トレーニング・イベント

イベント

開催レポート

第 15 回 GISコミュニティフォーラムは、2019 年(令和元年) 5 月 23 日(木)~ 24 日(金)に、東京ミッドタウン(東京都港区・六本木)にて開催されました。前日の 22 日(水)には同会場でプレフォーラム・セミナーも開催されました。期間中は、2,500 名を超える皆様にご来場いただきました。ご来場いただいた皆様、ご出展やご発表等で開催にご協力いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。 第 15 回 GISコミュニティフォーラムの各プログラムを、写真とともに振り返ります。

基調講演

基調講演は、5 月 23 日(木)及び 24 日(金)の両日開催されました。5 月 23 日(木)は、冒頭で弊社社長正木及び ESRIジャパンユーザ会会長の福井 弘道 教授が挨拶し、続いて、米国 Esri 社 グローバルリモートセンシング & イメージ担当ディレクター Richard Cooke (リチャード クック) 氏が講演されました。最後に、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授 蟹江 憲史 氏が講演いたしました。5 月 24 日(金)は、経済産業省 製造産業局 宇宙産業室長 浅井 洋介 氏、国立情報学研究所 社会共有知研究センター センター長・教授 一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長 新井 紀子 氏が講演されました。

『Esri社のリモートセンシング トランスフォーメーション』
Esri社 グローバルリモートセンシング & イメージ担当ディレクター
Richard Cooke (リチャード クック) 氏

『Esri社のリモートセンシング トランスフォーメーション』Esri社 グローバルリモートセンシング & イメージ担当ディレクター Richard Cooke (リチャード クック)冒頭で、米国Esri社 社長、ジャック・デンジャモンドがビデオレターを通じて来場者に謝辞と GIS の新たな発展について述べました。
ビデオレターによる挨拶の後には Esri社 グローバルリモートセンシング & イメージ担当ディレクター リチャード・クックがフォーラム開催の祝辞を述べました。
本題に入ると、Esri社が掲げているプラットフォームで世界を変革するというビジョンについて説明しました。我々は複雑で絶えず変化している世界に住んでおり、多くの解決が困難な問題にロケーションインテリジェンスを活用し対応しなければならない時代になりつつあります。Esri社のプラットフォームは組織内のコンテンツや分析結果を 1 つのプラットフォームにまとめて組織間にある様々な壁を取り払い、我々の世界をより深く理解させてくれると述べました。そして、プラットフォームの基盤である ArcGIS Enterprise は、あらゆるタイプの画像およびリモートセンシングデータを管理するための包括的なシステムであり、大量のデータを活用可能な情報に変換してくれると述べました。
次に、画像データ・リモートセンシングデータとプラットフォームの連携について説明しました。プラットフォームとの連携は、画像管理、可視化と探索、分析、地図製作、コンテンツの 5 つのコア機能により迅速にデータを処理や管理、公開できるようになったと述べました。これらの機能は ArcGIS Pro や ArcGIS Image Server、Drone2Map for ArcGIS、米国で 4 月にリリースされた画像サーバー用の Web ベースのクライアント ArcGIS Excalibur などの製品で実装できると述べました。これらの機能が使用されている例として 2017 年 8~9 月に米国内で莫大な被害を引き起こしたハリケーン・イルマの救助・復興活動を挙げ、暴風雨の画像を迅速に提供しました。
講演の最後に、効果的に活用できるプラットフォームとツールを提供することがEsri社の使命であり、ArcGIS は画像・リモートセンシングデータを活用可能な情報へ変える役割を持っていると結びました。

 


『SDGs の可能性:「測る」ことで社会を変える』
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授
蟹江 憲史 氏

『SDGs の可能性:「測る」ことで社会を変える』慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授 蟹江 憲史 氏蟹江氏の講演では、SDGs とは何か、指標の特徴、取り組みの事例、SDGs の現状と課題等について述べました。
 SDGs とは、2015 年 9 月の国連総会で採択された貧困、保健、教育、ジェンダー、エネルギー、街づくり、生物多様性等といった 17 の目標と 169 のターゲットからなる国際指標であり、2030 年の世界の姿を現すものだと蟹江氏はいいますです。SDGs への取り組みの中で重要なことは測ることであり、地理図情報の活用に可能性があると述べました。
取り組み事例として、関東経済産業局と長野県による SDGs 推進企業の認定、内閣府による SDGs 未来都市の選定などを挙げました。これらの進捗は、共通指標と独自指標を組み合わせて測る必要があるといいます。また、GIS を利用した共同研究として静岡県の「健康長寿のまちづくり推進」への取り組みや、プラスチックごみ廃棄物の量問題を測るアプリ開発など、データの可視化を進めている事例を述べました。
近年、大企業の SDGs 認知度は向上しており、金融面ではサスティナブル投資など SDGs への関心が高まっています。G20 と国連サミットが開催される本年は本格的なアクションに注目が集まることが予想されます。また、中小企業への普及が急務な一方で実はサスティナブルな活動をしている企業が多く、熊本地震の発生後には地域社会との持続可能性を高めている企業がより回復したと述べました。 SDGs 実現に向けた大きな課題として、指標の設定やその進捗をどのように「見える化=測る」のか、次へのアクションに繋げるのか、ということが挙げられていえます。蟹江氏は指標を活用して社会を変えていくことが、今後の SDGs の大事な部分であり、企業や自治体にとっては 2030 年に向けた競合企業や他の地域との差別化に繋がるだろうと結びました。

 


『日本の宇宙産業の動向と政策の方向性』
経済産業省 製造産業局
宇宙産業室長
浅井 洋介 氏

『日本の宇宙産業の動向と政策の方向性』経済産業省 製造産業局 宇宙産業室長 浅井 洋介 氏浅井氏はまず、現在の宇宙産業の世界的規模は約 2600 億ドル(日本円で 30 兆円)で毎年拡大しており、日本も、現在 1.2 兆円の規模を 2030 年代早期に倍増を目指していると述べました。最近はロケットや衛星などの宇宙機器産業よりも、地上設備(ラジオ,カーナビ)や衛星サービスなどの、宇宙利用産業が増えてきており、また衛星の小型化が世界全体で急速に進んでおり、小型衛星ビジネスが生まれてきているとのことです。こういった背景には、今までは処理することができなかった大量のデータを、AI やビッグデータなど技術の進歩により扱うことが可能になったことがあげられると説明しました。日本でも約 40 社が宇宙ビジネスに参入しており、その中でも今まで宇宙と関りの薄かった企業や自治体が、新たに関わろうとする動きがあるようです。
そんな中で、経済産業省としては、ロケットや衛星を打ち上げて終わるのではなく、ロケットや衛星を使って新しいビジネスを起こすなど、社会課題の解決につなげることで、打ち上げ需要を喚起していきたいと述べました。
次に、昨年度から経済産業省が開発をすすめるデータプラットフォーム Tellus “テルース“について述べました。Tellus は原則無償で提供し、衛星画像や地上観測データが閲覧できるプラットフォームであり、2021 年からの民営化を目指していると説明しました。用途としては、農業や防災、資源探査などの分野の他、将来的には位置情報と組み合わせて新たなビジネスも考えられると述べました。今後の予定としては、海外にある同様のプラットフォームと連携して、海外の衛星データも自由に使える環境を整えていきたいと述べました。
最後に、衛星データは ArcGIS と組み合わせることでとても大きなポテンシャルがあり、Tellus や ArcGIS など、これら社会解決のツールがあるということを多くの人に知っていただき、それをビジネスで繋げていくことをサポートしていきたいと結びました。

 

各種発表

『ArcGISで実現! 一歩進んだ3次元地理空間情報の活用』
オートデスク株式会社
技術営業本部 土木分野技術統括
井上 修 氏
ESRIジャパン スタッフ

Society 5.0、i-Construction などの国家戦略を支える社会基盤として欠かせない要素である「3次元地理空間情報」の活用をテーマに、ArcGIS で実現できる 3D GIS 機能や活用例についてデモンストレーションを交えて紹介しました。
最初に 3D GIS の基礎(3D データの表現、作成)を紹介し、3D 空間解析による活用例(可視解析、日影解析、日射量解析、浸水解析、風況解析 等)を Web マップや点群データや 3D 都市モデルを用いたデモンストレーション、導入事例で紹介しました。
さらに、GIS と BIM/CIM の連携のテーマでオートデスク株式会社の井上様にご登壇いただき、BIM/CIM の動向やオートデスク社製品と Esri 製品のシームレスな連携による生産性の向上についてデモンストレーションを交えてご紹介いただきました。
最後にまとめとして、地理情報を活用するための一連のプロセスを支援する ArcGIS において、3次元地理空間情報を活用することで迅速な状況把握、生産性の向上、円滑なコミュニケーション、最適な意思決定ができ、スマートな業務を実現できることを伝えました。

 

事例発表

地方自治体、大学、研究機関、そして民間企業まで、様々な業種・分野から ArcGIS 製品を利用した事例の発表が行われました。IoT、ビッグデータ、BI、AI、衛星画像、3D、画像処理 などの最新技術を取り入れた発表や、EBPM、防災・減災、SDGs、気象、海洋など多岐にわたる分野の発表も注目を集めました。分野をまたがって聴講されるお客様も多く、GIS の実社会での活用方法への関心の高まりを感じました。

 

テクニカルセッション、プレフォーラム・セミナー

Esri 製品の最新情報や技術情報をお伝えするテクニカルセッションは、GISコミュニティフォーラム前日に開催のプレフォーラム・セミナーに 24 セッション、フォーラム当日に 13 セッションの計 37 セッションが行われました。
プレフォーラム・セミナーでは、ArcGIS を利用する上で欠かせない初級者向けの基礎知識や中級者向けの応用テクニックを、ArcGIS Online、ArcGIS Pro、ArcGIS Apps、Web GIS などのカテゴリ別にご紹介し、約 600 名のお客様にご参加いただきました。また、フォーラムでは、IoT、イメージ、AIといった近年注目されている先端技術との連携のセッションがあり、ArcGIS プラットフォームが多様なお客様のニーズにお応えできることを実際の活用事例とともにご紹介しました。

 

建設・土木・測量ソリューションセッション

今年もオートデスクの井上様ご協力のもと、「Autodesk & Esri パートナーシップ 最新情報」と題しまして、InfraWorks と ArcGIS Online における最新の連携デモンストレーションをご紹介いただきました。
BIM と GIS の両テクノロジーを連携させる新しいパートナーシップの発表から約1年半が経過しましたが、本セッションを通して、BIM と GIS の具体的な連携・運用イメージを紹介する事ができました。
後半は、2社の建設コンサルタント様より ArcGIS プラットフォームの活用事例を講演いただきました。
シン技術コンサルの奥野様からは、「平成30年北海道胆振東部地震における地理空間情報の活用」と題しまして、災害対応の取り組みを発表いただきました。中電技術コンサルタントの山野様からは、大規模土砂災害における災害調査システムの検討で、スクラッチでのシステム開発ではなく、Esriのクラウドサービスである ArcGIS Online の検討に至った経緯や課題を発表いただきました。
BIM/CIM、災害対応、現地調査などの新たな事業展開をご模索中の参加者にとっては大変有意義なセッションとなりました。

 

教育 GIS セッション

本セッションでは、「正しい地図の描き方:地図の秘密、座標系の秘密」をテーマとして、日本地図センター 田代氏、皇學館大学 桐村氏、東京地図研究社 鈴木氏の3名にご発表頂きました。 田代氏は、地図投影法の基本として、地図投影法をめぐる状況、地図投影法の基本、投影法ソフトに関しての押さえておきたいポイントをお話していただきました。桐村氏は、研究者の視点に注目し、地図を利用する目的、利用場面により表現方法が違う旨を紹介し、どのような場面で地図の特徴を活かしたらよいかをご発表いただきました。最後に鈴木氏からは、普段業務でGISを使って地図作成する立場からGIS作業をしている際に陥りやすい、よくある失敗に関して測地系やGISデータ、古地図との位置合わせについて失敗談に陥りやすい部分をなぜそうなるのか、わかりやすく魅せる地図の描き方についてご紹介いただきました。 近年、手軽にGISを扱えるようになり、ソフトウエア上で意識しなくても「地図」は作れる時代になりました。気づかないうちに間違えてしまう地図表現に関して、また多くの方が不得意とする座標系について、今後GISを使う上で少しでも苦手意識を少なくできれば幸いです。

 

農業セッション

農業 GIS セッションは今年で第 9 回目を迎えました。今回は「持続可能な農業に向けた GIS の活用」をテーマに、東京大学 齋藤 元也 氏のコーディネートのもと、有識者の皆様にご講演いただきました。
農林水産省 政策オープンラボ GIS チームの河原様・佐久間様・保坂様は、部局横断で若手職員を中心に結成されたチームの取り組みとして、土地利用(農地・森林など)の違反案件検知の支援ツールとしての GIS/リモートセンシングの活用についてご紹介いただきました。
信州大学の渡邉様からは、農林業における IoT 活用の取り組みとして、シカ罠センサーと監視システムの実証実験の概要と、 LoRaWAN ゲートウェイの最適配置分析に GIS を活用された事例のお話をいただきました。
農研機構のスプレイグ様には、農地区画データベースを主題として農業 GIS における農地データベースの重要性と将来展望、さらに国内外の整備レベルの違いなどを分かりやすくご紹介いただきました。
JAXA の高橋様は、衛星画像データを用いて農地区画の更新を支援する研究開発の概要とその利活用の展望についてご紹介いただきました。
本セッションには、産官学の様々な分野から 250 名を超える方に参加いただきました。参加者からは講演ごとに活発に質問が投げかけられ、これからの農業分野における GIS の利活用への期待の高さを再認識することができました。

 

森林 GIS セッション

森林 GIS セッションは、今年で第 9 回目を迎えました。
今回は糸島市様、エフバイオス様、四国森林管理局様、森林総研様にご参加いただき、事例発表を行いました。
糸島市様は、実際の糸島市で行われている森林事業の成長産業化の活動内容についてお話しいただきました。
発表の中では、糸島市における森林事業の重要性や方針、施策の中での具体的な GIS の活用方法などを紹介いただきました。
エフバイオス様からは運営されている事業とその中での森林資源の関わりを前提に、適切な森林資源管理を行うために必要な複数の測量技術を活用した事例について説明いただきました。実際の成果図が随所で確認でき、わかりやすい発表でした。
四国森林管理局様からは、国有林の詳細および現在の管理手法についてお話しがありました。具体的な業務として森におけるシカ対策でのGIS活用の内容について成果図や解析手法とともに発表いただきました。
最後に、例年コーディネータをお務めいただいている森林総研鹿又様から、Society5.0 を目指す上で森林業界全体が抱える課題について森林業務の方針と対応する技術を絡めながらご説明いただきました。セッション自体はほぼ満席の上質問も多くいただき非常に盛り上がりを見せました。森林業界の今後について異なる組織間で一丸となって取り組む必要性を会場全体が共有できたことが何よりも大きかったと感じています。

 

防災 GIS セッション

本年の防災GISセッションは、「防災分野におけるGIS活用新時代」というテーマを掲げ、新時代を象徴する最新の防災GIS活用事例の数々をご発表いただきました。防災科研の国家レジリエンス研究推進センター長である岩波越氏からは「首都圏の気象リスク情報の発信に向けて」と題し、最新の情報発信技術を用いたプロトタイプシステムの開発状況をご報告いただきました。2つ目の講演「PRISMにおける大阪府北部地震の時空間分析」では、自治体や民間企業の地震関連データをArcGIS Online上のストーリーマップやオペレーションズ・ダッシュボード、インサイツなどの最新アプリを使って時空間分析する手法が紹介されました。3つ目の講演では、防災科研雪氷防災研究センターの山口悟 主任研究員より「雪氷災害対策における衛星利用と雪氷予測」と題し、衛星データを用いて雪氷の状況を予測する技術が解説されました。4つ目の講演者である北海道安平町の村山竜太主幹からは「平成30年胆振東部地震における災害廃棄物対応について」というタイトルで昨年の震災の廃棄物対応におけるGIS利用について事例発表がされました。5つ目の日本防災産業会議の永田茂氏からは「官民連携による災害情報共有の取組み」と題し、当会議と防災科研との協定によるデータ共有の取組みが紹介されました。最後のご講演「新しい災害時マッピングボランティア制度:N2EM(ネム)のご紹介」では防災科研の取出新吾氏よりN2EM=National Network of Emergency Mappingについて紹介とメンバー募集がなされました。

 

生物多様性・コンサベーション GIS セッション

今回は、「国連持続可能な開発目標(SDGs)および生物多様性ポスト2020年世界枠組みにおける GIS」をテーマに生物多様性保全を推進する団体から講演者をお招きして、事例を発表していただきました。
酪農学園大学 教授 金子氏の開会のあいさつに続き、青山学院大学の古橋氏から、OpenStreetMap の毎木データや衛星画像を利用できるTelluse などを紹介していただきました。兵庫県立人と自然の博物館の三橋氏からは、コウノトリの繁殖に適した場所の分析手法について、日本自然保護協会の辻村氏からは、奄美大島での活動などをご報告いただきました。WWFジャパンの市川氏からは風力発電におけるゾーニングと環境省が公開している EADAS の活用などのご紹介があり、地域環境計画の増澤氏からは、4 月に行われた GIS 講座などの保全に関わる支援についてご報告いただきました。コンサベーション・インターナショナル・ジャパンの名取氏からは、海外における SATOYAMA に関する事例のご紹介があり、EnVision の工藤氏からは海外インターシッププログラムに参加した際のご報告がありました。事例発表の最後に金子氏から、生物多様性保全に関わる情報などを地図上で可視化できる「きたマップ」を紹介していただきました。
パネルディスカッションでは、客席からの SDGs や講演内容に関する質疑応答や今後の活動について活発な議論が行われました。

 

IoT・イメージ・AI と ArcGIS の連携セッション

本セッションでは、GIS にかかわる技術として「IoT」、「イメージ」、「AI」を取り上げ、これらの先端技術と ArcGIS の連携について発表しました。
IoT との連携では、センサー等から送信されるデータを ArcGIS Online へ格納してリアルタイムに可視化するための簡易なサービスの紹介や、送信されるデータをArcGIS GeoEvent Server(ArcGIS Enterprise)でリアルタイムに分析と可視化する例を紹介しました。
イメージ データの活用では、Drone2Map for ArcGIS やArcGIS Pro の写真測量機能を使うとドローンデータから簡単に GIS で利用可能なデータにできること、また生成した GIS データを ArcGIS Pro や ArcGIS Online を中心とした ArcGIS プラットフォームに展開することでドローンデータの利用価値をさらに高められることを紹介しました。
AI との連携では、ArcGIS Pro に実装されている機械学習ツールの紹介、外部のディープ ラーニング ツールとArcGIS Pro を連携してドローンで撮影したイメージから車両を検出する例をデモを交えて紹介しました。
会場には多くのお客様にお越しいただき、IoT・イメージ・AI と ArcGIS をどのように連携し、どのような活用ができるのかについての関心の高さを実感しました。

 

 

各種展示、懇親会、体験セミナー

スポンサー展示

GISコミュニティフォーラム 2019 - スポンサー展示スポンサー展示全 20 社による様々な ArcGIS 関連ソリューション、GIS データ等の紹介が行われました。参加者はそれぞれ興味のあるブースでの情報収集を行っておられました。

 

ESRIジャパン 製品展示

GISコミュニティフォーラム 2019 - ESRIジャパン 製品展示ESRIジャパンの ArcGIS プラットフォーム展示ブースでは、GIS の統合プラットフォーム「 ArcGIS 」を構成する各製品(ArcGIS OnlineArcGIS ProArcGIS EnterpriseArcGIS AppsArcGIS for DevelopersESRIジャパン データコンテンツ)を中心にご紹介しました。最新バージョン ArcGIS 10.7 が翌月リリースされることもあり、新機能/新アプリケーションに興味を持たれた多くのお客様にお立ち寄りいただきました。今年は ArcGIS による「 3D 」、「リアルタイム」、「イメージ」をテーマにした展示も行い、それぞれの活用や実現について、数多くご案内いたしました。また、ドローンで取得した画像から GIS データを生成するアプリ(Drone2Map for ArcGIS)、現地調査用アプリ (Collector for ArcGIS / Survey123 for ArcGIS / Workforce for ArcGIS)、空間分析アプリ (Insights for ArcGIS) など、目的や用途に応じたさまざまなアプリ群 ArcGIS Apps に関心をお持ちのお客様も多くいらっしゃいました。

 

マップギャラリー

GISコミュニティフォーラム 2019 - マップギャラリーユーザーの方々が作成したマップ 38 作品を展示しました。今回は、ドローンで撮影した画像から沼に飛来する水鳥の数を自動でカウントした手法を紹介した作品(酪農学園大学、宮島沼水鳥・湿地センター)や、沖縄のやんばる国立公園の地質や地形などの10の自然環境要素別に示した作品(地域環境計画)や、千葉県地域IT化推進協議会データ活用部会のイベントの様子を地図上で紹介した作品、江戸時代から現代までの400年の稲作の地域別の収穫量を可視化した作品、世界の飢餓状態を様々な指標と組み合わせて可視化した作品をはじめ、GIS の多彩な表現方法を楽しめる、様々な題材の作品が集まりました。
今年の入賞作品は次の 5 作品です。

 

1位:「ドローン画像&機械学習による水鳥の自動カウント~北海道 美唄市 宮島沼にて増加-
(酪農学園大学 環境共生学類)
2位:「やんばる国立公園のエコリージョンマップ
(株式会社地域環境計画)
3位:「いすみ鉄道オープンデータイベントマップ
(浦安まちづくり団体「チームURA-CIMA」)
4位:「石高でみる日本の400年
(国際航業株式会社 リモートセンシンググループ)
5位:「満たされない胃袋:食料が分断する世界
(富山国際大学付属高等学校 メディア・テクノロジー部)

 

懇親会

前国土地理院長で青山学院大学 教授 村上 広史氏から開会のご挨拶と乾杯のご発声を賜り、賑やかに懇親会が始まりました。参加者は 300 人を超え、著名なユーザーの方から若いユーザーの方までの幅広いユーザーが一堂に会し、会場は沸き立つ熱気と活気に満ち溢れ、GIS コミュニティ活性の歩みが確実に前進していることが感じられる場となりました。
恒例のマップギャラリー表彰式では、1 位から 5 位までの優秀作品が発表され、プレゼンターの米国 Esri 社 Richard Cooke(リチャード クック)氏より、受賞者の方々へ賞品と副賞が授与されました。盛んに拍手が送られる中、受賞者の喜びの声もお聞きすることができました。

GISコミュニティフォーラム 2019 - 懇親会GISコミュニティフォーラム 2019 - 懇親会

 

体験セミナー

GISコミュニティフォーラム 2019 - 体験セミナー体験セミナー今回は「ArcGIS Proのここがすごい!2D & 3D マップ作成体験講座」と題し、実際に ArcGIS を操作する体験セミナーを実施しました。ArcGIS Pro の特徴の 1 つでもある 2D マップと 3D マップの二画面表示や ArcGIS Online との親和性が高い ArcGIS Pro だからこそできる Web マップとしてのマップの共有などを体験していただきました。 「実際に操作できて参考になった」「業務で使えそう」「使ってみたくなった」とのコメントを数多く頂戴し、実際の操作を通して ArcGIS Pro の操作性の高さを実感していただけたものと思います。