分類、Open Street Map データの外挿により、分類項目数 10 の土地被覆図を作成できた。

M16_立命館NRIAG M16NSDS, エジプト・ビジョン2030 の達成に向けたナポレオン時代のアレキサンドリア地図の検出と活用

立命館大学 Mohamed Soliman 氏

北は地中海、南はマレオティス湖に挟まれた細長い土地は、紀元前 332 年にアレキサンダー大王が建設した優れた戦略都市である。アレキサンドリアは 2 つの港から地中海へ、またマレオティス湖にある内陸の港からエジプト全土へアクセスしている。
このような地理的戦略上の位置により、アレキサンドリアは深い変化にさらされ、歴史的な土地利用と土地被覆(LULC)に頻繁に影響を与えてきた。1517 年にマムルーク帝国が滅亡し、エジプトがオスマン帝国の属国となったことで決着したマムルーク・オスマン紛争に伴い、15 世紀末から 16 世紀初頭にかけて地理的な発見があったのである。その結果、3 世紀の間にアレキサンドリアは世界貿易港としての歴史的な重要性を失い、ロゼッタがその役割を担うことになったのである。この重要な地位は、近代以前のアレキサンドリアの都市計画に影を落とし、1801 年にナポレオンが作成した地図にも描かれているように、LULC の変化を頻繁に引き起こしたのである。
デジタル・ヒューマニティーの時代において、地理空間的なアプローチは、近代以前のアレキサンドリアの歴史的属性を理解し、3 世紀(1517-1801 CE)にわたって行われたLULCの変化を分析するのに役立つ。その結果、このデジタル化されたナポレオン地図は、持続可能な開発計画(NSDS)である「エジプト・ビジョン 2030」を実施するために現代的に活用されることになる。